ブライダルフェアは、普段はなかなか足を踏み入れる機会のない結婚式場の雰囲気を体験できる楽しいイベントですが、何百万円もする高額な「買い物」を決断する場でもあります。CORDYマガジンにも10月に結婚式を控えたプレ花エディターがいますが、ワクワク気分でブライダルフェアに出かけて、「準備不足だった」と後悔したこともあると言います。
CORDYプレ花エディターのマリナが自身の体験を通じて、見学に行く前にやっておけばよかったことなどをレポートします。
■ ブライダルフェアに行った3会場に対する感想
こんにちは、CORDYプレ花エディターのマリナです!
10月の結婚式に向けて、これから結婚式準備を進めていくので、私の体験談から参考になりそうなことをご紹介していきたいと思います。
今回はブライダルフェアについてです。私は3軒見学して、3軒目に契約しました。どんな会場に行くか、式場紹介サイトを見ながら候補を絞っていて惹かれたのは、こじんまりした落ち着いた雰囲気の教会。
どちらかというと私は人前に出るのが苦手で、引っ込み思案なタイプです。大聖堂やシャンデリアが目を引くボールルームなどで自分が“主役”として注目を浴びるとなると、少し気後れしてしまいます。そこでウッド調など温かみがあって、絵本に出てくるような小さな教会なら、ゲストと和やかに過ごせそう、自分らしい結婚式が叶いそうだと思いました。
訪問した会場のチョイスは、ほぼ私の趣味です(笑)。彼はあまりこだわりのないタイプなので、結婚式もある程度は私に任せてくれると言ってくれました。ただし、遠方から足を運んでくれるゲストへの配慮から、アクセスの便利なところにしたいという条件は聞いていました。大阪出身の彼の家族や友人は新幹線で来るので、そこからの移動が不便でない会場を意識して3軒をピックアップしました。
1.重要文化財の敷地内にあるホール
世界的な名建築家による会場。日本に西洋文化が入ってきた時代の香りが感じられ、クラシカルモダンな印象を受けます。この会場で開かれた演奏会に参加した際に素敵だなと思い、結婚式も受け入れていることを知り見学することにしました。
改めて訪れてみると「少し落ち着きすぎかな?」という印象でした。「シンプルなドレスを着たスタイリッシュな大人の花嫁にはぴったりだろうな」とは思いましたが、私はかわいらしいデザインのドレスにも憧れるし、もう少し華やかさもほしいなと感じました。
元々結婚式を想定して建てられた会場ではないので当然といえば当然なのですが、そういった理由で契約には至りませんでした。
2.都会のど真ん中に佇む「森の中の小さな教会」
東京・表参道にありながら、緑豊かなガーデンが広がり、その中に絵本に出てくるような小さな教会が建っています。会場はイメージ通りで素敵だったのですが、ひと通り見学したあと、契約するかどうかを決める“商談”が少し強引に感じ、担当してくれたスタッフの方のトークにも好感が持てず、ブライダルフェアに行くこと自体が億劫になるほど精神的にも疲れてしまいました。
この会場を見学するまでは、「雰囲気の好きな会場で契約できれば、あとはプロが導いてくれるだろう」と思っていましたが、気持ちよく任せられるかどうか、担当プランナーさんとの相性にもよりそうだと思いました。
3.キャンドルの灯りが印象的な温かい雰囲気の教会
2の「森の中の小さな教会」と同じく東京・表参道にある会場なんですが、最終的にはこちらで契約することにしました。都会の路地裏にひっそりと佇む小さな教会で、バージンロードの両脇に飾られたキャンドルの灯りがウッド調の教会のデザインにぴったり。ここなら理想的な厳かな結婚式が挙げられそうだと思いました。
また、「森の中の小さな教会」を見学した直後で疲れ果てていて、もうほかのブライダルフェアをまわるのは面倒だと思ったのも正直な気持ちです。
■ ブライダルフェアの事前準備でやっておきたいこと5選
会場選びでは、ゲスト数や顔ぶれ、予算などについても彼と話し合っていたし、私が良いと思った会場はその都度見てもらって、自分たちなりには準備していたつもりでした。でも、いざブライダルフェアに行ってみると準備不足だったなという反省点もあります。そこで、私が「事前にやっておけばよかった」と後悔していることを紹介します。
