1.5次会と披露宴 何が違うの!?
「いいとこ取り」ウェディングのススメ
結婚のマナー

1.5次会と披露宴 何が違うの!?
「いいとこ取り」ウェディングのススメ

2020.09.23 2020.09.23

目次

  1. リアルエピソードから「いいとこ取り」ポイントを紹介
  2. ■違い1「ご祝儀」or「会費」
  3. ■違い2「家族・上司・友人」or「友人中心」
  4. ■エピソード&「いいとこ取り」ポイント

リアルエピソードから 「いいとこ取り」ポイントを紹介

 「1.5次会」という言葉を耳にしたことはありますか?披露宴と並び、ウェディングパーティのスタイルとして定着してきた言葉ですが、実は、披露宴と1.5次会に明確な定義があるわけではなく、漠然としたイメージで広まってきたというのが実情です。ここでは、披露宴と1.5次会の一般的なイメージや特徴を解説、リアルなパーティエピソードにも触れながら、「いいとこ取り」できるポイントをご紹介します。

■ 違い 1  「ご祝儀」or「会費」

■ 違い 1  「ご祝儀」or「会費」
1.5次会の会費は1万5000円~1万7000円程度

 最大の違いは「ご祝儀」か「会費」か。1.5次会の会費は1万5000円~1万7000円程度。2万円になると「少し高い」という印象を与えます。ご祝儀の相場は3万円と言われているので、ゲストに負担をかけたくないといった理由で会費制の1.5次会を選ぶカップルも少なくありません。
 料理は、披露宴も1.5次会も着席のコース料理スタイルが一般的。「3万円ものご祝儀をいただくのは申し訳ない、かといって飲み会の延長のような二次会では、遠方から足を運んでくれるゲストに対して失礼に当たるのでは?」。1.5次会は、そんな新郎新婦の選択肢の1つとしても定着しています。

■ 違い 2  「家族・上司・友人」 or 「友人中心」

■ 違い 2  「家族・上司・友人」 or 「友人中心」
幅広い顔ぶれを集めるフォーマルスタイルか友人のみのカジュアルスタイルか

 すでに海外やリゾート地で家族・親族のみの結婚式を済ませたカップルが、友人を招いて開くパーティを「1.5次会」と呼ぶケースも多いです。一方、披露宴は家族や会社の上司など幅広い顔ぶれを招待するのが一般的。
 1.5次会には、カジュアルで自由なイメージもありますが、ゲストが友人のみというケースも多く、来賓のスピーチや2人の生い立ちを紹介するプロフィールムービーが省略されたり、その代わりみんなで盛り上がれるゲームを取り入れたりすることも多いというのが大きく影響しています。友人のみでカジュアルに楽しみたいという場合、料理も立食のブッフェスタイルが選ばれることもあります。
 これに対し、披露宴の場合は、「会社の上司を招待する以上、来賓スピーチをお願いしないわけにいかない」「せっかくの機会だから両親や家族に感謝を伝えるために手紙を読もう」となりがちで、フォーマルな印象やイベントごとが多いというイメージが持たれがちです。

■ エピソード&「いいとこ取り」ポイント

episode 1.
40歳大人婚の会費制パーティ

スピーチや花嫁の手紙などセレモニー的イベントは入れない

 「ゲストに負担をかけたくない」
 ある40歳前後の大人カップルが、そんな理由で選んだのは会費制のカジュアルパーティ。「負担」というのは、相場3万円と言われるご祝儀のこと。無理のない範囲でパーティを楽しんでいただきたい、でも二次会のようなブッフェ料理のライト過ぎるパーティはせっかく遠方から足を運んでくれるゲストに失礼にあたるのではないかという考えから、1万5000円程度の会費制を選んだのだ。
 パーティスタイルはいたってシンプル。料理はフルコースだけど、ゲストからのスピーチや花嫁の手紙など、セレモニーのようなイベントは入れず、お色直しもしない、ムービー演出もエンドロールのみで、メインイベントは料理と会話を楽しむこと。パーティ中は、2人がゲストのテーブルをラウンドし、1皿ずつ一緒に食事しながら、会話したり写真を撮ったりして過ごした。このように、ゲストと食事をしながら穏やかに過ごすというのが、ある程度、年齢を重ねてきた2人にとっては、ベストなおもてなしスタイルだった。

