両親贈呈品とは?
「両親贈呈品」とは、結婚するふたりから両親へ、今まで育ててくれた感謝の気持ちを込めたプレゼントです。結婚披露宴のフィナーレに、ふたりが直接両親へ贈り物を手渡す定番演出にもなっています。その際、ふたりと両親がひとこと交わしたり抱きしめ合ったりするケースも多く、会場全体が温かいムードに包まれます。両親だけでなくゲストの涙も誘う、感動演出のひとつです。
プレゼントの品物は花束や両親の嗜好品、実用的なアイテムなどさまざまです。決まったルールやしきたりはなく、「ふたりのどんな気持ちを込めるか」で商品を選ぶカップルが多いようです。
両親贈呈品の相場
両親に喜んでもらえる贈呈品を準備するには、どのくらいの予算を考えておくのが良いのでしょうか。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ(首都圏)」によると、2021年4月から2022年3月に挙式披露宴をおこなったカップルの贈呈品の総額は、平均3.6万円という結果になっています。とくに多かったのが「2万円~2万5,000円(17.5%)」「3万円~3万5,000円(12.0%)」「1万円~1万5,000円(11.8%)」の価格帯です。贈呈品は、両家に1つ、または両家両親に1つずつだと考えられるため、贈呈品1つあたりの相場は5,000円~2万円弱。
とはいえ、なかには「両家で5,000円未満」「両家で8万円以上」という回答も。両家それぞれに渡す商品の価格に大きな差が生じなければ、上限・下限はさほど重視しなくても良いかもしれません。
>>ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ(首都圏)P236.親へのギフト・花束贈呈について|ブライダル総研
両親が喜んでくれる贈呈品選びのコツ
両親贈呈品には決まったルールがなく、相場もそこまで気にしなくて良いとなれば、ますます「何にしようか」と悩む方もいるのではないでしょうか。ここからは、両親が喜んでくれる贈呈品選びのコツを3ステップで紹介します。
STEP1.両親の心境に合わせて伝えるべきメッセージを考える
どんなプレゼントが喜ばれるかは、両親の心境によっても変わります。たとえば、嬉しい反面、寂しさを感じているのか、「ようやく一人前になった」とホッとしているのか。それによって、かけるべき言葉が変わるのと同じようにプレゼントに込めるメッセージも変わってきます。そのため、まずは両親の心境に思いを馳せる必要があります。
ここでは、両親の心境にぴったり寄り添うメッセージについて、3つの具体例を挙げてみました。自身の両親にはどのパターンが当てはまりそうかを考えてみてください。
ケース1|1人っ子・1人娘・兄弟姉妹のなかで最初に送り出す子どもの場合
1人っ子や1人娘、兄弟姉妹のなかでも最初に結婚する子どもを送り出す両親の場合、嬉しく思う反面、子どもが家を離れていく寂しさの方を強く感じているかもしれません。そんな心境に寄り添うなら「私はいつまでもふたりの子どもだよ」「まだまだ甘えさせてください」というメッセージを込めてみてはいかがでしょうか。プレゼントの方向性としては、親子の絆を感じられるものや両親の寂しさを和らげられるようなものが適しているといえます。
ケース2|兄弟姉妹のなかで2~3番目の結婚・晩婚の子どもを送り出す場合
送り出す子どもが兄弟姉妹のなかで2~3番目であったり、なかなか結婚する様子が見られず「一生独身かも」などと心配していた子どもだったりする両親の場合、これまでの子育てを振り返りながらホッとしていたり、我が子が一人前に育ってくれたことに対して、達成感のようなものを抱いているかもしれません。
この場合、プレゼントに「これからは両親ふたりの暮らしを楽しんで!」といったメッセージを込めてみてはいかがでしょうか。その場合、これからの生活を楽しんでもらうのに役立つ贈呈品を選んでみるのも良いでしょう。
ケース3|新郎側・少し手のかかった子どもを送り出す場合
新郎の両親、とくに反抗期にひどく荒れたなど、少し手のかかった子どもを送り出す場合、「きちんとした大人になれるかどうか心配していたけど、よくここまで成長してくれた」などと我が子の成長に感動を覚えるほど喜んでいるのではないでしょうか。