1.ドレスは自由に選べない? 式場の取り扱いアイテムや持ち込みの可否をチェックする
ブライダルフェアや見学に行く会場で、どんなドレスやお花、引き出物などを選べるのか、自分で探したものを持ち込むことはできるのかを事前に調べておくことをおすすめします。ツイッターやインスタで「#式場名」と調べると、その式場で挙げた先輩花嫁のかなりリアルな情報が得られます。
最終的に私たちが契約した3軒目の会場で、契約前の確認事項として「ドレスは提携ショップから選んでください。それ以外は持ち込み自体をご遠慮いただいています」と言われました。ドレスのラインナップは3~4万着にものぼるそうで、「優柔不断な私には、ある程度、数が絞られているいる方がいいのかも」と思う反面、「まだ、なにもイメージできていない時点で選択肢を絞られるのは残念だな」という気持ちにもなりました。もし、事前にインスタなどで着たいドレスが決まっていれば、契約していなかったかもしれません。
ドレスのほかには、
・引き出物を提携先以外で用意する場合は持ち込み料がかかる。
・「ファーストミート」を希望する場合、挙式直前となるのであまり時間をかけられない。
といった制約もありました。この時点では、さほど大きな問題には感じていませんでしたが、Instagramであれこれ吟味するようになった今では、「制限があると、素敵だなと思うものを見つけても諦めなきゃいけないのかな・・・・・・。結構、重要な話だったのかも」という気持ちが強まってきています。
Instagramを見ていると、とくにドレスはどんどん素敵なものが見つかって、やはり1軒だけで決めるのはもったいないと思うようになりました。せめてドレスだけでもブライダルフェアに行く前に目星を付けておいて、希望に近いものを選べるかどうか、確かめたうえで契約したらよかったと後悔しています。
2.見積りを見てもイメージ湧かない! ドレスや花の相場をチェックしておく
Instagramを見ていると、たとえばドレスの試着レポートでもレンタル料金が書いてあります。「#式場名」で検索すると、その式場で挙げたカップルがどんなものをいくらで購入したかまで書かれていたりするので、相場の感覚をつかむうえでおすすめです。
契約した当時の私は相場の感覚がまったくなかったので、見積りが出てきてもそれぞれのクオリティがどの程度で、高いのか安いのかもわかりませんでした。それでも「最終的には最初の見積りから100万円近く上がってしまう」といった情報を知っていたので、3軒目で担当してくれたスタッフさんには「上がるとしたらどういう項目ですか?」と尋ねてみると、
・ドレス
・装花
・ケーキ
といった項目が上がりました。
たとえば、見積りに書かれていたドレスの料金は25万円。だいたい、この式場の花嫁はいくらぐらいのドレスを選んでいるのか尋ねましたが「どんなドレスを選ぶかは、人それぞれなので一概に言えない」という返事で、まったくイメージが湧きません。装花も同じような回答でした。
また、見積りに組み込まれていたケーキは1段のシンプルなものでしたが、「ケーキカットのシーンはシャッターチャンスだし、写真映えを考えるとさびしいかも・・・・・・。フルーツでカラフルに飾りたい気もするけど、そうなるとどのぐらい上がるんだろう」と不安になってきました。
ドレスでもケーキでも、もし事前にインスタなどで調べて「こういうのがいいな」と見当をつけておけば、「このぐらいのレベルのものにしたい。それだといくらぐらいになりますか?」と具体的に聞くことができ、より、リアルな見積りをもらうことができたのではないかと思っています。
3.今決めなきゃダメなの? 営業スタイルやプランナーの人柄なども知っておく
Twitterで「#式場名(会社名) 評判」などと検索すると、どんな接客手法なのか、見学当日に契約を迫られるのか、といった書き込みが見られるので、事前に心の準備ができると思います。私たちの場合はノーチェックで見学にのぞんだせいで、楽しいどころか、すっかり疲れ果てる1日になってしまいました。2軒目の「森の中の小さな教会」を訪れた際、契約するまで露骨に引き留められているように感じたのです。
