「世界一エレガントで可愛い」ウェディングドレス

2020.03.05 木 | CORDY(コーディ)セレクト

レインボーカラーやお菓子のように可愛いデザインが花嫁世代に絶大な支持を得ている、ドレスショップ「THE HANY(ザ ハニー)」。まさに「世界で一番エレガントで可愛い花嫁様をつくる」というコンセプト通りのドレスを、次々と世に送り出しています。デザイナーの伊藤羽仁衣さんが考える、花嫁を幸せにするドレスとは?また、伊藤さんのドレスデザインの流儀など、詳しくインタビューしました。

クラフトマンシップが光る豪華で繊細なドレス

ーTHE HANY(以下、ハニー)のウェディングドレスの特徴を教えてください。

伊藤:豪華でありながら、且つ繊細なデザインが特徴だと思います。
まず「豪華」というのは、たとえば、スパンコールとビーズをミックスしたり、お花の立体モチーフをアイボリーとオフホワイトの二色使いしたりと、デコラティブに装飾している点です。レースやフリルなどの装飾をあえて抑える「引き算の美学」でデザインされたドレスもありますが、ハニーのドレスは足し算や掛け算という感覚です。

ウェディングドレスはゲストに見られる、舞台衣裳だと考えているので、着ている人がハッピーになれることに加えて、見ている側にも楽しい、美しいと感じさせるデザインを心掛けています。

次に「繊細」。たとえば、全体にパールを散りばめたドレスも、サイズの異なるパールを二色使いして1つ1つ手作業で縫い付けたりしています。こうしたクラフトマンシップを大切にしているので、単に豪華なだけではなくてエレガントさが感じられると思います。

遠目に見るとキラキラと華やかに輝いている、近くで見るとゴージャスだけど繊細など、同じ衣裳でも見る位置や角度によって異なる美しさを楽しんでいただけるのではないでしょうか。

光の加減で異なる表情を見せるドレス「Hanabi」

ー同じ衣裳でもシーンによって異なる美しさを見せてくれるというと、具体的にはどのような感じでしょうか?

伊藤:「Hanabi(花火)」というドレスは全体にスパンコールを散りばめたデザインですが、光の当たり方によって全く異なる表情を見せてくれます。
たとえば、夜にストロボを使って撮影すると、光が反射して星のように輝いたりしますが、日中の自然光の下では光沢のある自然な輝きを見せたりします。
スパンコールの他にはレースなどの装飾を加えず、ラインなどもシンプルなので、より一層、スパンコールでかたどった花火の柄が浮かび上がって見えると思います。

何物にもとらわれず自由な発想でデザイン

ー伊藤さんの「デザインの流儀」を教えてください。

伊藤:コンセプトやテーマは決めずに自由にデザインしています。私の場合、「今年のトレンドカラーのドレスをつくろう」など、コンセプトやテーマありきだと、発想が広がらないんです。それよりも「このドレスに可愛いお花を付けたら、試着したお客様が「ワー!」と歓声を上げてくださるんじゃないかな」などとワクワクしながらつくる方がイメージが膨らみます。

たとえば、何色にするか、装飾アイテムはビーズなのかお花のモチーフなのかなど、大まかな方向性は決めますが、それも途中で変わったりします。パターンを引いたり、生地を選んだり、刺繍を施していくうちに「やっぱりこのビーズはピンクよりもブルーがかわいい」などと変わっていきます。デザイン画は羅針盤のようなもの。ゴールは素敵なドレスをつくることであって、デザイン画通りにつくることではないと思うんです。

つくる側も幸せでなければハッピーの連鎖は起こらない

ウェディングドレスデザイナーになって16年になりますが、日常生活で見るもの全てをドレスのデザインに結び付けて考えるクセも自然と身に付いてきましたね。たとえば、きれいな花を見ると「あの花のようにくすんだ色味が可愛いな」とか「花びらがたくさん重なっているようなスカートも素敵」といった感じです。そういうネタは書き留めてストックしています。

私は、幸せは連鎖するものだと思っています。ウェディングドレスは幸せの絶頂にいる瞬間に着る衣裳なので、つくる側も幸せでなければお客様にもハッピーの連鎖が起こらないと思うんですよね。心のコンディションが良いと、アイデアも湧きやすいので、大好きな旅行に出かけたり、子どもと遊んだり、自分自身がハッピーでいる時間もデザインのアイデアが浮かびますね。

「似合わない」の心配よりも着たいドレスにワクワクしよう

ープレ花嫁の方に衣裳選びのアドバイスをお願いします。

伊藤:基本的には似合うかどうかを気にするよりも、好きなドレスを着るのが一番だと思います。
よくトークショーにお招きいただくと「ピンクのドレスを着たいけど、30歳なので可愛すぎるように思います。どうしたらいいですか?」などと質問を受けたりするのですが、「そんなの気にしないで着たらいいじゃないですか!」とアドバイスしています。

ピンクのドレスでもコーディネート次第で大人っぽくもできますし、もし、似合わなければ小物やドレスの柄でピンクを取り入れることもできます。ウェディングドレスは花嫁が選ぶものであって、花嫁がドレスに選ばれるわけではないと思うんです。

「カラー診断で青系が似合うと言われたので青いドレスを探している」という方もいらっしゃったりしますが、一生に一度のことなのに「着たい」気持ちよりも診断で決めていいんですか?後になって「やっぱりピンクを着れば良かった」となるのはもったいないと思うんですよね。

先ほど例に挙げた「Hanabi」というドレスでも、スーパーモデルみたいな花嫁が1つに束ねたヘアスタイルでコーディネートしたらモードな印象になったり、小柄なかわいらしい雰囲気の花嫁が花冠などと合わせて着たらスパンコールの輝きも愛らしく映る、全然違う印象になるはずです。

同じドレスでも可愛く着たい人もいれば、エレガントに着たい、ゴージャスに着たい人もいらっしゃると思います。ヘアスタイルやコーディネート次第で変わる、イメージの違いを楽しんでいただきたいと思います。

3歳の頃からデザイナーに憧れ

ーデザイナーとしてのキャリアはどのようなきっかけでスタートしたのですか?

伊藤:父が婦人服のデザイナーだったこともあり、中学1年生の頃から、年に2回、ファッションショーに出品させていただいていました。3歳くらいの時には日本を代表するファッションデザイナーの森英恵(もりはなえ)先生に憧れていて、小学生の頃には父にデザイン画を教わっていました。

デビュー作は、トランプ柄のワンピースと抽象画家のモンドリアンの絵画に似た柄のワンピースでしたね。
モンドリアン風のワンピ―スは、当時、流行っていたキューブ型のカラフルなキャンディーのCMからインスピレーションを受けました。色合いが可愛いと思ったんです。振り返ると、当時から、服以外のものからデザインのアイデアをひらめいていましたね。通算すると、1000着以上、デザインしています。

デザイナーとしての私のスタイルは、父の影響が大きいと思います。私はファッションの専門学校に進学しましたが、父には幼い頃から「デザイナーにとっては縫製技術などを身に付けるよりも感性を磨くことの方が重要」と言われてきました。その言葉通り、専門学校では、技術を学ぶことよりも、ファッション関係の友人がたくさんできて、楽しい思い出をつくれたことの方が、貴重な経験だったと思っています。

父は、「売れるかどうか」や予算などの条件をつけずに、私が「つくりたい」と思うものを自由につくらせてくれました。それが、今、私の得意としている、枠にとらわれない、独創性のあるデザインにつながっていると思います。

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