その心境に寄り添うなら、「お父さん・お母さんのおかげでここまで成長できました」という感謝を強調すると、両親の子どもの成長に対する感動もより一層深まるのではないでしょうか。プレゼントは、育ててくれたことへの感謝を伝えたり、人として成長したことを感じてもらえたりするようなものを、選んでみてはいかがでしょうか。
このように、両親が置かれている状況によって、心境も変わります。その気持ちに寄り添って考えれば、両親の心に刺さるプレゼントの方向性が何となくイメージできてくるはずです。
STEP2.プレゼントの方向性を決める
両親がどんな気持ちで自分を送り出そうとしているのかを想像したら、次はプレゼントの方向性を考えましょう。
ステップ1で紹介したケース1~3の両親の心境に合わせて、プレゼントの方向性を3つに分けてみました。
ケース1|親子の絆を感じられ寂しさを和らげるもの
たとえば、生まれてから現在までの親子の歩みを振り返る思い出アルバムは、改めて親子の絆を実感してもらえます。1枚の板を三等分してつくられている「三連時計」は、いつも見えるところに飾ってもらうことで、新郎新婦・新郎家・新婦家の3家族のつながりを感じてもらえるでしょう。
新郎新婦が生まれた時の体重と同じ重さのウエイトベアは手渡した瞬間、初めて我が子を抱いた時の感動や親子の歴史を思い出してもらうことができます。
ケース2|夫婦ふたりの新たな暮らしを楽しんでもらうもの
もし、登山やガーデニング、釣りなどの趣味を持っている両親なら、その趣味に役立てられるアイテムもよいでしょう。ただし、長く続けていたり本格的であったりする場合は、すでに持っているものや好みに合わないものを選んでしまうリスクもあるので、事前にリサーチしておくことをおすすめします。
また、「こんな楽しみ方にも目を向けてみては?」といった提案をするなら、日々の暮らしを豊かに彩る少し贅沢な日用品、旅行やレストランのペアチケットなどもおすすめです。
ケース3|育ててもらった感謝を伝えるもの
育ててくれたことへの感謝をダイレクトに伝えるなら「子育て感謝状」。両親にとって、結婚式は子育てからの卒業という意味もあるので、節目を実感してもらえるのではないでしょうか。
とくに「人一倍、心配や苦労をかけた」という自覚がある人におすすめなのが、両親への手紙。ついつい気持ちと裏腹な言葉ばかりぶつけてしまった思春期の頃、今になって分かる親のありがたみなど、なかなか言えずにいた本音を素直に表現すれば、「実はちゃんと分かっていたんだな」「人の気持ちが分かる人に成長してくれた」などと嬉しく思ってもらえるでしょう。
こうしたプロセスを経た結果、贈るプレゼントが両家で異なっても問題ありません。それぞれの両親の心境にぴったりなプレゼントを、ふたりで話し合ってみましょう。
STEP3.品物を決める
ここまでくれば、最後はこだわりの一品を決めるのみです。以下のような方法で、両親が喜んでくれそうなアイテムをいくつかピックアップしてみてください。
・インターネットで検索する
・InstagramやTwitterなどのSNSで検索する
・結婚式を挙げた友人・知人におすすめを聞いてみる
・百貨店やセレクトショップのウェディングコーナーに足を運んでみる
候補を挙げたのはいいものの、インターネットやSNS検索、友人からのアドバイスで選んだものだと実物をイメージしにくいものです。「良さそう!」と思って選んでも、手元に届いた商品を見ると思っていた以上にサイズが小さかったり、色や素材がイメージと異なったりするケースもあり得ます。失敗しないためには、以下の方法で入念にアイテムをチェックしたうえで、決定するのがおすすめです。
・写真付きのクチコミで実物をチェックする
・評価の低いクチコミからマイナス要素を把握する
・成約者向けのブライダルフェアにディスプレイされている実物をチェックする
大切なのは、きちんと商品のリアルな情報を確認することです。素材・質感・色味などをチェックし、マイナス要素があれば譲歩できるレベルなのかを確認しておきましょう。そうすれば「イメージと違った」となることもなく、満足のいくプレゼントが選べるはずです。
両親贈呈品の定番アイテム4選!メリット・デメリットも紹介
ここからは、両親贈呈品で人気の定番アイテム4つについて、メリットとデメリットなどを紹介します。「アイテム選びに失敗したくない」「定番品って実際どうなの?」と思う方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.花束・プリザーブドフラワー
