
ウェディングブーケは、花嫁のスタイルを完成させるために欠かせないものです。色や形が変わるだけで、第一印象が驚くほど変わる重要なスパイスといえるでしょう。この記事では、デザインの種類や相場など、ブーケを選ぶ前に知っておくべきこと、またブーケのトレンドや新郎とのバランスなど、ブーケを選ぶときに気をつけたいことまで紹介します。
■ 先輩花嫁はどの形を選んだ? 人気のブーケの種類は?
ウェディングブーケの人気デザイン1位はクラッチブーケでした。48.6%の人がこの形を選んだと回答しています。2位はオーソドックスなラウンドブーケ。クラッチブーケよりもわずかに少ない45.2%の人がラウンドブーケを選択したようです。続いて、キャスケードブーケ、リースブーケ、オーバルブーケの順となっています。
(「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」による)
それぞれのデザインと特徴を人気順にみていきましょう。
・【1位】クラッチブーケ

花をそのまま束ねたようなつくりこみ過ぎないラフさが、近年のナチュラル志向とマッチして一番人気のデザインです。カジュアルなイメージですが、花材を選べばクラシックにもモダンにも、どんなテイストも体現できる幅の広さが魅力です。
・【2位】ラウンドブーケ

土台に花を差し込み、丸い形になるようデザインされたベーシックなブーケです。ウェディングブーケといえばこの形を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。こちらも花の種類や色でどんなイメージにも合わせやすい、万能なデザインです。
・【3位】キャスケードブーケ

上から下に滝のように流れる縦長で流麗なデザインです。ロイヤルな雰囲気をまとい、正統派クラシックなスタイルを好む人に選ばれる傾向があります。応用デザインとして、真っすぐではなく三日月型に弧を描かせたクレッセントブーケがあります。
・【4位】リースブーケ

ドーナツ状に花を配し、終わりのない輪をかたどることで『永遠』を意味するウェディングにふさわしいデザインで、近年じわじわと人気上昇中の注目の形です。ナチュラルかつカジュアルな印象なので、リゾートや海外ウェディングによく映えます。
・【5位】オーバルブーケ

楕円形に花を組み合わせた、ラウンドよりボリュームのあるリッチなデザインです。その存在感と華やかさが花嫁姿をよりゴージャスに映し出し、抜群の写真映えを誇ります。豪華だけどふんわりした可愛らしさも欲しい、そんな人におすすめです。
・ハンギングブーケなど、その他のブーケ

ハンギングブーケは、ボール型やバッグ型、バスケット型など多様な形があり、その名の通り手から下げるように持つタイプのブーケです。ひと味違うキュートさを求める花嫁からの支持が高いようです。持ち手があるので、持っていて疲れにくいというメリットもあります。
そのほか、花びらを一枚一枚重ねて完成する、大輪の花をデザインした「メリアブーケ」や、手首につける小ぶりなタイプで、アクセサリー感覚で楽しめる「リストレット」があります。リストレットは、ブライズメイドとお揃いでつけるのも素敵ですね。
■ 生花と造花にはどんな違いがある?
・生花の魅力/鮮やかでみずみずしい質感やかぐわしい香り

生花でつくられるブーケは鮮やかでみずみずしい質感はもちろん、なんといってもかぐわしい香りが魅力。式やパーティのふとした瞬間に、ふわりと香りに包まれる幸せが味わえます。ただし生ものだけに、花材を指定しても季節やその日の仕入れによっては準備できないこともあります。
花材を限定せず、好みの色味やイメージをオーダー先に伝えておくのがよいでしょう。また、生花ブーケをドライ加工や押し花にして保存できるサービスもあるので、当日の思い出を長く楽しみたい人は下の記事もチェックしてみてくださいね。
>>アフターブーケで結婚式の思い出を形に。ドライフラワーや押し花など保存法の種類も紹介
・造花の魅力/季節関係なく好みの花を選べる
造花なら季節や仕入れを気にせず、好みの花を選べます。事前に仕上がりを確認できるので、実はこだわり花嫁にはおすすめの選択肢といえます。また、前撮りや後撮りを考えている場合、式当日と同じブーケで撮影を楽しめるという点も魅力です。
ひと口に造花といっても、材料や加工法はさまざまです。質感や色味・保存性の高さなど、それぞれに特徴がありますので、ここでは代表的な3つを紹介します。
【プリザーブドフラワー】

