結婚するときに揃える指輪には、婚約指輪(エンゲージリング)と、結婚指輪(マリッジリング)がありますが、なぜ2種類の指輪が必要なのでしょうか。また、それぞれの指輪には、一体どんな意味が込められているのでしょうか。
また、かつては「婚約指輪は給料の3ヵ月分」と言われていたこともありますが、現在の相場はいくらぐらいなのでしょうか。
結婚指輪と婚約指輪の違いや、「どちらの指輪も必要なの?」などのよくある疑問について詳しく説明していきます。そして、今どきの婚約指輪と結婚指輪の相場についても解説します。
1.婚約指輪と結婚指輪は、意味と役割が違う
婚約指輪は、婚約の証として男性から女性へ贈るものです。プロポーズや結納の時に送られ、結婚の約束を交わしたという証になります。
よく映画やドラマなどで、男性がプロポーズをする時に指輪を渡すシーンがありますね。あの時に、箱をパカっと開けて贈られる指輪は、婚約指輪です。婚約指輪は、一般的には女性だけが身につけます。
婚約指輪は、婚約の期間だけにつけるものとは限りません。結婚後も、パーティーや食事会などの華やかな場に行く時や、おしゃれをして出かける時につけるといいでしょう。もちろん、結婚指輪と重ね付けをして日常使いしてもいいですね。
・結婚指輪は、ふたりで購入するもの
一方、結婚指輪は、夫婦の証としてふたりで購入するものです。プロポーズのあと、一緒に選びに行き、ふたりで支払うカップルも多いでしょう。
そして、結婚後は日常的につけるのが一般的です。結婚していることを周囲に知らせる印にもなります。つまり、結婚する時に揃える指輪は3本。女性がつける婚約指輪が1本と、ふたりで身につける結婚指輪が2本です。どちらの指輪も、つけはじめるタイミングに決まりはありません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>結婚指輪はいつ買う?いつから着け始めるのが正解?ベストなタイミングを紹介
・結婚式のとき、婚約指輪と結婚指輪はどうする?
結婚式では「指輪交換」というセレモニーがあります。誓いの言葉を述べたあと、新郎新婦がお互いの左手の薬指に指輪をつけます。この時に使う指輪は、結婚指輪です。
結婚式の当日は、指輪交換をスムーズに行うために、婚約指輪は右手の薬指に付け替えておくといいでしょう。
2.婚約指輪と結婚指輪のデザインの違い
婚約指輪と結婚指輪は、デザインも違います。
婚約指輪に使われる宝石は、ダイヤモンドが定番です。ダイヤモンドの石言葉は「永遠の絆」「純愛」などで、結婚するときに送る指輪にぴったりです。そして、宝石の中でも硬く、傷が付きにくいため、ずっときれいに輝き続けます。
デザインは、指輪の真ん中にダイヤモンドをあしらった「ソリティア」が王道です。ダイヤモンドの美しさが引き立つデザインです。
ほかには、真ん中の大きなダイヤモンドの周りに小さなダイヤモンドがついている「メレ付き」や、リング全体に小さなダイヤモンドを使った「パヴェ」というデザインがあります。ラグジュアリー感を大事にしたい人には、このふたつのデザインがおすすめです。
真ん中にダイヤモンドがなく、リング全体に小さなダイヤモンドがぐるりとあしらわれた「エタニティリング」もあります。華やかでありながら落ち着いたデザインが好きな人におすすめです。エタニティリングは日常使いもしやすいでしょう。
そして、婚約指輪のライン(形)はストレートが王道です。
・結婚指輪のデザインはシンプル
結婚指輪は、婚約指輪に比べてシンプルです。ダイヤモンドやお互いの誕生石など、宝石を入れられる指輪もありますが、ソリティアのような大きなダイヤモンドがついているデザインはほとんどありません。
日常的に付けるものなので、婚約指輪に比べて控えめなデザインを選ぶのが一般的です。
結婚指輪の主なラインは、ストレート、S字、V字の3種類です。定番のラインはストレートなので、婚約指輪と結婚指輪を重ねづけしたい人は、ラインをストレートで揃えるといいでしょう。ストレートは、一般的な指輪のデザインで多い形でもあります。
結婚指輪のデザインや素材、選び方はこちらの記事で詳しく解説しています。
>>ふたりにおすすめの結婚指輪は?デザイン、素材、幅など、選び方を徹底解説
3.婚約指輪と結婚指輪の相場
婚約指輪と結婚指輪は、相場が大きく異なります。
まず婚約指輪ですが、ダイヤモンドがあしらわれているぶん、値段は高くなります。一般に30〜40万円で選ぶ人が多く、平均購入価格は35万円で、かつて言われていた「婚約指輪は給料の3か月分」よりは安いようです。
結婚指輪はシンプルなデザインが多いので、婚約指輪に比べて安くなります。ふたり分あわせて20〜25万円で選ぶ人が多く、平均購入価格は25.4万円とのこと。女性の指輪にはダイヤモンドをあしらうことがあるため、男性の指輪よりも1、2万円ほど高くなることがあります。
*金額は「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」より
・値段はなにで変わる?
