どんな夫婦になりたいかを突き詰めて
ウエディングドレス、ペーパーアイテム、空間装飾など、心躍るような美しいアイテムを自分でコーディネートできるのも結婚式準備の楽しみの1つですが、それぞれを自分達の好みだけで選ぶと「ドレスは黄色」「ペーパーアイテムはピンク」「テーブル装花はオレンジ」など、統一感がなくなってしまいます。ここでは、こうした事態を避けるために不可欠な、コンセプトなどの“軸”を探すヒントを紹介します。
好きな画像をストックして自分の趣味を再発見
ウエディングアイテムを選ぶ時のおススメは、ピンタレストなどで自分の好みのビジュアルをストックする作業。自分の好みややりたい結婚式の方向性を整理するのに有効です。集めてみることで、好きな色やデザインの傾向など、自分では気付かなかった面も見えてきます。
ただし、ビジュアル的な好み、やりたい結婚式の方向性、着たいドレスなど全てのテイストが揃うとは限らないので、優先順位をつけたり、何を軸にコーディネートしていくのかを考える必要があります。
陥りがちなのが、ビジュアルとやりたい結婚式の方向性がバラバラというケース。「ゲスト全員でリラックスして過ごせる結婚式」を目指しているのに、選んだ式場が何百人も収容できるようなホテルの大ボールルームであれば、「リラックスしてほしい」というコンセプトはゲストに伝わりづらくなってしまいます。コンセプトを優先するなら、ホテルのボールルームのようなフォーマルな式場は避けるべきだし、どうしてもフォーマルやゴージャスな式場を選びたい場合はコンセプトを見直す必要も出てきます。
また、ピンタレスト上では自分の好みに統一感があるように見えても、「花」「ペーパーアイテム」「ドレス」など、実際に選んだものを組み合わせてみると、全くバラバラというケースもあります。
式場での打ち合わせは、花はフローリスト、ペーパーアイテムはプランナー、衣裳はドレスコーディネーターなど、担当窓口が変わるため、たとえばフローリストがゲストテーブルに置かれるメニュー表のデザインを知らず、カップルの好みだけを元に装花をデザインしてしまい、統一感のないテーブルコーディネートになってしまうこともあります。2人の好みだけを押し通してしまうと、会場装花の色と式場の絨毯の色がちぐはぐになってしまったりもします。
どんな夫婦になりたい?ゲストにどう見られたい?
こうした失敗を回避するのに役立つのがコンセプトです。コンセプトは、ゲストに何を伝えたいか、どう過ごしてほしいかということに加え、2人らしさを表現するという視点からも考えられます。心から「2人らしい」と思える空間の中にいられれば、自然体でゲストと交流できたり、少し視野を広げて考えれば、将来2人がどうありたいか、理想の世界観を表現するのも「2人らしさ」と言えます。
周りからは、ナチュラルだと映っていても、実はプリンセスラインのドレスに代表されるようなロマンティックな世界観に憧れているという場合、結婚式では、ゲストから見れば意外な一面を表現して「こんな側面もあったのか」と驚いてもらうのも1つです。
では、何が2人らしさなのか、即座に明確に答えられるカップルばかりではありません。そんな時には、2人がどういう夫婦になりたいのか、ゲストにどう見られたいのか、じっくり話し合ってみましょう。式場から配られるウエディングノートには「2人の幼少時代から今までを振り返りましょう」という項目があったりしますが、プランナーの忽那幸希さんは「結婚式のこと、将来のことを話し合う中でも自ずと2人の半生やこれまで関わった大切な人の話は出てくるものです」と言います。
また、プランナーの野田真奈美さんは「初回打ち合わせの時点で決めたコンセプトを最後まで貫かなければならないわけではない」と言います。打ち合わせを重ねる中で「そっちの方がしっくりくる」とか、プランナーからの提案を受けて「だったらこういう風にしたいかも」などと、最初に決めたコンセプトがどんどん磨かれていくそうです。
「どんな夫婦でありたいのか」を突き詰め、その表現方法を熟考するというのは、単に結婚式の打ち合わせを超えて、2人の人生を考える機会でもあると意識して2人の話し合いを深めていきたいものです。