ドライフラワーのいちばんの魅力はその独特な雰囲気にあります。乾燥させることでくすんだ色みになり、アンティークやBOHO(ボーホー/ボヘミアンとNYのSOHO(ソーホー)を掛け合わせた言葉)といった風合いになります。ビンテージ風のドレスやストンとしたシンプルドレスの雰囲気をより一層際立たせてくれます。

水につける必要がなく生花よりも扱いやすいという機能面で選ぶ人もいます。たとえば、海辺のロケーション撮影は、強い日差しや海風を直接浴びるなど、生花には厳しい環境ですがドライフラワーならそういった心配はいりません。

枯れないため、フォトウェディング、結婚式当日、ハネムーンでのフォトシューティングなど、何度も利用することができ、結婚式後はインテリアとして部屋に飾ることができるというのもメリットです。

ただし、値段については注意が必要。「ドライフラワーは生花よりも安い」というイメージを持っている人もいますが、その花が持つ風合いを残しながら乾燥させるという手間がかかっており、たとえば1本100円の生花のバラもドライフラワーなら300円など、割高になることもあります。また、乾燥させることで1本1本のボリュームも小さくなるため、ブーケに一定のボリュームを出そうとすると、生花よりも本数が増え、結果的に値段が上がることもあります。

ドライフラワーブーケを、ネットで購入する場合、サイズ選びに注意が必要です。実際に届いてみると、大きすぎたり小さすぎたりして、花嫁の身長やドレスとのバランスが合わないことがあるからです。ドレスのボリュームやヒールを履いた時の身長を踏まえたうえで、ブーケの長さや幅などを確認し、どんなバランスになるか鏡の前でシミュレートしてみましょう。

また、ドライフラワーは乾燥しているため、茎や枝などが折れてしまうことがあります。注文する前に、ブーケが壊れないようにどんな工夫をしているのか、梱包や配送方法なども確認しておきましょう。

フラワーショップ「tokohana(トコハナ)」では、ブーケを紐で箱に括り付け、固定させて配送しています。

「アンティーク」や「ナチュラル」といったドライフラワーの独特な世界観も、ドレスやヘアスタイル、アクセサリーとバランスが取れてこそ活かされます。ドライフラワーがぴったりハマる花嫁コーディネートをテイスト別に紹介していきます。

岩場でのフォトウェディングなど、ワイルドなロケーションにおすすめなのは、プロテアやピンクッションなど、インパクトのある花材を主役にしたブーケ。

ロケーション自体に広大でダイナミックな雰囲気や強い個性がある場合、そのなかでもきちんと花嫁姿が際立つよう、ブーケにもインパクトが必要です。
岩場のロケーションは、全体的にグレーがかったトーンなので、粉を振りかけたような白っぽい色みのブーケもぴったりです。
花嫁コーディネートは「かわいらしい」よりも「スタイリッシュ」な雰囲気がおすすめ。ドレスはマーメイドラインやスレンダーライン、ボリュームを抑えたAライン、カラードレスならパステルカラーではなく、テラコッタやくすみカラーが似合います。

脱色加工により、あえて花の色みを消した真っ白なブーケは、クール&スタイリッシュな花嫁コーディネートにぴったりです。エッジの効いた直線的な花材を選ぶと、より一層スタイリッシュな雰囲気が強調されます。
花嫁コーディネートもシンプルなテイストがおすすめ。ドレスはレースやフリルなどの装飾がない、サテン生地のスレンダーラインなど。チュール素材やふんわりとしたプリンセスラインなど柔らかいデザインよりも、ストンとしたシンプルなドレスと相性が良いです。アクセサリーは一粒パールやライン状のゴールドピアス、ヘアスタイルはゆるく巻いたダウンスタイルなどミニマルなコーディネートを意識しましょう。

小花を束ねたナチュラルブーケなら、軽井沢や箱根といった高原リゾートやガーデンウェディングにぴったりです。かわいらしい雰囲気なので、シンプルドレスはもちろん、チュールやレースなど柔らかみのあるドレス、ふわふわダウンのヘアスタイルとの相性も抜群。
小花のブーケはボリュームが小さくなりがちなので、どちらかというと小柄な花嫁の方がバランスよくまとめられるでしょう。
よく小花ブーケに見られる、スターチスなど、生花の状態でもパサっとした質感の花は、自宅でも風通しの良い日陰につるしておくだけでドライフラワーに加工できます。たとえば、フォトウェディングや結婚式では生花、結婚式終了後は自宅でドライフラワーにして飾るといった楽しみ方もできます。

くすみピンクはドライフラワーを象徴する色みのひとつ。アンティークレースなどを使ったビンテージドレスとの組み合わせが映えます。その場合、たとえば、アジサイやケイトウなどのくすみピンクと、パンパスグラスやスモークツリーなどモコモコとしたベージュカラーを組み合わせることでアンティーク感を強調することができます。

また、くすみカラーは、夏よりも秋・冬の柔らかい日差しの方がマッチします。サンセットをバックにしたロケーション撮影にも映えます。「アンティーク」だけでなく「ワイルド」なテイストもあるので、フォトウェディングなどでは、ファーやレザー、デニムなどのジャケットを羽織ったコーディネートもおすすめです。

くすんだ色みのドライフラワーは、「かわいらしい」「キレイ」だけでなく、「アンティーク」「クール」「ナチュラル」といったおしゃれ感をプラスしてくれます。
特に、プリンセスのような雰囲気に抵抗がある、「かわいい」よりも「スタイリッシュ」にコーディネートしたいといった花嫁にはぴったりのアクセントになります。ブーケ単体でも、確立された世界観がありますが、ドレスやヘアスタイルなどとの相性も考えて、トータルバランスで理想の花嫁姿を叶えましょう。