「内祝い」や「結婚内祝い」と聞いても、どういった役割を持つのかわからない人も多いのではないでしょうか。結婚式を挙げる、挙げないに関わらず、お世話になった人やお祝いしてくれた人に失礼のないよう、結婚内祝いの基本マナーや人気のギフトを押さえておきましょう。
■「内祝い」「結婚内祝い」とは
「内祝い」は、「身内の人とお祝い」すること。なにか喜ばしいことがあった時に親戚やご近所など、近しい人に記念や感謝の気持ちとしてお祝いの品を贈っていたのが「内祝い」です。内祝いには結婚内祝い、出産内祝い、新築内祝い、初節句内祝い、快気内祝いなどがあります。
そして「結婚内祝い」は、結婚の報告を兼ねて親戚やお世話になった人に贈り物をすることです。「喜びをおすそ分けする」という意味合いから、結婚祝いをもらっていない相手に内祝いを贈っても問題はありませんが、かえって気を遣わせてしまうこともあるので、現代では贈り物を頂いた人に対して「お返しとして内祝いを贈る」意味として捉えられています。そのため結婚式を挙げる場合には、引き出物が内祝いとして扱われます。
■結婚内祝いを贈る際のマナー
結婚内祝いを贈るときには、相場や渡し方などのマナーをおさえておく必要があります。
まずは、結婚祝いをもらってから内祝いを渡すまでの流れに沿って確認していきましょう。
・結婚祝いをもらったら?
挙式前に結婚祝いをもらったら、まずはお礼を伝えましょう。受け取ったお礼はなるべくその日のうちに。最近ではLINEやメールなどの連絡手段もありますが、丁寧さを伝えるという意味では、できれば電話で結婚祝いが届いたことと感謝を伝えるのが好ましいでしょう。
・結婚式に参列したゲストからお祝いをもらった場合
結婚式や披露宴に参列した人からのご祝儀も「お祝い」のひとつですが、この場合、引き出物がお返しにあたるため、内祝いを改めて贈る必要はありません。ただし、結婚式でもらったご祝儀が想定よりも多かったり、ご祝儀とは別でお祝いの品をもらった場合には引き出物と別に後日、内祝いを贈ると良いでしょう。
・内祝いは挙式後1ヶ月以内に贈る
結婚内祝いは、挙式後1ヵ月以内に贈るのがマナーです。ただし、挙式の何ヵ月も前に結婚祝いをもらった場合、お返しが遅くなってしまいます。このような場合には、挙式後の1ヵ月を待たず、結婚祝いをもらってから1ヵ月以内に内祝いを贈ると良いでしょう。
・内祝いの渡し方
内祝いの渡し方には、手渡しと宅配便のふたつの方法があります。
——手渡しの場合
結婚祝いを直接頂いた場合には、手渡しで内祝いを渡すのが一般的です。ただし、最近は新型コロナウイルスの影響で直接会うことを控えている人もいるので、事前に訪問しても大丈夫か確認しましょう。
日程調整を行い、約束の時間より早く到着するのは避けます。風呂敷または手提げ袋に入れて持っていき、袋から出して渡します。このとき、内祝いを入れていた風呂敷や手提げ袋を持ち帰るのを忘れないようにしましょう。
——宅配便の場合
遠方に住んでいる人や、結婚祝いをたくさんもらって個々に直接渡せない場合は宅配便で送ります。忙しくてなかなか時間をつくれないという人にも宅配便なら相手の負担なく渡すことができます。
直接手渡しをする場合と同様に、相手の都合の良い配達日時を確認することが大切です。送る前に連絡して、相手が受け取れる日時を確認するのが良いでしょう。宅配便の場合にはお礼状も忘れずに添えます。
・熨斗(のし)の選び方
熨斗は「紅白で結び切りの水引」、表書きは「内祝い」か「寿」が最適です。差出人は新姓を中央に書き、ふたりの名前を並べて書くのが基本ですが、新姓のみを書く場合もあります。
熨斗には「内のし」と「外のし」があり、内祝いには控えめな印象を与える内のしが適切だとされています。また、外のしだと宅配便中に傷ついてしまう可能性があるので、そういった事態も防げます。
手渡しの場合には向きを確認する必要があるため、表書きが見える外のしが適しています。
■値段の相場
結婚内祝いはもらったお祝いの半返し(お祝いの半額)が一般的です。結婚祝いの相場は3万円~10万円なので、半返しで考えると内祝いの相場は1万5,000円~5万円となります。