生花を特殊な技術で加工し、その柔らかな質感を残したまま長期保存を可能にしたもの。一度色を抜いてから再度着色するため、希望通りの色に染め上げることができます。一方で、ドレスに色移りする可能性がゼロではないのが玉にキズ。繊細な加工のため花そのものが壊れやすく、花の種類によっては加工できないものもあります。
【アートフラワー/アーティフィシャルフラワー】

布やプラスチックなど、人工的な材料からつくられる花。いわゆる造花と呼ばれているものはこちらを指すことがほとんど。近年、そのクオリティはとても高くなっており、高価格のものであれば少し離れて見るぶんには生花と区別がつかないものもあります。
最大のメリットは自然界に存在しない花をつくり出せること、大事に管理すれば半永久的に保存できること、またその丈夫さゆえの管理・持ち運びのしやすさです。
【ドライフラワー】

乾燥させることによって保存がきくようにしたもの。アンティーク感あふれるくすんだ色味が特徴的で、近年人気の摘んできた野花のような花材とよくマッチする加工方法です。レトロかつファンタジックな世界観にぴったりとはまります。水分が抜けているためとても軽いけれど、そのぶん衝撃や湿気・直射日光に弱く、保存環境によっては3〜6か月ほどで劣化する場合も。
造花ブーケについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>結婚式に造花ブーケをおすすめする6つの理由 値段の相場や式のあとの活用法を紹介
■ ブーケ選びのポイントは?
さて、自分に合うブーケを選ぶには、なにを基準にすればよいのでしょう? 選び方のポイントを「ドレス映え」「イメージ別」「ヘッドフラワーとの相性」「新郎ブートニアとのバランス」といった点から紹介していきますので、参考にしてみてくださいね。
・ドレス映えで選ぶ
ブーケを選ぶタイミングは、よほどブーケにこだわりがある場合をのぞき、ウェディングドレスが決まったあとです。実はドレスラインによって、ベストバランスのブーケも変わってきます。自分のドレスのラインからブーケの形を絞ってみましょう。
【Aライン】

もっともベーシックなラインでどんな雰囲気にも持っていきやすいので、どのタイプのブーケを選んでもしっくりとなじんでくれます。オールマイティなドレスなだけに、ラインは決め手になりにくいので、他の選び方も参考にしながら選ぶとよいでしょう。
【プリンセスライン/ベルライン】

ボリュームのあるスカートラインがふんわりとキュートなドレスは、可憐なイメージがつくりこみやすいブーケと好相性です。ラウンド・オーバル・ハンギング・リース・リストレットなどの形に淡いパステルカラーを組み合わせれば、フェミニンに仕上がります。
【スレンダーライン/マーメイドライン/エンパイアライン】

細身ですっきりした印象のドレスには、ナチュラルテイストのクラッチブーケや、ノーブルなメリアブーケがよく映えます。ドライフラワーなどで色味を抑えてまとめれば、リースブーケもナチュラルなラインと良いバランスに。大人っぽいマーメイドラインは、キャスケードブーケやクレッセントブーケがタテのラインを引き立ててくれます。
・好みのイメージやトレンドで選ぶ
スイート、クラシック、ナチュラルなど、どんなテイストのブーケにしたいのかを考えてみましょう。それによってブーケの形や選ぶべき花材の種類が変わってきます。まずは自分の理想のブーケをイメージすることからはじめてみましょう。
【甘めキュート】

ロマンティックで可愛らしいブーケをお好みなら、ラウンドやオーバルのころんとした形を選びましょう。ハンギングやリース、リストレットなどアクセサリー感覚のブーケでちょっと個性的なキュートさを演出する手も。基本のローズはもちろん、ラナンキュラスやチューリップ、ガーベラなど大きな花びらと丸いフォルムの花材がおすすめです。
【王道クラシック】

キャスケードやクレッセント、オーバルならノーブルでクラシックな美しさをもつブーケにぴったり。カサブランカやカラー、胡蝶蘭など大ぶりの花材をグリーンの中に大胆に配すことで、ボリューミーかつクラシックな雰囲気をつくり出せます。荘厳な教会や豪華なバンケットに映える、神々しい美しさを発揮してくれることでしょう。
【トレンドナチュラル】

