結婚式の席次表とは?配席や肩書、作り方、スケジュールなど押さえたいポイントを紹介
2022.10.06 2022.11.01
結婚式の席次表は、参列するゲストが座る席を案内するためのペーパーアイテム。日常生活ではあまり目にする機会がなくピンとこない人も多いのではないでしょうか。
Instagramなどでは、おしゃれなデザインの席次表なども多く投稿されていて、ビジュアルの華やかさに目が行きますが、実は、ゲストの配席や肩書など守らなければならないマナーがあったり、作成の作業に手間暇がかかるなど、新郎新婦にとっては負担の大きいアイテムでもあります。
ここでは、席次表の役割や料金相場、作り方、準備のスケジュール、デザインのバリエーションなどを解説。
ゲストに自信をもって渡せる席次表を用意するヒントにしてみてください。
結婚式の席次表とは?主なコンテンツや料金相場も解説
席次表とは、披露宴会場のレイアウトと座席がセットになった表のこと。披露宴会場の受付でゲストに渡すことで、迷わせることなくスムーズに席に案内することができます。
また、席次表にはゲストの肩書も印字するのが一般的なので、職場関係者や学生時代の友人、親族など、新郎新婦との関係性を一目で判断することもできます。
席次表に盛り込む主なコンテンツは、下記のとおり。
・席次表
・ふたりの簡単なプロフィール
・料理のメニュー
・ふたりの新居の住所
主な役割はゲストの席を案内することですが、それだけでは味気ないので、新郎新婦のプロフィールや料理のメニューを紹介するコーナーも設けているケースが一般的。
メニュー表を別で用意するメリットは見栄え。メニュー表を別で用意すると各テーブルのショープレート(飾り皿)に置いておくことができ、テーブルコーディネートのアクセントになります。
席次表は受付でゲスト一人ひとりに配るものなので、メニュー表を組み込んでしまうと、テーブルに置くアイテムが少なくなり、さびしく見えてしまうと感じる人は、席次表とメニュー表を分けてもよいでしょう。
先輩カップルが、席次表1部あたりにかけた金額は300円〜400円がボリュームゾーン。(出典:ゼクシィトレンド調査2021)
結婚式場で用意されているラインナップのなかでも、最新アイテムや有名デザイナーが手掛けたものは500〜600円など高めです。
プロがデザインした手作りキットなら300円程度、パワーポイントなどでデザインからDIYすると100円以下など、手作りで節約することもできます。
ゼクシィトレンド調査2021によると、席次表を用意した人の割合は80.7%。
家族婚など少人数ウェディングの場合、一人ひとりに配る席次表を省略するケースもあります。その場合、それぞれのテーブルに置いた席札や、席次表を拡大印刷したものを受付に提示して、各自の席を確認してもらう方法があります。
専門業者に頼む?手作り?席次表の作成方法
席次表の作成方法は大きく以下の3つがあります。
・結婚式場の提携業者に依頼
・外部業者に注文
・自分達で手作り
式場の提携業者を利用すれば、肩書や配席のマナーなどをプロがアドバイスしてくれたり、文字校正などをウェディングプランナーに手伝ってもらえるという安心感が大きなメリットです。
でも、式場から提示されたラインナップのなかに、好みのデザインが見つからなかったり、節約したいという場合は、外部業者を探したり手作りする人もいます。
手作りキットにも、正しい肩書きの例などアドバイスが書かれていますが、難しいと感じた場合はウェディングプランナーなどに相談しましょう。
席次表の作成をプロに頼むか、手作りするかで変わるのは、印刷〜製本(折り加工)の部分。プロは印字から製本まですべて整えた状態で納品してくれますが、手作りする場合は自宅のプリンターなどで印刷し、折ったりホッチキスで留めるなど、自分たちで仕上げる必要があります。
ただし、誰がどこに座るのか、どんな肩書をつけるかといった「構成案」は、プロに頼む場合も、新郎新婦が用意しなければなりません。この構成案が、席次表作りの最大の山場でもあります。
プロに頼む場合は、ふたりが提出した構成案を元に印字〜製本までお願いし、手作りの場合は構成案をそのままプリントアウトする流れです。
では、構成案をどのようにして用意するのか、大きく3つのパターンを紹介します。
1. 式場で用意されているシステムを使う
席次表作成用のシステムが用意されている式場もあります。
この場合、
①ゲストリストをつくる
②会場レイアウトに沿って、ゲストリストの中から一人ずつドラッグ&ドロップで配席
という流れで作成していきます。
担当プランナーなどに、一般的な配席のルールなどを教わりながらつくることができるのもメリットのひとつです。