両親へのプレゼントでもっともポピュラーなのが「花束」です。花束は見映えが良く、両親への記念品贈呈の演出がいっそう華やかなシーンになります。また、多くの場合が式場で用意してもらえるため「うっかり用意し忘れてしまった」というミスも防げます。
一方、遠方から来ている両親の場合「花束だと持ち帰りが不便」という声も。復路に飛行機や新幹線を利用する場合は手荷物にする必要があり、せっかくのプレゼントが両親の負担になる可能性も考えられます。
もし、贈呈記念品に花束を選ぶなら、両親の持ち帰りに負担がかからないか確認してみるのもひとつ。コンパクトで持ち運びがしやすいフラワーアイテムを探すなら、あらかじめ特殊な保存加工を施したプリザーブドのフラワーアレンジメントを贈るのもおすすめです。
2.体重ベア・体重米
ふたりが生まれたときの体重と同じ重さで作られたウエイトドールは、両親贈呈品として長年人気のアイテムです。結婚するふたりを送り出す寂しさのなか、この世に生まれた瞬間の重さをもう一度体験してもらうことで、我が子を初めて抱っこしたときの感動がよみがえります。デザインは従来から人気のクマだけでなく、その他のキャラクターや、ふたりが生まれたときの体重と同じ重さのお米ギフトなどバリエーションは豊富です。
ある程度の大きさと3㎏前後の重量があるため、持ち帰るのが大変というデメリットもありますが、両親に赤ちゃんの頃のふたりを思い返してもらえる素敵なプレゼントです。
3.三連時計
両親贈呈品に実用的なアイテムを選びたいと思うなら「三連時計」がおすすめです。1枚の板から作る3つの時計には「離れていても絆でつながっている」という想いが込められています。板材によって木目が異なるため、完成した時計は世界にひとつだけのもの。
万が一、壊れてしまったときに新調しづらいというデメリットもありますが、家族の絆を木目のつながりで表現できる心温まる記念品です。
4.子育て感謝状・ネームインポエム
贈呈品にダイレクトにメッセージを込められるという面から、人気を伸ばしているのが子育て感謝状です。感謝状のタイプはさまざまで、思い出の写真を入れられるフォトフレーム型や、両親の名前をメッセージに用いるネームインポエム型など、ふたりの好み合うオシャレなデザインも多数。
インテリアとして飾れるタイプにしておけば、両親にいつでもメッセージを読んでもらうことができ、ふたりのことを身近に感じてもらえるはず。額入りやブックタイプだとボリュームがなく、記念品としては物足りないイメージになる可能性もありますが、両親へのメッセージがダイレクトに伝わるプレゼントといえるでしょう。
ふたりのセンスが光る両親贈呈品!気の利いたおしゃれな贈り方も紹介
「定番アイテムではしっくりこない」「もっとこだわって選びたい」と思うふたりなら、ちょっぴり気の利いたおしゃれな贈り方を考えてみるのも良いかもしれません。ここからは、CORDY編集部で考えた、両親へのメッセージが伝わるプレゼントの贈り方を紹介します。
親子の絆を1冊にした思い出アルバム
結婚式当日の写真を後日両親へ贈る方は多いですが、CORDY編集部は、ふたりが生まれた時から結婚するまでの「親子の歩み」をまとめたアルバムを提案します。
両親にとって、我が子の成長は1日1日が宝物のようなもの。今日に至るまでたくさんの喜びを目に焼き付けてきたことと思います。そんな親子のシーンが1冊のアルバムとなり、当時の思い出を振り返るコメントが記してあれば「ここまで成長してくれてありがとう」といっそう感動してもらえるでしょう。
生まれた時から現在までの両親との写真を集めたら、フォトブックサービスを使って自分でつくることができます。オプションを追加すれば、ショートムービーにアクセスできるQRコードも印刷できます。スマートフォンでコードをスキャンすれば、誰でも視聴が可能に。写真とともに動画を添えれば、大切な思い出がより鮮明によみがえるでしょう。低コストで高品質なアルバムが完成するのも嬉しいポイントです。
>>フォトブックサービスの一例
思い出を永遠に残すドライフラワー&押し花ブーケ
披露宴で花束を贈ろうと思っているふたりにおすすめなのが、贈った花束をドライフラワーや押し花ブーケにして後日プレゼントし直すサービスです。
