和装の結婚式で「小物」がもつ意味とは?筥迫、懐剣、抱え帯などの選び方と注意点
ドレス・衣裳

和装の結婚式で「小物」がもつ意味とは?筥迫、懐剣、抱え帯などの選び方と注意点

2021.11.10 2021.11.10

目次

  1. ■和装花嫁に必要な小物について
  2. ■衣裳ごとの小物選びのポイントは
  3. ■花嫁和装を素敵に着こなすコツ

結婚式の和装では、末広(すえひろ)、筥迫(はこせこ)、懐剣(かいけん)などの花嫁5点セットのほかにも、着付けに必要な小物があります。衣裳はレンタルで準備する人がほとんどですが、肌襦袢(はだじゅばん)や足袋(たび)など直接肌に触れる小物は購入しなければならない場合もあります。今回は、和装小物がもつ意味、衣裳に合わせた和装小物の正しい選び方やコーディネートのポイントについて詳しく解説します。

■和装花嫁に必要な小物について

和装(白無垢)
花嫁小物に込められた意味もご紹介

初めに、和装花嫁に必要な小物と選び方についてご紹介します。

・【花嫁5点セット】

花嫁5点セットは和装の際に必ず必要になってくるものです。また、見栄えの良し悪しに直結するものであるため、衣裳とのバランスを見ながら選んでいきましょう。

末広(すえひろ)

末広
末広がりで縁起がよいアイテム

末広は扇子(せんす)のことで、末広がりで縁起がよいとされています。また、扇子は顔を隠せるため「花嫁の恥じらい」を表現しているともいわれています。

基本的に末広を開くことはなく、帯の間に挿し入れて飾りますが、写真撮影時や入場時などに手に持つこともあるため、華やかなものを選ぶのがおすすめです。

筥迫(はこせこ)

筥迫
化粧小物入れとして使われていた

筥迫とは江戸時代に武家の女性が身だしなみを整える道具を入れ、胸元に挿し込んでいた小さな化粧小物入れのことです。当時は懐紙(かいし)・鏡・紅・お香・お守りなどを入れていたといわれています。胸元や帯の間に挿入して使用するため、衣裳と同系色のものや雰囲気の合っているものを選ぶのがおすすめです。

懐剣(かいけん)

懐剣
懐剣袋を着物のデザインと統一感のあるものを選んで

打ち掛けを着る際に帯にさす短剣のことを懐剣といいます。剣を「懐剣袋」という袋に入れ、左胸辺りの帯の間に挿し入れて飾ります。古くから「剣は神が宿るもの」として大切にされ、魔除けのお守りとしても用いられていました
懐剣そのものよりも、懐剣袋を着物のデザインや色に合わせて選ぶことで統一感が出るのでおすすめです。

抱え帯(かかえおび)

抱え帯
裾を引きずらないよう、長さを調整するために使う

身分の高い家の女性は「長い裾を下ろし引きずって歩く」のが当たり前であったため、外出時は裾を引きずらないように、紐でたくし上げていました。これを「抱え帯」といい、メインの帯の下に細い帯で結びます。

色はもちろんのこと、抱え帯には様々な柄があります。日本の美しい花や動物などを描いた帯なら、上品さや気品の高さを表現できるでしょう。一方で、ビビッドなカラーや幾何学的な柄を選べば、和の雰囲気が和らぎ、現代的な印象にもなります。

丸ぐけ帯締め(まるぐけおびじめ)

丸ぐけ帯締め
丸ぐけは布で綿などを包んだもので、ふっくらとしている

帯締めとは、帯の上から結んで帯を固定する紐のことです。婚礼衣裳では一般的な帯締めではなく「丸ぐけ」という種類を使用します。丸ぐけには「永遠に続く幸せ」という意味が込められているといわれています。

丸ぐけはカジュアルなものから品のあるものまで種類が豊富にあります。現在は普段着にも使用されるようなデザインも多いため、カジュアルになりすぎてしまわないように気をつけましょう。

・【そのほかの小物】

和装には人目に触れることはない着付けに必要な小物もあります。ここからは花嫁5点セットのほかに必要になる小物をみていきましょう。

肌襦袢(はだじゅばん)+裾除け

肌襦袢
レンタルできない場合もあるので注意

着物を着つける前に、肌着と裾除けの肌襦袢(はだじゅばん)を着ます。着物と肌が直接触れないようにする役割があり、着物が汗や皮脂で汚れるのを防いでくれます。
直接肌に触れる肌着なので、木綿製など肌に優しい素材を選びましょう。