しかし、もらった相手との関係性によってマナーが異なるので失礼のないように準備をしましょう。
・贈る相手によって額が異なる
職場の上司や目上の人からもらったお祝いには、3分の1くらい、同僚や部下へのお返しは2分の1程度を目安にしましょう。
ただし、内祝いの相場に明確な規定はありません。相場はあくまで目安と考え、相手の好みが明確にわかっている場合などは値段よりも贈りたい品物で選ぶと良いでしょう。
・連名でもらった場合
部署や社内グループから連名でもらった場合はまとめてのお返しではなく、一人ひとりへのお返しを用意します。誰からもらったのか、まずはメンバーを把握しましょう。
ひとり当たりのお返しの金額が小さくなるため、個包装のお菓子などがおすすめです。必ず全員に渡せる数を用意してください。
たとえば5人から2万円のお祝いをもらった場合、ひとりあたりの負担額は4,000円なので、半分の2,000円程度のお返しを用意することになります。
・高額なお祝いをもらった場合
高額な結婚祝いに対して高額なお返しをするのはかえって相手に気を遣わせる恐れがあります。この場合、3分の1から4分の1の金額でお返しをするといった目安もありますが、自身が出せる予算の範囲で内祝いを選べば問題ありません。
このようなケースでは、感謝の気持ちを相手にしっかり伝えることを大切にしてください。たとえば、新婚旅行のあとにおみやげを持ってご挨拶に行き、直接顔を見てお礼を述べるなどです。こうすることで、より相手にも感謝の気持ちが伝わります。
両親や祖父母などの近しい存在なら、「新しい門出を応援したい」「困ったときにはなんでも相談してきてほしい」「新婚旅行を思う存分楽しんできてほしい」など、さまざまな思いが込められていることもあるでしょう。こういった場合は、まずは感謝の気持ちを伝え、金額的な釣り合いよりも、いちばん喜んでもらえるものを贈るようにしましょう。
・結婚祝いを品物でもらった場合、どうやって金額を調べる?
お祝いでもらった品物の金額を調べることは失礼にあたるのでは? と気が引けるかもしれませんが、金額を調べずに相場以下のものを贈らないためにも必要なステップです。
金額の調べ方としては、まず箱や紙袋、包装紙から店舗名やブランド名を確認します。その後インターネットで検索し、商品を探します。このとき、なるべく公式サイトの価格を参考にしましょう。さまざまなブランド・商品を取り扱っている通販サイトでは定価で売られていないこともあり、その価格を参考にすると相場以下のお返しになってしまう可能性があるためです。
■内祝いギフトの選び方
内祝いギフトの定番はグルメやスイーツ、タオル、カタログギフトなどです。親しい友達で相手の好みがわかる場合には、それに合わせて贈るとなお喜ばれます。
相手の趣味や好みがわからない場合は、グルメやスイーツ、飲み物など形に残らない「消えもの」を贈るのが良いでしょう。遠方の人に食べ物などを送る際には、日持ちするものを選ぶことが大切です。
ここからは、CORDYでの人気ギフトをご紹介するのでぜひ参考にしてください。
【1,000円~2,000円/友人の連名による1万円程度のお祝いに対して】
砂糖や香料、保存料だけでなく、水も使わずに作られているストレート果汁100%のジュースです。飲み切りサイズの小瓶にフレッシュな味わいが詰まっているこだわりの一品。お子様からご年配の方まで楽しんで貰えるので贈る相手を選びません。友人連名のお祝いに対するお返しとして選ぶ場合は、1本あたり約600円なので2本で1,200円分、3本だと1,800円分のお返しになります。
カスタードや抹茶、チョコレートなど全部で6種類の味わいを楽しめる詰め合わせです。ご家族にはもちろん、連名でもらった際のお返しにもぴったりの商品です。見た目も食感も異なるのでみんなで楽しんで食べてもらえるでしょう。友人連名のお祝いに対するお返しとしては、ひとつあたり約370円なので3つで1,000円分、4つだと1,500円分のお返しになります。
【1万円~1万5,000円/3万円程度のお祝いに対して】