CORDYの席次表作成システムはドラッグ&ドロップで配席が簡単です。修正も簡単にできるので、手間暇かけずに構成案を作成したい方は無料で会員登録してお試しください。
2. 紙の会場レイアウトに手書きで書き込む
式場によっては席次表作成システムを導入しておらず、手書きなどで用意しなければならないケースもあります。
この場合、
①式場の会場レイアウト(紙)をもらう
②各席にゲスト名を手書きで書き込む
という流れ。
変更や訂正のために消しゴムを使っていると、紙が破れたり鉛筆の汚れで文字を判読しづらくなったりして、印刷を手掛ける業者が読み誤るなどミスの原因になりがちです。そのため、ゲスト名を書いた付せんを用意して、各席に貼ったりはがしたりして配席していくとスムーズに作成することができます。
3. 手作りキットのシステムを使う
要領は、1の「式場で用意されているシステムを使う」と同じです。
メリットは価格を抑えられること。席次表作成システムが用意されていない式場と比べると、WEB上でサクサク作成できるのも便利なポイントです。
席次表準備のスケジュール
では、席次表の準備はいつ頃から何から始めればよいのでしょうか。
席次表の準備には主に以下の4つのプロセスがあります
1. 席次表のデザインを決める
2. 配席や肩書、その他のコンテンツなど構成案を決める
3. 誤字脱字などがないかをチェックし印刷
4. 仕上がったものを最終チェック
では、各プロセスを行うタイミングや押さえておきたいポイントや注意点などを解説していきます。
席次表のデザインを決める(2ヵ月~3週間前)
席次表はゲストが手元に置いて時々開いて見るものなので、テーブルコーディネートとの相性にこだわる人もいます。
その場合、結婚式の2ヵ月前頃、テーブルに飾るお花などを決めるタイミングで席次表のデザインを検討しはじめるとトータルコーディネートが叶います。
たとえば、お花の色味と合わせたり、季節感や結婚式のテーマに合わせたデザインを選ぶことでフォトジェニックに仕上げることができます。
コーディネートにこだわらない人は、式場で最終見積もりが確定する3週間前頃、発注するタイミングでデザインを選んでも間に合います。
配席や肩書、その他のコンテンツなど構成案を決める(1ヵ月前頃)
結婚式の40日〜1ヵ月前頃、出欠ハガキが戻ってきたタイミングでゲストが確定するため、配席を正式に決められるのもこのタイミングです。
事前に親族・学生時代の友人・仕事関係など、ざっくりとジャンルを分けておくと、配席がスムーズに進みます。
料理のメニューやふたりのプロフィールなど、席次表以外のコンテンツは、前もって用意しておくと、このタイミングでは席次表作成に集中することができます。
誤字脱字などがないかをチェックし印刷(1ヵ月前頃)
配席や肩書、その他のコンテンツなどをまとめた構成案が仕上がったら、すぐに誤字脱字などがないかをチェックします。特に、ゲストの名前や肩書に間違いがあると、大変失礼にあたるので、ウェディングプランナーなどにもダブルチェックをお願いしましょう。
間違いのない状態に整えたら、印刷業者に発注したり、手作りの場合は自分たちでプリントアウトします。
ゲストの人数が確定する前に発注すると、列席できない人が増えた場合などにロスが増えてしまいます。
仕上がったものを最終チェック(1週間前頃)
刷りあがった席次表は、再度、誤字脱字がないか最終チェックし、万一ミスを見つけてしまったら、刷り直しをします。
追加料金が発生するからといってそのままにしておくと、ゲストに不快な思いをさせてしまうため、絶対におすすめできません。
もし、結婚式の前日や当日にミスを見つけてしまい、修正が間に合わない場合は、当日ゲストに直接お詫びをします。
基本の配席とアレンジ例
一般的に会場の左側が新郎のゲスト、右側が新婦のゲストです。
新郎新婦が座る高砂に最も近い席が上座、最も遠い席や入口に近い席が下座となり、上座から主賓、上司、会社や学校の先輩、友人、後輩、親族、家族の順に配置します。
友人席の数が足りなくなってしまった場合は、幼なじみなど昔から家族ぐるみで仲の良い友人を親族席に配置するのもひとつの手です。
長テーブルの場合は、新郎新婦の近くで会場の中央に近い席が上座です。
最近は、中央に長テーブル、その周りに円卓を置くスタイルを選ぶ人もいます。
このスタイルは、職場結婚、学生時代同じサークルに所属していた、中学や高校時代の幼なじみ同士カップルなど、新郎新婦共通のゲストが多く列席する結婚式などにおすすめです。
中央の長テーブルに共通の友人知人を配席し、周りの円卓を親族や家族などその他のグループごとに配席することで、同じグループのゲストがコミュニケーションしやすくなります。
肩書の役割は?省略できるのはどんなケース?
