#おうちで過ごそう 新米夫婦のためのワークショップ

2020.05.19 火 | レポート

コロナ禍により、予定していた結婚式が延期になり見通しも立たない、結婚式場が営業休止になって式場見学できない、両家の顔合わせも延期になるなど、結婚が決まったカップルの皆さまにとっては、せっかくの幸せな気分がトーンダウンしてしまうような状況が続いています。
自宅でゆっくり過ごせる今だからこそ、夫婦の絆を深めるワークショップに取り組んでみましょう。夫婦になる自覚を強めることも大切な結婚式準備の1つではないでしょうか。
ここでは、長く夫婦問題の相談を受けてきた行政書士の湯原玲奈さんに、幸せな夫婦になる準備を整えるためにおすすめのワークショップを紹介していただきます。

<初めに> 世の中は「人の感情」で動いている

幸せな夫婦関係を築くには、まず「感情」を理解することが不可欠です。なぜなら、人間は感情に翻弄される生き物であり、人間関係に限らず世の中の出来事のほとんどが人の感情で大きく動いているためです。
たとえば、経済の様子を表す「景気」という言葉にも、感情を意味する「気」という漢字が使われています。つまり、経済も人の感情が大きく影響していることの象徴と言えます。よく、女性は「ご褒美消費」など消費意欲が旺盛と言われます。一般的に男性よりも感情が豊かだとされ、その方が経済への貢献度も高いというわけです。
感情は「喜怒哀楽」の大きく4つに分かれますが、実は「怒」だけ他の3つと性質が異なり、ここを掘り下げることが、その人の本質を知る近道だったりします。
「怒」は二次感情と言われ、その他の感情と異なり、「怒」の引き金となる別の感情が潜んでいます。たとえば、待ち合わせに遅刻されて怒っているケース。ある人は「1人で待っている時間が寂しかった」、ある人は「軽んじられていると感じて悔しい」など、「怒」の理由が人によって違うわけです。
恋人同士など恋愛感情が盛り上がっている時には、「喜」「楽」などポジティブな感情をフォーカスしがちですが、長く付き合う上では怒る理由が似ている方が楽だったり、一緒にいて疲れなかったりします。相手が怒る理由も想像がつくので、怒らせないように配慮できたり、火に油を注ぐことなく、沈めるための対応ができたりするので、余計なストレスを避けることができるのです。

STEP1.自分自身を掘り下げる

「自分のことは自分が一番よく分かっている」と思う人もいるかもしれませんが、「自分を掘り下げる」というのは、客観的・俯瞰的に捉えることなので、意識的に取り組まなければ見えてこないものです。ここでのポイントは、良いか悪いか、正しいか間違っているかなど、自分自身を決めつけないこと。「私の考えは正しい」などと自己判断してしまうと、他人との会話で攻撃的になる要因になってしまいます。「私ってこんな時、こんな感情を抱くんだな」などとニュートラルに受け止め、自分自身が浮き彫りになっていく感覚を楽しみましょう。
早速、いくつかの設問にチャレンジしてみましょう。以下に紹介するのは「おうちワーク」といって、自分自身を家に見立て、設問に答えることで自分という“家”を組み立てていくようなワークショップの一例です。

この「おうちワーク」は私(湯原さん)が考案したもので、上記の他、「浴室」「キッチン」「窓」「屋根」「柱」など、10カテゴリー、各2問ずつをご紹介しています。
この他、自分の半生を振り返ってターニングポイントになったことなどを洗い出してみる「私の一大事件簿」もおすすめです。自分の半生を振り返って「最も影響を受けたエピソード」「そのエピソードの登場人物」「その時に何を思ったのか」、それぞれ「ベスト3」ぐらいまで書き出してみると、かなり浮き彫りになってくるのではないでしょうか。エピソードだけでなく「重要人物リスト」「持ち物リスト」なども、自分を知るための重要な手掛かりになります。

このようなワークショップ以外にも、自分自身を客観視したり俯瞰したりするチャンスはいくらでもあります。
たとえば、コロナ禍で在宅勤務にシフトした時に「出社しないと仕事をしている実感が持てない」と思うのか、「無症状でも感染しているかもしれない、誰かにうつしてしまわないよう在宅勤務で頑張ろう」と思うのか、人によって感じ方は違うと思います。自分はその時、どう感じて何を思うのか、それを客観的に見つめるというのが「自分を掘り下げる」ことです。
人は日々、成長しているので、同じ物を見ても今日と明日では感じ方が違ったりします。そのため「自分を掘り下げる」というのは一生続けていくライフワークだと思います。 