婚約指輪も結婚指輪も、値段に幅があります。
その理由として、まず挙げられるのがダイヤモンドの質です。大きく、光がよく反射して、無色に近くて透明度が高いほど、値段が高くなります。結婚指輪はダイヤモンドが付いていないものも売られているので、ダイヤモンドがなければ安くなります。
素材によっても値段は変わります。特に結婚指輪に使われる素材は、プラチナのほかに、ゴールド、チタン、異素材を組み合わせたコンビなどがあります。変色や変質がしにくいプラチナは、値段が高くなります。そして婚約指輪は、プラチナが使われるのが一般的です。
それから、凝ったデザインにしたり、ハイブランドのお店で買ったりすれば、値段は上がるでしょう。
4.婚約指輪は買うべき? 結婚指輪だけもあり?
婚約指輪は必ず買わなければいけないものではありません。
「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」によると、結婚するときに婚約記念品があった人は約75%、そのうちの約90%が婚約指輪なので、7割に近い先輩花嫁が婚約指輪を持っていることになります。婚約指輪に対して、「昔から憧れていた」、「婚約の証としてつけていたい」、と感じている人が多いようです。
持っている理由としては、「プロポーズの時に夫がくれたから」、「結婚のけじめとして夫がプレゼントしてくれた」などがあります。結婚への決意や、パートナーの誠実さが感じられます。
一方、買わなかった理由で最も多いのは「お金がもったいないから」で、「普段身につけるものではないから」、「結納しなかったので必要なかった」、「婚約指輪に意味を感じないから」と続き、結婚指輪で十分だと考える人が多いようです。婚約指輪を買わなかった分のお金を、新婚旅行などの費用に回す人もいます。
婚約指輪は必ず用意すべきものではありませんが、購入すれば一生の宝物にもなります。婚約指輪を持っていると、知人の結婚式や、将来子どもの入学式など、特別な場面につけていくこともできます。今は「つける機会があまりないから」と考えている人でも、プレゼントされたらきっと記念になるはずです。
婚約指輪に憧れていた女性や、婚約の証がほしいと考える人もいるでしょう。購入をためらっていたとしても、パートナーと話し合い、よく考えて決めることをおすすめします。
・両方買うのが難しい人は、兼用の指輪を買ってみる
一方で結婚指輪は、ほとんどの人が購入しています。
婚約指輪と結婚指輪の両方を買うのが予算的に厳しいカップルや、2本もいらないと考える女性のなかには、1本の指輪で兼用する人もいます。リングの半分だけダイヤが埋め込まれた「ハーフエタニティ」というデザインなら、普段使いもしやすく、婚約指輪と結婚指輪の兼用として使うのにいいでしょう。
・結婚式のあとに指輪を買うという選択肢も
結婚する時には、結婚式や引っ越し、新婚旅行などでまとまったお金がかかります。金銭的に厳しい場合は、結婚記念日などに婚約指輪の代わりとなる指輪を買うのもおすすめです。
結婚1周年や3周年などの落ち着いた頃なら、金額面で少し余裕をもって指輪を購入できるかもしれません。
YouTube「はなよめになるちゃんねる。」では、ジュエリーショップに足を運び、ジュエリーコーディネーターさんに指輪の基礎知識について取材してみました!
ぜひ、参考にしてみてください。