教会式・人前式・神前式
3つの挙式スタイル 魅力&事例集

教会式・人前式・神前式
3つの挙式スタイル 魅力&事例集

2020.09.15 火

ノウハウ

「素敵エピソード」と共に3つの挙式スタイルを紹介

一口に挙式と言っても、教会式・人前式・神前式など様々なスタイルがあります。それぞれ、どのような魅力や持ち味があり、どんな新郎新婦に向いているのでしょうか。ここでは、ウェディングプランナーの視点から、3つの挙式スタイルについてそれぞれの魅力やおススメポイントなど、「素敵エピソード」を交えてご紹介します。

■ 教会式
オルガンや讃美歌が厳かな非日常感を演出

 チャペルという特別な空間に加え、オルガンや聖歌隊が奏でる生演奏、讃美歌の斉唱、聖書の朗読、外国人司式者の英語などが演出する、非日常的で厳かなムードが最大の魅力です。
 たとえば、普段はお調子者の新郎がタキシード姿で現れた瞬間、新郎の友人から笑いが起こったりしても、讃美歌を歌っているうちにゲストも厳かなムードに飲み込まれ、セレモニーとして程よい緊張感が広まっていきます。
 新婦と父でバージンロードを歩く姿や「(この男性・女性を夫・妻として愛することを)はい、誓います」という一言に感動するのは、こうした教会式の醸し出すムードが大きく影響しています。そのムードが、新郎新婦や両親の一挙一動を神聖なものに演出し、ゲストも1つ1つの動作や言葉の奥にある感情などを深く感じ取ろうとする姿勢を整えることができたりするのです。
 また、現代の一般的な日本人が、まず思い浮かべる「THE・結婚式」のイメージも教会式。長年の憧れだったという新婦も多いでしょうし、新郎新婦の両親にしても「いよいよ巣立っていくんだな」などと、息子・娘の結婚を実感できる挙式スタイルと言えるのではないでしょうか。

episode
「この結婚に反対なの…?」 新婦の不安が吹き飛んだ瞬間

「よろしくな」という父からの一言に新郎新婦が号泣

 その新婦は式場見学の時から、どこか浮かない顔を見せていた。普通ならステンドグラスが輝く大聖堂を見た瞬間、パッと明るい表情を浮かべる新婦がほとんどなのに・・・。
 理由は、2人の結婚を父が賛成していないのではないかという不安が拭えないこと。新婦の父は仕事柄、留守がちで、じっくり会話する機会も滅多にない。2人の結婚についても新婦の母親を通じて報告していたため、この結婚をどう受け止めているのか、本音を図りかねていたのだ。
 「バージンロードのエスコートは新郎か母にお願いしようかな、それとも人前式でアットホームに・・・」
 そんな迷いを見せる新婦。でも、担当プランナーのmayuさんは「このままでは一生、お父様とのわだかまりが解けない」と考え、あえて教会式を勧めた。
 この式場の教会式には独自のセレモニーがある。それは、司式者から新婦父と2人に対して結婚の覚悟を問うもの。
 まず、新婦を新郎の元までエスコートしてきた父に
 「大切に育てられたお嬢様の結婚を心より祝福なさいますか?」
 これに対する答えを待って、新郎新婦に「夫婦になる覚悟はできましたか?」と確認するのだ。mayuさんは、その瞬間の父の反応こそ、新婦の不安に対する答えだと考えた。

 新婦の父はどう答えるのか、いよいよ緊張の瞬間が訪れる。
 父は、「はい」と小さく返事して、2人の結婚を祝福する意思を示した。その後、2人への覚悟を問う儀式の準備として、司式者が持つ聖書に新婦の手を重ねるまでが父親の役割なのだが、父は新婦の手を取るより先に、新郎の手を握り耳元で「よろしくな」とつぶやいた。
 新婦以上に号泣したのは新郎だった。新郎も新婦以上に不安を抱えていたのだ。
 「お父様は親族控室でも笑顔はなく、挙式入場の直前まで一言もお話されませんでした。でも、バージンロードを一歩一歩進むうちに、ゆっくりですが、目に見えてお2人への祝福の気持ちを強めていく様子が窺えました。「誓う」ことの重みを感じた結婚式ですね」(mayuさん)
<教えてくれた人>
mayuさん