STEP2.お互いに自分のことを伝え合いディスカッション

2人で話し合う時のポイントも、相手の価値観の良し悪しを判断しないことです。ビジネスシーンで行う「ブレーンストーミング」と同じで、「その考えは間違っている」などと否定すると、意見やアイデアも言い出しにくくなり会話が弾みません。「受け入れる」のではなくて「受け止める」という感覚で臨みましょう。
 お互いの考え方や価値観を知る、一番のメリットは、上手に付き合うヒントが見つかるということ。
 どんなに仲の良い夫婦でも、時には衝突するものですが、ケンカを終わらせるためのヒントも見つかりやすくなります。たとえば、どちらかが「不機嫌な時は放っておいてほしい」というタイプであれば、「ケンカしたら一旦、別の部屋に閉じこもって1時間後に集合する」など、ルールも決められるため、ケンカを長引かせない工夫にもなります。人間は感情的になると思考力が低下すると言われているので、ルールを決めるなら2人とも冷静な時がおすすめです(笑)
 自分を掘り下げてみた結果を伝え合ったら、「あなたがもっとも幸せを感じる瞬間は?」などインタビューし合うのも1つです。
 新婚夫婦向けのワークショップでは、毎年、年末の総決算として2人で1年を振り返ることを推奨しています。たとえば「2人にとっての一大事件は?」「パートナーの大きな変化は?」「やり残したこと」「来年はどんな自分になりたい?どんな夫婦になりたい?」「チャレンジしたいこと」「やめようと思っていること」「来年実現したい3つのこと」などの答えを2人で考えてみます。おうちで過ごす時間が充実している今なら、「来年」だけでなく5年後、10年後、20年後先を見据えた「未来年表」を作ってみるのもおすすめです。

過去のワークショップでは「実現したいこと」として「宇宙旅行」と書いた方もいらっしゃいました。実現できるかどうかよりも、お互いが「そんなこと考えているんだ」と理解することに意味があります。

STEP3.セルフコントロールのための100のリスト

「コーピングリスト」をご存じでしょうか。これは、自分に合ったストレス解消法をまとめた100のリストです。私の場合は「朝、ミルクティーを飲む」「天気の良い日に庭でハイボールを飲む」などもリストに入っていますが、こうした些細なことも含め、自分の気分を上げられるアクションをたくさんリストアップしておくと、ストレスを感じたり、落ち込んだり、イライラした時にセルフコントロールしやすくなります。

自宅で仕事をする日も増える中、普段よりも夫婦で過ごす時間が長くなったことで欠点が目立ってしまい、ギクシャクしてしまうといった話も増えています。
 そうなる原因の1つに、パートナーへの過度な依存が挙げられます。依存は、経済・生活・精神の大きく3つの領域に分けられますが、「コーピングリスト」は精神の自立に役立ちます。八つ当たりは、相手への甘えの表れ。たとえ夫婦の間であろうとも、自分の機嫌くらいは自分でコントロールしましょう。
 また、夫婦共に在宅勤務の場合、旦那さんに「ご飯まだ?」と言われて奥さんが腹を立てるなども、よくある話ですが、これは旦那さんが生活面で奥さんに依存し過ぎている例です。お互いに、生きていく上で必要な最低限の家事はこなせるようにしておくというのが生活面の自立です。

<最後に> 長く続く夫婦がやらない7つのこと

 長く夫婦問題に携わる中で、良い関係性を築いている夫婦の特徴を7つにまとめているので、ご紹介します。

どんなに仲の良い夫婦でも、全く同じように考え、行動し、価値観もぴったり合うというわけにはいかないものです。もちろん、完全にシンクロしている状態は理想かもしれませんが、違う人間である以上、ほぼ不可能でしょう。
 でも、相手が何に価値を感じ、どんな風に考えるのかを知る努力はできます。それこそが、良好な夫婦関係を築くためのコツです。これは、夫婦関係だけでなく、家族や職場、友人など全ての人間関係に共通することなので、ぜひ、様々なシーンで応用してみてください。

湯原玲奈
(プロフィール)
1973年、東京都大田区出身。夫婦問題を得意とする行政書士。2014年頃から新婚カップル向けに「一生幸せなふたりでいるための10のワーク【マリッジノート®】」というワークショップを開催。経営者・女性起業家向けのマネジメント研修や高校生を対象としたキャリア形成に関するセミナーなどのオリジナルメソッドを開発している。
著書に「一生幸せなふたりでいるための10のワーク【マリッジノート®︎】(朝日新聞出版)」。

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