MOLEKの「メッセージガラスボックス」は、感謝のメッセージが印字されたポストカードかレターを同梱できるおしゃれな特典付き。そこに披露宴で読んだ両親への手紙も一緒に入れておけば、結婚式の感動をそのままのカタチで残せるはずです。お部屋のインテリアとしても存在感があるため、両親にプレゼントすれば素敵な思い出をいつまでもそばで感じてもらえるでしょう。
「これからは夫婦仲良く」のメッセージを込めた夫婦食器
夫婦茶碗や箸などのペア食器は、新郎新婦が結婚祝いとしてプレゼントされるイメージが強いですが、両親にも「いつまでも仲良く」というメッセージを込められる贈り物です。
SIONEの「MOONフリーカップセット」は、上弦の月と下弦の月をモチーフにし、2つを合わせれば満月になるドラマティックなセットです。「お父さんとお母さんは2人で1つ、いつまでも仲良しでいてね」という意味を込めてプレゼントしてみてください。
両親がお酒好きなら「夫婦で晩酌を楽しんで」というメッセージを込めて、ビアグラスのペアセットもおすすめです。リーデルの「オー・ビアー」は、モルトやホップなどビール本来のアロマを引き出し、最後の一口まで最良のコンディションで楽しめるビールのためのグラス。いつもの缶ビールも丁寧に味わうことで、ふたりの会話も弾むのではないでしょうか。
非日常感のある贅沢を味わうペアチケット
旅行券や食事券も素敵ですが、オーケストラの演奏会や舞台、歌舞伎、オペラなど、非日常感の強いペアチケットもおすすめです。
普段はなかなか行かないような場所に出かける機会をプレゼントすることで、「時々は2人でおめかしして、贅沢なお出かけを楽しんでみては?」といったメッセージを込めることができます。
非日常感のある贅沢な外出を通して、両親が新婚時代のデートを思い返せるような、わくわくする時間をプレゼントしましょう。
何気ない毎日を香りで彩るルームフレグランス
毎日過ごす空間に「香り」をプレゼントしてみるのはいかがでしょうか。
両親、ふたりだけの再スタートに「香り」という新習慣を贈ることで、日常生活をワンランクアップさせることができます。
OMOUの「アロマウッド×有田焼」なら、寝室や玄関に置いておくと、いい香りのある暮らしが実現します。3種類から選べるアロマは、温かみのある柑橘系でほっとするような優しい気持ちに導いてくれる「BALANCE」がおすすめ。子どもが巣立った寂しさを優しく癒してくれるのではないでしょうか。
ほっとする温かい毎日へコーヒーミル&フィルターセット
コーヒー好きの両親には、VICTORIA DesignのコーヒーミルとLOCAのセラミックフィルターをセットにしてプレゼントするのもおすすめです。
毎日のコーヒーを豆から引いて香りを楽しんだり、時にはお出かけがてら2人でコーヒー豆を選んだりするなど、コーヒーの楽しみ方をグレードアップさせるきっかけになるのではないでしょうか。
「これからは夫婦ふたりきり。暮らしに余裕ができるから、日常のくつろぎタイムをこれまで以上に充実させてね」といったメッセージを込めて。
ふたりの想いが直に伝わる手紙
両親への手紙は披露宴の終盤、新婦が朗読する演出のひとつというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。でも、生まれてから結婚式を迎える日までの両親への気持ちが綴られた手紙は、立派なプレゼントです。むしろ最も喜ばれるプレゼントではないでしょうか。
ゲストの前で読み上げることに抵抗がある人は、手渡すだけでも構わないので、新婦だけでなく新郎も用意することをおすすめします。
結婚という人生の節目だからこそ言えることや心境などを綴って、両親に素直な気持ちを伝えましょう。
CORDYでは、個別のヒアリングを通して、ご両親への気持ち、一番感謝しているのはどういう点なのかなどを整理する「両親への手紙サポート」を行っています。以下のボタンからお気軽にお問い合わせください。
両親に向き合った時間こそが最高のプレゼント
極論、ふたりがどんなプレゼントを選んでも、両親は喜んでくれるでしょう。
大切なのは、両親の気持ちや喜ぶ顔を想像すること。まずは、これまで過ごした時間を振り返ってみましょう。そして、ふたりを送り出す今、両親がどんな気持ちでいるのか、そんな両親に自分はどんな言葉をかけてあげられるのか。そこに向き合った時間や思いの深さは、プレゼントにもにじみ出てくるものだと思います。
両親も、プレゼントそのものよりも、ふたりが自分たちを思ってくれた時間や深さの方に感動してくれるのではないでしょうか。