席次表には、ゲストの名前の右上に肩書を入れるのが一般的です。
肩書が入ることで、「新郎の職場関係のテーブルは盛り上がっている。活気のある職場で働いているんだな」「学生時代の友人は落ち着いた雰囲気の人が多そう」など、ゲストが新郎新婦の交友関係をイメージすることができ、ふたりの人柄をより深く知ってもらうきっかけになります。
また、新郎新婦の両親はゲストに足を運んでくれたお礼を伝えるために、各テーブルをお酌しに回るという風習がありますが、その時にどんな関係の人なのかを把握し、会話のヒントにすることもできます。
ただし、ほとんどのゲストが顔見知りのような少人数ウェディングや友人同士のフランクなパーティなら肩書を省略することもあります。
ここを気を付ければ完璧!肩書のマナー
職場関係者には会社名を記載しますが、「株式会社」を「(株)」などと略さず正式名称にし、所属部署や役職も入れるのが基本です。
「課長」や「部長」などの役職はついていないけど、教育係としてお世話になっているような人には「上司」や「先輩」などの肩書を使うのが一般的です。
後輩に対しては新郎新婦がへりくだる意味合いから、「同僚」としておきましょう。
中学や高校、大学など学生時代の先輩や後輩は、そのまま「先輩」「後輩」でも構いませんが、より親しい間柄の場合は「友人」という肩書を使う人もいます。
親族は、両親や姓が同じ兄弟には「様」はつけず、結婚して姓の変わった兄弟や叔父・叔母などの親せきには「様」をつけます。
従妹の子どもは、「姪」「甥」ではなく、「従甥」「従姪」となります。
恩師や政治家のゲストなど「先生」と呼ばれる職業に従事している人には、「様」ではなく「先生」という肩書でもOKですが、「様」か「先生」かで統一するようにしましょう。
お花や書道、舞踊の先生などは「流師範」と呼ぶこともあるので、本人に正しい肩書きを確認しておくと安心です。
席次表デザインのバリエーション3選
1.四つ折り
名前の通り4回折った席次表のこと。両端を内側に折り込み、さらに2つに折る「観音折り」タイプで、最もオーソドックスなデザインです。
全部で8面作ることができ、構成の幅が広がるというメリットもあります。
たとえば、開けてすぐの左側に新郎のプロフィール、右側に新婦のプロフィールや、左側に料理のメニュー、右側にふたりのプロフィールとメッセージなど、ゲストに伝えたいコンテンツをふたりらしく組み合わせることができます。
手作りする場合は、安っぽい印象を与えないよう厚口の紙がおすすめです。ただし、折り目が膨らみやすいので、しっかりと折るようにしましょう。それでも膨らんでしまう場合は、リボンや帯などで留めるのもひとつの手です。
2.一枚ものの「くるくる席次表」
「くるくる席次表」とも呼ばれる一枚ものの紙を筒状に巻いたデザイン。海外の結婚式をイメージさせるおしゃれでカジュアルな雰囲気があり、バスケットに入れておけば受付の装飾にもなります。定番の四つ折りでは目新しさに欠けると感じる人にもおすすめです。
また、折り目がないので、ゲストの名前が折り目に当たってつぶれてしまう心配もありません。
クラフト紙を使うと、よりカジュアルでシンプルな印象が強まります。仕上げに好みのリボンや麻ひもを巻けば、オリジナリティを出すこともできます。
ただし、紙に型がついてしまうので、開いた後も丸まってしまいやすく、ゲストに見づらいと感じさせてしまう可能性もあるので注意しましょう。
3.プロフィールブック
最近、選択肢のひとつとして定着しはじめたプロフィールブックは、A5サイズやスクエア型、8ページ程度の冊子タイプが一般的。
新郎新婦の人柄が伝わるコンテンツや前撮りの写真などを豊富に盛り込むことができ、読み物としてのクオリティが高まります。
雑誌のようなおしゃれなデザインにすることもできるので、こだわりをもつ花嫁におすすめです。
ただ、作成に手間がかかったり、プロフィールブックを取り扱っていない式場もあるので、自分たちで探したり手作りしなければならない可能性があります。
>>プロフィールブックの詳しい解説はコチラ
「忌み言葉」に注意しよう
結婚式でタブーとされているマナーとして、「忌み言葉」があります。
以下は代表的な例です。
・「お忙しい中」心を亡くすと書くので、ご多用の中~と言い換える
・「終了」終わりを連想させるので、お開きと言い換える
・「別れる」「死ぬ」「殺す」などは禁句だと思っておきましょう
また、「お祝いごとには終止符を打たない」という意味合いから句読点を使用しません。
「、。」といった句読点はすべてのペーパーアイテムでは使用をしないように気を付けます。
サポートシステムなどを駆使して効率よく仕上げよう
結婚式の席次表はデザインのおしゃれさも大事ですが、ゲストが楽しく過ごせる配席、正しい肩書や言葉遣いなど押さえるべきマナーも多く、作成のための作業にも手間暇がかかるという、新郎新婦が負担を感じやすいアイテムでもあります。
でも最近は、作成をサポートするシステムなども増えており、上手に活用すれば効率よく仕上げることもできます。
スケジュールなどもしっかり押さえて、賢く用意できるように工夫してみてください。
「私の肌感覚では7割は席次表にプロフィールと料理のメニューを加えているというイメージですが、残り3割はメニュー表を別で用意しているように思います」