タオルと聞くと、世界最大の産地である「今治」が有名ですが、そのなかでももっとも歴史のある「藤高(フジタカ)」の直営店"FUJITAKA TOWEL GINZA"で作られた高品質なタオルです。無地の白色なので贈る人を選ばないのもポイント。毛羽落ちも少なく、長く使ってもらえるはずです。
ビールの香りや味わいを存分に楽しめるよう設計されたペアグラス。ワイングラスの名門ブランド「リーデル」とビールメーカーによるこだわりの一品なので、ビール好きの人へのお返しとしておすすめです。お世話になっている上司や、特別な人へ贈ってみてはいかがでしょうか。
【2万円~2万5,000円/5万円程度のお祝いに対して】
デザインと機能が高い次元で融合した家電で有名なブランド「バルミューダ」。トーストはもちろん、フランスパンやクロワッサンなど種類に合わせたモードも搭載されておりパン本来の美味しさを引き出します。パン好きの人や料理好きの人へのお返しとして贈ると喜ばれるでしょう。
シューケア製品のトップブランドである「M.MOWBRAY」のケアセットです。多くの靴愛好家からも支持を得ているブランドなので、靴好きの人へのお返しとしてきっと喜ばれるでしょう。靴が好きな父親や仕事熱心な上司など、身近な人からお世話になっている上司までおすすめの製品です。
【3万円前後/10万円程度のお祝いに対して】
インテリアやバッグ、グルメなどさまざまなジャンルから選べるカタログギフトです。ほかのカタログギフトよりも高価なものをもらった場合のお返しに最適。金額が上がるほど「相手の好みじゃなかったらどうしよう」などと不安になりますが、相手に選んでもらえるスタイルであれば失敗しにくいのでおすすめ。
九谷焼の脚部分からガラス部分まですべて国内生産の手作り。過去にグッドデザイン賞を受賞したこともあり、九谷焼創始のデザインが再現されているのが特徴です。それぞれ文様の異なるペアグラスになっているので、お世話になっている夫婦に贈るのもおすすめ。
■結婚内祝いを贈るときの注意点
・もし贈り漏れが発覚したら?
贈り漏れが発覚した場合、早急に内祝いの準備をすすめます。まずは電話でお詫びの気持ちを伝えましょう。遠方など会うのが難しい場合を除き、なるべく直接会って渡すのが好ましいでしょう。電話に加え、挨拶状にもお詫びのメッセージを添えましょう。
結婚祝いは多くの人からもらうことになります。贈り漏れを発生させないためにも、お返しする人のリストを作成しておくと安心です。氏名や住所、連絡先などに加えて、金額やもらった品物、関係性なども記入しておくとお返しの品を選ぶ際に役立ちます。
・地域の慣習もチェック
たとえば関西地方や近畿地方では「おため返し」という昔からの風習が残っています。これは結婚祝いや出産祝いの際にもらったお金の1割を「おため紙」に包み、お祝いしてくれた人に返すという風習です。
地方や地域ごとにこういった独自の風習が残っていることがあるので、あらかじめ結婚相手やその両親に確認して、しっかり対応しておけば相手の親族にもより喜んでもらえるでしょう。
・現金や商品券はNG
内祝いに限らず、お祝いごとで目上の人に金券類を贈ることは失礼にあたります。
目上の人でなくても、金額がそのままわかる現金や商品券は、贈ったお祝いをお金で返された、と感じる人もいるでしょう。心がこもっていないと受け取られる場合もあるので商品券や現金は避けましょう。
・避けた方がよい贈り物
新郎新婦の名前入りの品物は意外と使いにくく、受け取り側は少し困ってしまうこともあるアイテムです。名前入りにする際はお皿の裏などにさりげなく刻印するか、親しい間柄の人にのみ贈るようにしましょう。
■いちばん大事なのは感謝の気持ちを伝えること
昔とは少々意味合いが変わってきた結婚内祝い。渡し方や相場、ギフトの選び方などさまざまなところでおさえておくべきポイントがあります。数あるギフトのなかから相手に合ったものを選ぶのは大変かもしれませんが、感謝の気持ちを込めて選ぶことが大切です。せっかくお祝いしてくれた人に喜んでもらえるよう、内祝いを贈ってくださいね。
YouTube「はなよめになるちゃんねる。」でも、内祝いの贈り方やマナーなどを紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。