約8年間、ゲストハウスのウェディングプランナーとして1200組以上の結婚式を担当。おススメの結婚式は開放感のあるガーデンパーティ。 

■ 人前式
厳かさ不要! ずっと盛り上がり続けたい人におススメ

 教会式との最大の違いは宗教色がない点。具体的には、讃美歌・聖書朗読が入らず、誓いの言葉は2人のオリジナル、進行役は司式者ではなくパーティの司会者といったところ。2人自身がゲストに対して、自分の言葉で新しい人生や生活の誓いを立てるというスタイルで、厳かなムードはありません。挙式からお開きまで、ずっと盛り上がり続けていくような結婚式にしたい方におススメです。
 中には「キリスト教徒じゃないから「誓います」などと言うことに抵抗がある」といった理由で人前式を選ぶ方も少なくありませんが、「挙式は厳かに、披露宴では思い切り弾けたい」など、メリハリを付けたい方には、あまり向いていないかもしれません。
 誓いの言葉は、新郎新婦それぞれの「新生活の誓い」や2人の間で決めた「夫婦の約束事」など自由。一般的には、3つぐらいの誓いを発表するケースが多いです。ただし、「自虐ネタ」を笑いにつなげ、和ませるようなスタイルは要注意。この結婚を最も喜んでいるご両親が、ゲストにお2人の育て方を疑われるようなコメントは避けましょう。
 新郎の元へと続くバージンロードを父親と新婦が歩くという入場スタイルは教会式と変わりませんが、2人はセレモニー中、常にゲストの方を向いた状態となります。誓いを立てるのが神様ではなくゲストだからです。披露宴ではご両親は末席ですが、挙式は最前列なので2人の晴れ姿を間近に見てもらうことができるというのもメリットの1つ。一方「大勢の前で緊張してしまう」という方は心の準備をしておきましょう。

episode 1
キャラが伝わるオリジナルの「誓いの言葉」

2人らしい誓いの言葉で場を和ませる

新郎:会社の飲み会に参加しても泥酔しないように気を付けます。
新婦:レンチンご飯は週に3回までに収めます。 
 酒好きの新郎と料理が苦手な新婦は、これから始まる結婚生活に対して、こんな誓いを立てた。2人の人柄や普段の様子をよく知るゲストの間には、笑い声が広がり会場は一気に和やかムードに包まれた。
 この新郎新婦は「ゲストが驚くようなシブい会場を選びたい」「でもパーティの中身はイマドキ風にカジュアルに」と、やりたいことが明確。挙式に対しても「涙はいらない」「自分達らしさを表現したい」など、やりたいことがはっきりしていたため、人前式がぴったりハマったのだ。
 「人前式は神前式と異なり、お2人が誓いの言葉を考える、オリジナリティのあるスタイルなので、2人らしさを表現したいというお客様にぴったりだと思います」(ウェディングプランナー:kanakoさん)
<教えてくれた人>
kanakoさん

プランナー歴7年。大阪と横浜のゲストハウスに在籍し、毎月、平均7組を担当。会場見学のご案内から結婚式当日のディレクションまでお手伝いする。
おススメのGOOD WEDDINGは、お2人とゲストの距離が近く会話を楽しめたり、お料理をじっくり味わっていただけるようなパーティ。

