■ 後悔するのは結婚式の1週間後? 残したいなら式後3日以内に
ウェディングブーケを結婚式後も長く保存できる「アフターブーケ」は、結婚式の準備段階、ブーケを決めたタイミングでウェディングプランナーやフローリストが提案してくれます。
でもその時点では、まだ実物も見ておらずさほどブーケに愛着が湧かないことに加え、5万円前後、高額だと7、8万円にも上る加工代金に躊躇する気持ちが働き、あまりピンとこずに注文しない人もいます。
ブーケ保存専門店の「モレク」の真邉美樹さんは「結婚式のあとからブーケ加工を申し込まれることも多い」と言います。
『自宅で飾っていたが、枯れていく様子を見ていて寂しくなった』と、式から1週間くらい経ってから加工の相談をされることも多いんです。
ウェディングドレスや会場装花、引出物など、結婚式のために用意したアイテムは手元に残らず、唯一、形として残るブーケも徐々に傷んでいくので「残せるものなら残しておきたい」という気持ちが膨らんでくるのだと思います。
ただし、結婚式から日にちが経ち、保存状態も良くない場合は、アフターブーケの加工に耐えられない状態になっていることもあるので注意が必要です。
「結婚式後、3日以内に申し込んでいただくのが理想ですが、しばらく生花の状態で飾っておきたい場合は、花瓶の水をこまめに変えたり、涼しい場所に置くなど、花の鮮度を保つ工夫が必要です」(真邉さん)
ブーケには男性からのプロポーズ、ブートニアにはそれに対する同意の証という意味があります。ブーケとブートニア、両方を残すことで、結婚当初のふたりの気持ちまで残せるのではないでしょうか?
■ アフターブーケの主な加工方法
ひとくちにアフターブーケといっても、押し花かドライフラワーか、加工方法次第で仕上がりの雰囲気も変わるので、ふたりの好みや新居のテイストに合ったものを選びましょう。結婚式に必要なものがなんでも揃う「CORDY」で人気のデザインを紹介します。
・アート作品のように仕上がる 押し花加工
押し花加工はアート作品のような仕上がりと壁などにも掛けられるコンパクトさが人気。
アート作品のように仕上がる理由は加工方法にあります。花びら一枚一枚をバラバラにして乾燥させ、台紙の上で元の花やブーケの形を再現していくため、並べ方次第で雰囲気が変わります。たとえば、新婦がとくに気に入って選んだ花をいちばん目立つ位置に強調させてレイアウトしたり、“植物の肖像画”とも呼ばれる「ボタニカルアート」のように、ブーケとはまったく別の形に並べることも。もちろん、当日のブーケを忠実に再現することもできます。
自由にレイアウトできる特性を活かし、写真やロゴマーク、カリグラフィーなどの文字と組み合わせてコラージュのようにアレンジすることも。
たとえば、モデルや女優のようにポージングを決めた前撮り写真とブーケの一部を組み合わせたり、ふたりのイニシャルのカリグラフィーを入れたりすれば、よりアーティスティックに仕上がります。
押し花ブーケに使う花は、多くても元のブーケの半分程度。小さめの額縁を選び、余った花で両家両親へのプレゼントとしてミニサイズの押し花ブーケをつくることもできます。
・シルエットもリアルに残せる ドライフラワー
ドライフラワー加工の魅力は、結婚式当日に持ったブーケをそのままの形で残せること。バッグブーケやリースブーケなど、シルエットもあせることがありません。
一般的なドライフラワーと同じく花の色をくすませる加工方法、色みも生花のように鮮やかに残す方法の2種類があります。
「モレク」が手がけるのは、くすんだ色みになる加工方法。完全に乾燥させないため、年月の経過に合わせた色みが変化し、アンティークな風合いが増していくのも魅力のひとつです。
「Fatina Fiore(ファティナフィオーレ)」のドライフラワーは独自技術で、ふっくらとした花びらなど生花の形をリアルに再現。結婚式の思い出も色鮮やかに思い出すことができます。
ドライフラワーと押し花、いずれも直射日光と湿度を避けて飾りますが、ドライフラワーは常に空気に触れているぶん、劣化しやすいという特徴があり、一層の注意が必要です。また、乾燥していて壊れやすいため、地震などで落下しないような対策もしておきましょう。
・余った花は箸置きやペーパーウェイトに
押し花もドライフラワーも、使用する花の量はブーケのうち半分程度。モレクでは、余った花を樹脂で固めて、箸置きやペーパーウェイト、マグネット、アクセサリーなどの小物にアレンジするサービスも提供しています。結婚式当日を共に過ごしたブーケを、できる限り余すことなく手元に置いておきたいと考えるなら、こうしたアレンジもおすすめです。
■ 花の鮮度を保つブーケの送り方
自分でブーケを送る場合は、花の傷みをできるだけ和らげるのがポイントになります。より美しい状態で加工してもらうために、自分たちでできることや注意点をまとめておきます。
①ブーケ加工ショップには結婚式から2、3日以内に届けるのが理想。
②ブーケのサイズに合う段ボールと固定するための緩衝材などを用意。
③ブーケはできる限り保水しておきましょう。
ラウンドブーケやクラッチブーケなど、花がスポンジに挿してあるブーケはスポンジが水を吸わなくなるまで含ませます。茎があらわになったクラッチブーケはたっぷり水を含ませたキッチンペーパーで茎の部分を包み、その上からビニール袋をかけて輪ゴムで止め、アルミホイルを巻きます。
④ブーケは段ボールに立てて入れましょう。
特に夏場は段ボールの内側に保冷剤を付けるなど暑さ対策も必要です。冷凍させて運ぶクール便は花の色が損なわれるので避けましょう。配達日は最短を心掛け、可能ならば翌日を指定しましょう。
■ プロポーズの花束や両親贈呈花束なども保存できる
プロポーズでもらうバラの花束、前撮りやフォトウェディングで持つブーケ、結婚式のクライマックスで両親にプレゼントする花束など、「結婚」には幸せな気持ちが詰まった忘れられない花が数多くあります。こうした花も押し花やドライフラワーとして保存できます。
プロポーズの花束を加工すれば結婚式当日、ウェルカムアイテムとして飾ることもできます。
結婚式当日の両親贈呈花束も、後日加工して改めてプレゼントすれば、ふたりの感謝の気持ちと共に長く飾ってもらえるのではないでしょうか。
■ まとめ 花に詰まっている幸せな気持ちも残そう
花が枯れてしまうのは宿命ともいえますが、形を変えて残すことはできます。結婚式当日を共に過ごしたブーケ、プロポーズでもらった花束などには、その時の幸せな気持ちが詰まっているからこそ、枯れるのを待つだけでなく、長く手元に置いておけるように残すことをおすすめします。
自宅に飾っておくことで、結婚式や結婚の幸せをいつでも思い出すことができますよ。