3つのCase Studyにみる ブーケ中心のパーティー会場コーディネート

2020.04.21 火 | アイテム

3つのCase Studyにみる ブーケ中心のパーティー会場コーディネート

イメージの湧きやすいブーケに好みを集約

結婚式を彩るフラワーは、ブーケと会場装花の大きく2つに分けられますが、デザインやテイストなどトータルコーディネートにもこだわりたいところです。では、どのようにして統一感を出せばよいのでしょうか。年間4000組のウェディングフラワーを手掛けるジェック(東京都港区)のトップデザイナー、高柳寿々乃さんからのアドバイスやこれまでに手掛けたブーケ・会場装花の事例を引きながら、プロのアイデアやデザイン力を紹介します。

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結婚式は花を贅沢に使える貴重な1日

「ウェディングフラワーは、ブーケのデザインから決めて、そのデザインを元にゲストテーブルやメインテーブルをコーディネートしていくのがおススメです」
 こう語るのは、年間4000組のウェディングフラワーを手掛けるジェックに所属するトップデザイナー、高柳寿々乃さん。高柳さんは、結婚式は一生に一度、贅沢に花を使える貴重な日なので、お客様の好みを最優先にデザインしたいと言いますが、一般的にはフラワーデザインを明確にイメージできる人はさほど多くありません。ブーケ・ゲストテーブル・メインテーブルの中でも、一般的なお客様がイメージしやすいのはブーケなので、そこを軸にコーディネートしていくというのが、高柳さんのセオリーです。

 ここからは、高柳さんが手掛けたウェディングフラワーの事例を見ながら、ブーケを軸としたパーティー会場のトータルコーディネートを紹介します。

お月様のようなボールブーケで「お月様ウェディング」

パーティーのテーマは「お月見」。まさに、テーマを象徴するブーケになりました。

ネイビーをベースとした色打掛に合わせた、月をイメージさせるボールブーケ。黄色1色だと単調でチープな印象になってしまうので、差し色として新婦が好きな白い胡蝶蘭を足しています。黄色いピンポンマムと胡蝶蘭をなじませる花材としてアジサイも入れました。持ち手の組み紐も花と同系色の金と白でまとめています。
 結婚式は10月でパーティーのテーマは「お月見」。まさに、テーマを象徴するブーケになりました。

黄色いオンシジウムとセットで置いたランタンも、「お月見」というテーマを連想させるアイテムの1つです。

このブーケに合わせて、メインテーブル・ゲストテーブルともに、黄色と白で統一。最初、ゲストテーブルは竹の花器を使うアイデアもありましたが、色打掛の色に合わせたテーブルクロスと竹を合わせると重たい印象になってしまうと考え、和紙を貼ったガラスの器を使うことにしました。黄色いオンシジウムとセットで置いたランタンも、「お月見」というテーマを連想させるアイテムの1つです。

 これは、高柳さんが得意とする「スタイリッシュ×和」の象徴的な事例とも言えます。使う花材の色を1~2色に絞ることでシンプルにまとめる他、先に紹介したメインテーブル・ゲストテーブルでも使用したオンシジウムやシンビジウムなど、1つの茎にいくつもの花が連なる花材を使うのも、よく高柳さんが提案するスタイルの1つ。バラなどの一輪咲きよりも動きが出やすく、ダイナミックな印象を与えることができると言います。和風のアレンジメントでは、丸みのあるコロンとした花材が使われがちですが、流れを出しにくいため、特に直線的で男性的な会場には、動きの出やすい花材がおススメだと言います。

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枝ものクラッチブーケで花嫁の意外性を表現

枝ものクラッチブーケで花嫁の意外性を表現

「結婚式では意外な一面も見てほしい」
 それが、小柄でかわいらしい新婦のリクエストでした。インスタグラムなどで様々なブーケの画像を参考にする中でも、かわいらしい印象になりがちなボールブーケは避けたいとのことです。
 高柳さんの第一印象では、小花を使ったブーケのアイデアが浮かんでいましたが、180度方針転換。結婚式を行う秋に充実する「枝もの」を束ねたクラッチブーケを提案しました。新婦が選んでいたゴールド地に赤い柄の入った色打掛に合わせて、ブーケの色味は赤。秋に旬を迎える「実もの」やダリアでまとめました。
 メインテーブルとゲストテーブルはブーケにも入れたダリアを主軸にコーディネート。ゲストテーブルの花器は、一般的な縦長の花瓶ではなく「丼」をセレクトし、ゲストにインパクトを与える工夫をしました。
 メインテーブルの後ろには、新婦側だけに植栽を置きました。新郎側の壁紙に描かれた鳳凰の柄を活かし、新婦側の花や植物に重みを持たせてバランスを取りました。

ダズンローズ+小花で花嫁の愛らしさを強調

ダズンローズ+小花で花嫁の愛らしさを強調

 『CaseStudy 3』の新婦がお色直しで着たウェディングドレスに合わせたのは、赤いバラをブルーファンタジアやポポラス、ワックスフラワーなどの小花で彩った、本来の新婦のイメージに近いブーケ。
 2人のリクエストだった「ダズンローズ」の演出を絡めています。「ダズンローズ」とは新郎がゲスト席から12本のバラを集めて新婦にプレゼントする演出。そのバラの花束をケーキ入刀のタイミングで、5分程度で素早くブーケにアレンジしました。
 ウェディングドレスは、かわいらしい雰囲気のAライン。和装のスタイリッシュな印象から「ガラッとイメージチェンジしましょう」と提案したそうです。

高柳さんが所属するジェックでは、2万点以上の花器を揃えています。

高柳さんが所属するジェックでは、2万点以上の花器を揃えています。最近は、インスタの影響もあり、お客様の側から「陶器系」「ガラス」など、花器を指定するケースも増えており、こうしたリクエストにも柔軟に応じていくためです。社内では毎月1回、テーマを決めて、花器を含めたアレンジメントのアイデアを共有する勉強会もあり、花だけに留まらない知識やデザイン力の幅を広げているそうです。
 「事前にデッサンを描いてお渡しすることもありますが、当日まで実物をご覧いただけないのがウェディングフラワーです。それを「不安」ではなく「楽しみ」と感じていただけるよう、花だけでなく花器の組み合わせも含め、工夫を凝らしています」(高柳さん)