その日に契約を決めることはできない、結婚式場は納得いくまで見学したうえで決めたいと再三伝えても、「見学する会場の数は平均すると1.7軒というデータがある。おふたりは2軒目なので今が決め時」「これ以上見学しても迷って決められなくなりますよ」とまるでこちらの話を聞いてくれません。それどころか、最後には「なんでわからないんだ」といった態度で黙り込んでしまいました。こういった対応では、とても新郎新婦に寄り添ってよい提案をしてくれるとは思えませんでした。
さらに、見積りの出し方にも違和感がありました。挙式の希望月をあらかじめ伝えていたのですが、提示された見積り書に日程が入っていません。理由を聞いてみると、「ご希望の月は人気だからなかなか空きがない」と言います。そのうえ「今日契約を決めてくれたら、まったく同じ内容で80万円お値引きします」と、当日契約を迫ってきます。そう言われても、いつ挙げられるのかもわからないのに契約できるわけありませんよね。
あとからネットを調べてみると、強引な営業方法に苦言を呈している書き込みがありました。もし事前に式場の評判や見学時の対応などを知っていたら、こんなに疲れる思いをしなくても済んだし、そもそも見学にも行かなかったかもしれません。
4.招待するゲストは両親にも確認しておく
どんなゲストを何人招待するかは、両親にも確認しておいた方がいいと思います。
私たちの場合、「コロナ感染も不安だから親戚は関東在住の人だけにしよう」と彼とふたりで決め、ゲストは約40名という条件で会場と契約し、見積りも出してもらいました。ところがその後、両親に報告した際に「東北に住む父方の親せきも招待したい」と言われ、ゲスト数は10名ほど増えることになりました。
契約した会場は、パーティは近くのレストランで行うというスタイル。ゲスト数が60名以以上になると1棟丸ごと貸し切る必要があり、契約内容や日程、予算も大きく変わってしまう可能性がありました。
結婚式はふたりが主役ではありますが、同時に両家が縁を結ぶ儀式でもあります。幸い、私たちの式では大きな変更なくすすめることができましたが、両家顔合わせなどのタイミングで、招待する人や人数などを両親に確認しておくべきだったと反省しています。
5.日程は具体的に決めておく
彼の仕事は塾講師で、9~10月なら夏休みや冬休みの集中講習や受験シーズンと重ならず、比較的余裕があるため、結婚式を挙げるならこの時期にと、ある程度は決めていました。また、彼の休日は日曜と月曜で、なかなか有給休暇も取りづらそうにしているので、「結婚式を挙げるなら日曜かな」と私は勝手に思い込み、ひとりで訪れた1軒目では、日曜だけに絞って予定を出してもらっていました。
その後、日程について改めて話してみると「自分の仕事も9~10月なら有給休暇も取れる。ゲストのことを考えると土曜の午後の方が都合がいい」というのが彼の考えでした。
土曜の午後と日曜の午後では料金も変わってくるので、もし結婚式の予算に対するふたりの感覚がずれていたら、もめる原因になったかもしれません。日程はぼんやりとではなく具体的に決めておくことがおすすめです。
■ まとめ 会場の雰囲気だけでは決められない 人数や日程、予算なども具体的にイメージしておこう
ブライダルフェアに行く会場を選んでいるとき、私がチェックしていたのは、会場の雰囲気のみ。素敵な雰囲気の結婚式場に行けるということにワクワクして、デート気分で浮かれていました。
でも実際に行ってみると、ゲストの人数、日程、予算といった具体的なことをはっきりさせないと、なにもわからず、なにも決められないということを痛感しました。
また、華やかな雰囲気に飲まれた勢いで契約してしまうと、あとから「やりたいと思っていたことができない」といった問題が出てきたり、家族の意向とズレているためにキャンセルしなければならないなど、面倒なことになることもあると思います。
「結婚式はよくわからないから、式場が決まったらプランナーにいろいろ相談して決めていこう」などと思わずに、自分で調べられることは調べたうえでのぞんだほうが、ふたりが納得できる式場を選ぶことができるのではないでしょうか。