<いいとこ取りポイント>
ご祝儀制×シンプル&カジュアルも可能

ゲストにいただくのはご祝儀、形式張らないシンプル&カジュアルなパーティスタイルのみ取り入れるということも可能です。セレモニーなどを省略し、フォーマルさを和らげることで、食事もリラックスして楽しんでいただけるのではないでしょうか。

episode 2.
堅苦しくないスピーチもある

両家への感謝が飛び交う親族中心の温かい披露宴

 「ウチの甥は欠点もあるけどいいヤツ。新婦の〇〇さん、一緒になってくれてありがとう」
 一般的に結婚式の来賓スピーチと言えば、「かしこまった雰囲気」「堅苦しい」といったイメージもあるが、この結婚式では温かい空気が流れるきっかけとなった。ゲストは60名前後ながら家族・親族が中心。スピーチだけでなく乾杯の挨拶も親戚が担当し、コメントには相手の家族への感謝や「よろしくお願いします」という言葉が多く出てきたため、両家の間に温かく優しいムードが広がったのだ。デザートブッフェでは、「ウチの子どうですか?」など、両家の適齢期の男女の縁を取り持とうとするような微笑ましい交流も生まれた。
 実は、当初、この新郎新婦が望んでいたのは1.5次会のような結婚式。両家とも親戚付き合いが深く、家族との絆も強い、結婚式も両家が仲良くなるきっかけにすべく、カジュアルでフレンドリーなイメージのある1.5次会が合うと考えたのだ。
 でも、担当プランナーは、年配の親族も多いため、ある程度「結婚らしさ」のある、カジュアル過ぎないパーティの方が受け入れられやすいと考え、スピーチや余興も入る披露宴スタイルを提案した。
 元々、仲の良い親族同士の集まり。スピーチにも形式的ではない、本心からの温かい言葉が散りばめられ、両家の距離を縮める役割を果たしてくれた。

<いいとこ取りポイント>
近しい間柄の人のスピーチでアットホームに

「スピーチ=堅苦しい」とは限りません。このエピソードのように、2人と近しい間柄のゲストに依頼するスピーチは、むしろアットホーム感を演出してくれたりします。1.5次会のようなカジュアルパーティでも、職場で尊敬している先輩や上司、親友などに、エピソードを交えてメッセージをもらうシーンを設けると、パーティを記憶に残す素敵なエッセンスになるのではないでしょうか。

episode 3.
定番演出を通して家族の絆を確認

普段なら照れくさいと思う言葉も定番演出が後押ししてくれる

 新婦の父は娘の授かり婚を受け止め切れずにいた。そんな父の心情に気づいていた新婦も「親子でじっくり半生を振り返る時間を持てなかった」「結婚と妊娠の順番が逆になってしまい謝りたい」と、どこか後ろめたさを感じている様子。
 担当プランナーは、結婚式の「定番」と言われるような演出を通して、家族が本心から結婚を祝福できたり、絆を感じられるパーティを提案した。
 まず、挙式直前。家族だけの時間を設け、幼い頃に書いた両親への手紙や工作、写真などを2分程度にまとめた動画を上映、新郎から新婦の両親へ向けて「結婚と妊娠の順番が逆になり申し訳ありません。でも、祝福してくださっていることに感謝しています」といった内容の手紙を読み、両家は嬉しさや安心、祝福など様々な感情のこもった涙に包まれた。
 ここで、全てのわだかまりをクリアし、披露宴に臨む。引出物や両家のテーブルに置くメッセージカードは「これから家族としてよろしくお願いします」という意味を込めて、新郎家に対しては新婦、新婦家に対しては新郎が用意した。
 プロフィールビデオは、両家両親の結婚式の写真なども交え、家族との写真を中心に。2人が育った家庭や環境を伝えることに重きを置いた。
 こうした「結婚式らしい」定番演出は、普段なら照れくさくてなかなか言えない言葉なども、言えるような雰囲気を作ってくれる。

<いいとこ取りポイント>
カジュアルパーティでも家族には感謝を伝えよう

 プライベート空間で、家族と本音で感謝を伝え合うというのは、全体的にはカジュアルパーティでも必要な時間ではないでしょうか。結婚式は両親にとっては「子育て卒業式」という意味もあります。結婚式場という特別な場所で、花嫁衣裳に身を包んだ非日常的な空間だからこそ、伝えられる気持ちや言葉もあるので、少し恥ずかしく感じても、この機会を活用しない手はありません。