長襦袢(ながじゅばん)+半衿(はんえり)+衿芯(えりしん)

長襦袢
着崩れを防ぐ重要なアイテム

長襦袢は、半衿とつけ衿芯を入れて肌襦袢の上に着用します。半衿は衿元を飾るだけではなく、着物の裾のすべりをよくしたり着崩れを防いだりする働きがあります。色や柄、素材もさまざまな種類があるため、見た目や肌触りから選ぶとよいでしょう。

伊達締め(だてじめ)

伊達締め
長さや幅に注意して選ぼう

伊達締めは、長襦袢や着物の前合わせを固定して着崩れを防ぐ目的で使用します。しっかりと固定できるように、幅は約10cmほど、長さは2m以上のものを選ぶようにしてください。絹の博多織は締め心地が良く上質です。

腰紐(こしひも)

腰紐
季節によって適した素材を

腰ひもは、長襦袢や着物の前合わせを留めるために使用します。幅は約4~5cm、長さ2m10cmほどのサイズが一般的。「夏場は綿素材」「冬場はウール素材」など、季節に合わせて素材を変えるとよいでしょう。

帯板(おびいた)

帯板
昔は段ボールや小箱の一部を使っていたことも

帯の前側にシワがよらないようにするために使用する薄い板です。昔は薄手のダンボールや小箱の一部を切り取って使用していましたが、現在では帯板といって専門の小物も発売されています。選ぶ際は、板にしっかりとした硬さがあるものや、板にベルトが付いているものがおすすめです。

帯枕(おびまくら)

帯枕
見せたい印象に合わせた厚さを選んで

帯枕には帯の形が崩れたり下がったりすることを防ぐ目的があり、使用する際は「帯揚げ」に包んで用います。

大きくて厚みのある帯枕は帯結びを派手に見せることができ、小さくて薄い帯枕は平たい帯結びになります。そのため、一般的に若い人は大きめのものを、年配の人は小さめのものを選びます。

帯揚げ(おびあげ)

帯揚げ
華やかでアクセントになる色やデザインを

帯揚げは、帯枕のひもを隠すための小物です。華やかな色やデザインのものが多く、帯の上を鮮やかに見せてくれます。
重みのある縮緬(ちりめん)生地や、光沢があり軽やかな印象の綸子(りんず)生地が主流となっています。

足袋

足袋
足袋初心者にはストレッチ足袋がおすすめ

足袋は着付けの最初に履きます。礼装や正装として着物を着るときは、白い足袋が基本ですが、そのなかにもさまざまな種類があります。

結婚式で履かれることの多い「正絹足袋(しょうけんたび)」、足袋のなかでもっとも一般的な「綿足袋」、足袋を履き慣れていない人におすすめの「ストレッチ足袋」などから、自分に合うものを選ぶようにしましょう。

草履(ぞうり)

草履
草履サイズは事前に履いて試してみるのがおすすめ

色やデザインも豊富ですが、選ぶ際に気をつけておきたいのがサイズ感です。もっとも綺麗な着姿になるのは草履から「かかとが1cmほど出る」サイズとされています。ただし「歩きにくい」「足が痛い」などの場合は、かかとが出ないぴったりのサイズでも問題ありません。

また、台の高さは5cm前後のものが一般的。これは衣裳の裾を引きずらないようにするためであることも理由のひとつです。

かんざし

かんざし
かんざしは何個か組み合わせてもおしゃれ

古くから「先のとがった細い棒には呪力が宿る」として、お守りや魔除けとしての役割を果たしてきました。 髪に挿すことで魔を払うことができると考えられ、特別な日の定番小物になっています。華やかなものやボリュームのあるもの、かんざしを複数本使うのもおすすめです。

・レンタルできないことが多い小物について

足袋や肌着は直接肌に触れるものであることから、レンタルではなく「別途購入が必要」「無料贈呈で返却不要」としているケースもあります。

レンタルの場合でも「直接肌に触れるものだから自分で用意したい」という人は、成人式や卒業式で使った和装小物を転用できることもあるので、まずは衣裳店に相談してみましょう。

・アクセサリー類は自分で揃えるのもおすすめ

見た目にも大きく関わる「抱え帯」「懐剣」「筥迫」「かんざし」といった和装小物は、本来とても繊細なつくりをしています。レンタルすることもできますが、その場合、クオリティの高さは期待できないものも多く、また、レンタルとして使いまわしているものなので、どうしても「使用感」は出てしまいます。そういった点が気になるようであれば、自分の好みに合ったアクセサリーを揃えたほうがよいでしょう。