episode 2
2人のキューピッドのコメントで一気に和やかに

2人のキューピッドによる証人代表の言葉はまさに馴れ初め紹介

「私のお店にお客様としてよくご来店いただいていた新婦。出会った当時、長野から上京してきたばかりの彼女は少し疲れているように見えました。頑張り屋さんなだけに、その緊張を解き、支えてあげられる男性はいないかなと考えたところ、パッと思い浮かんだのが、同じくお客様の1人だった新郎だったんです」
 これは、2人の行きつけのバーのマスターが読み上げた証人代表の言葉だ。
 この後も、新郎の人柄、2人がどんな風に距離を縮めていったのか、結婚の報告を受けた日のことなどが続き、予期せず、2人の馴れ初め紹介のような時間になった。
 一般的に、全ゲストが詳しい馴れ初めを知っているケースは少なく、性格や人柄もどちらか一方のことしか知らない。2人をよく知るキューピッド的存在のマスターが代弁してくれたことで、全てのゲストが2人に対して理解を深め、感情移入しやすくなり、温かいムードに包まれたと言う。
 「人前式の魅力はアットホーム感だと思います。このバーのマスターのようにキューピッド的な方がいらっしゃる場合、コメントをいただくと自然にゲスト全員に2人の馴れ初めなどが伝わり、より和やかなムードになると思います」(ウェディングプランナー:mayuさん)
<教えてくれた人>
mayuさん

約8年間、ゲストハウスのウェディングプランナーとして1200組以上の結婚式を担当。おススメの結婚式は開放感のあるガーデンパーティ。 

■ 神前式
馴染み深い場所ながら厳粛で神秘的

 「キリスト教徒ではないので教会式には抵抗がある、かと言って挙式は厳かに行いたい」という方におススメしたいのが神前式。日本人にとって神社は馴染み深い場所。七五三などでお参りする他、パワースポット巡りなど旅行先としても人気があります。厳粛なムードであることは言うまでもありません。宗教色はありますが、日本人の生活には馴染み深い場所なので、抵抗感は薄いのではないでしょうか。また、挙式を行う神殿は一般の参拝客は入れない場所。参列するゲストには特別感を感じていただけると思います。
 神前式の醍醐味とも言えるのが、「参進の儀」と呼ばれる花嫁行列。神職・新郎新婦・親族が並んで、神殿までゆっくり進んでいく儀式で、雅楽に合わせてゆっくりと歩みを進める様子は、まるで絵画のように神秘的です。
 神前式は、家と家の繋がりを結ぶ儀式なので、原則、参列者は親族のみ。挙式は、ゲストの拍手もなく淡々と進められるので、神聖、荘厳といった言葉がぴったりな雰囲気。家族・親族だけの静謐で特別な時間の中、ご両親にも2人の結婚の喜びをしみじみと噛みしめていただけるのではないでしょうか。

episode
一幅の絵のように美しく神々しい「参進の儀」

新婦に寄り添う母親の温かいまなざしに釘付け

 「参進の儀」で歩く距離の長い神社での挙式。ウェディングプランナーのyokoさんには、新婦に寄り添う母の姿が一幅の美しい絵画のように見えたと言う。その神社の「参進の儀」は、母親のみが新婦の隣に立つことを許されるという決まり。娘の晴れ姿をまぶしそうに見守る母親、「ありがとう」という言葉が聞こえそうなほど感謝のまなざしを贈る花嫁の姿は、まるでスローモーションのように時が止まって見えた。その神秘的なムードは写真にも映りこんでいて「自会場のチャペルやパーティでは残せない写真」と感じたと言う。
 「日本には全国各地にたくさんの神社があり、それぞれ、祀られている神様などによって儀式も、そこに込められている意味も違います。たとえば、「結婚する2人は生まれた時から小指と小指が赤い糸でつながっている」という言い伝えに基づき、赤い水引で編んだ輪をお互いの左手小指に結びあう「結い紐の儀」、女性の分身ともいわれる「櫛」を新郎が新婦から預かることで、新生活を二人三脚で営む決意を示す「御櫛預けの儀」など、神社ごとに独特の儀式があるので、神前式選びのポイントの1つにもなるのではないでしょうか」(yokoさん)
<教えてくれた人>
yokoさん

都内老舗ホテルで、3年間、バンケット(宴会)部門のアシスタントを経験。その後、ウェディングプランナーとして4年以上のキャリアを重ねる。おススメはクラシカルでアンティークな結婚式。

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