近年のウェディングのトレンドは、かっちり完成されたスタイルよりもナチュラル志向。それに合わせた自然な風合いのブーケをイメージするなら、断然クラッチがおすすめです。ざっくり束ねたラフさと計算されたアンバランスなデザインが、トレンド感たっぷりの花嫁姿をかなえてくれます。
アジサイやカスミソウのような、ナチュラルかつ華やかな花材が注目度上昇中。プロテアや牡丹など印象的な大輪をアイキャッチにしたり、実やグリーンを多めに組み込むアイデアも魅力的です。
・ヘッドフラワーとの相性で選ぶ
花をヘッドアクセサリーとして使うことを考えているなら、最初にヘッドフラワーのイメージを決めてしまうのも一つの手。ヘッドフラワーとブーケはリンクさせてつくり込むことが多いので、自然とブーケのイメージも固まります。
【存在感ある大輪挿し】

一輪一輪の存在感が際立つダリアや百合、芍薬などをヘッドドレスに仕立てれば、豪華かつ凛とした表情の花嫁姿に。同じ花をメインに配したいブーケは、大きな花材に迫力負けしないようオーバルやキャスケードなどゴージャスなタイプを選びましょう。
【フェミニンな花冠】

無垢でファンタジックな花冠は、数種類の花にグリーンを足して編み込んだり、単一の花のみでシンプルにまとめたタイプなどがあります。いずれの場合もツルバラやカスミソウ、ミモザやスイートピーなど、繊細なラインを描く花を選ぶと幻想的な美しさに。ブーケは可愛らしいラウンドやナチュラルなクラッチでふんわりと、同花材をリンクさせてみましょう。ハンギングやリストレット、同じ円を描くリースとも相性良しです。
・新郎のブートニアとのバランスで選ぶ

ブートニアとは新郎がボタンホールに挿すミニブーケのこと。花嫁のブーケと新郎のブートニアは花材をお揃いにすることがほとんどなので、タキシードやフロックコートの色味やデザインも考慮して選びましょう。
万能色のホワイトならあまり心配する必要はありませんが、たとえばアースカラーの衣裳にはビビッドカラーよりもニュアンスカラーなどおさえた色味がグッドバランスです。見落としがちなリボンの色味もしっかりチェックしましょう。
■ ブーケの手配方法と費用の相場について

ブーケの準備は、ドレスや会場の装花が決まりはじめる時期、つまり結婚式の約3か月前にスタートするのが大まかな目安です。式全体の雰囲気とマッチングするよう検討して、約2か月前までには手配先を決め、約1か月前にはオーダーできると理想的。手配の方法はこの3つです。
1.式場提携のフローリストにオーダー
手間や時間をかけずに手配したい人は、結婚式場と提携している業者に依頼するのがよいでしょう。式場とのやり取りや式までのブーケ保管などすべておまかせできます。
2.自分で選んだフローリストにオーダー
大切な式にこだわりのブーケを用意したい人は、お気に入りのお花屋さんや憧れのフローリストなど、式場提携外の業者も検討してみましょう。手間や時間はかかりますが、自分好みの納得のいくブーケを手配することができます。
3.自分で手作り
結婚式のブーケは自分で手作りしてみたいという人は、造花でつくるのがおすすめです。事前に手作りブーケ教室などでレッスンを受けておくと安心です。準備は1週間から1か月前くらいを目安にはじめるようにしましょう。
2や3のように式場以外でブーケを手配する場合は、ブーケの「持ち込み」が可能かどうか、式場に確認しておきましょう。式場によっては「持ち込み料」がかかりますが、業者側で負担してくれるケースもあります。
自分でフローリストを探してみたい人はこちらをチェックしてみてください。
・費用はどれくらい? ブーケの相場
ブーケひとつの費用は3~5万円で、平均3.3万円。ブーケをふたつ以上用意する場合の平均は総額4.8万円です。式場提携外のフローリストや手作りを選んだ場合、平均よりも低予算で済んだ人が多いようです。
(「ゼクシィ結婚トレンド調査2021」による)
■ブーケは花嫁姿の印象を大きく左右する

ウェディングブーケはドレスに比べると“添え物"のように考えられがちですが、冒頭で触れたように実は花嫁姿の印象を大きく左右する大切なファクターです。ドレスを検討しはじめる時期から少しづつブーケのイメージを膨らませて、あなたの理想の花嫁姿をかなえてくださいね。