■衣裳ごとの小物選びのポイントは

和装
同じ着物でも小物によって印象が大きく変わる

結婚式の衣裳には複数種類があり、好みに応じて選べるようになっていますが、衣裳が違えばそれに合わせる小物も違ってきます。ここでは、特に人気の高い「白無垢」「色打掛」「引き振袖」に合った、小物の選び方や注意点をご紹介します。

・白無垢の小物選び

色無垢
白で揃えると清楚な雰囲気に

白無垢の小物選びは、神前式もしくは披露宴かによって選ぶべき雰囲気が異なりますが、定番なのは「白で統一させる」パターンです。白無垢の清楚な雰囲気をしっかりと保つために、小物類もすべて白色のもので統一するとよいでしょう。

また、差し色として赤や金などをワンポイントで入れるのも、華やかさがプラスされるのでおすすめです。

▼白で統一させるのにおすすめな小物6点セット

白無垢を着る際には小物も白で統一するのがおすすめです。白無垢の良さを活かし、おごそかな雰囲気に仕上がります。

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▼赤や金の差し色もおすすめ

和装小物
花嫁らしい人気カラー

オレンジやピンクなど、同系色の衣裳と合わせやすい赤色の小物。反対色である青系の衣裳と合わせることで小物と衣裳それぞれをより際立たせることもできます。

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和装小物
どの色にも合わせやすい定番カラー

金色の小物は取り入れるだけで全体の印象を明るくしてくれます。良いアクセントになるだけでなく、どんな色の衣裳にも合わせやすいのでおすすめです。

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・色打掛(いろうちかけ)の小物選び

和装小物
着物に負けない華やかなデザインを

色打掛けはデザインやカラー展開がとても多く、小物類の種類もかなり充実しているのでコーディネートの幅も広がります。

色打掛け用の小物は、衣裳とのバランスを見ながら選びますが、一般的な色打掛けが華やかな雰囲気なので、それに負けない小物を選ぶと良いでしょう。ただし、あまりに衣裳も小物も主張が強すぎると、ごちゃついた印象になってしまうこともあるので気をつけてください。

▼パッと明るい小物で華やかな雰囲気に

和装小物
上品な印象を与える正統派カラー

若草色の小物は、白無垢と合わせることで上品な印象に仕上がります。また、赤色の色打掛に使う差し色としてもぴったりです。

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▼ビビッドカラーで引き締まった印象に

和装小物
組み合わせのポイントになるカラー

一見、使いこなすのが難しそうなビビッドカラーですが、紫や淡い青系の色打掛に合わせることで全体的に引き締まった印象に仕上がります。

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・引き振袖の小物選び

引き振袖は打掛よりもシンプルで無駄の少ないデザインが多いため、小物選びでは遊び心を持って、思いっきり華やかにして楽しむのもよいでしょう。

一方で、とことん大人でシンプルなコーディネートを目指したい場合は、小物類に落ち着いた色合いを持ってくると上品にまとまります。

▼華やかな小物で遊び心を楽しみたい方におすすめ

和装小物
個性的に仕上げたい人におすすめのカラー

シンプルな引き振袖と合わせるのには赤と青の2色を使ったこちらの小物もおすすめ。カラー対比の強い小物は、個性を活かしたい人におすすめです。

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▼大人っぽくシンプルにまとめたいならこちら

和装小物
大人っぽく見せてくれるカラー

引き振袖はもちろん、白無垢や色打掛にも合わせやすい小物です。くすんだオレンジ色の小物を使うことで、大人っぽく落ち着いた印象に仕上がります。

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■花嫁和装を素敵に着こなすコツ

和装
ロケ―ション撮影では日傘やブーケなども小物も用意してみて

和装小物にこだわることで衣裳の見栄えがアップするだけでなく、着崩れ防止にもつながります。今回は詳しくご紹介していませんが、別撮りや前撮りをする場合は「日傘」「鞄」「髪飾り」「ブーケ」などがあるといいでしょう。

また、和装の場合は基本的に普段着けているピアスや時計などのアクセサリーの使用は一般的ではありません。着物は、ナチュラルに素のままで楽しむ衣裳として継承されているので、生花を用いた髪飾りなどで美しくコーディネートしてみてくださいね。