■ 誓いの言葉 構成について
誓いの言葉は「序文・本文・結び」を意識して組み立てましょう。定型文はありませんが、こうしたフレームを活用することで、まとまりのある文章に仕上がります。
ここでは、それぞれのパートで述べるべき言葉や、ポイントを紹介していきます。
・序文
誓いの言葉の「序文」は、ふたりからゲストへの挨拶をイメージしましょう。
たとえば「本日、私たちはお越しくださった皆様の前で、夫婦になることを誓います」など、フォーマルな印象を与える言葉がおすすめです。
ふたりのイメージする結婚式がカジュアルウエディングでも、序文からくだけた雰囲気にするのはNGです。参列してくれたゲストに対して感謝し敬意を払うためにも、ある程度カチッとした言葉を選びましょう。
・本文
誓いの言葉の「本文」は、ふたりが夫婦になるうえで大切にすることを述べるパート。もっともオリジナリティを出せる部分です。
自由度が高いぶん、内容に悩んでしまうカップルも少なくありません。
悩んだら、結婚式を「どのような雰囲気にしたいか」をポイントに、言葉を選んでみましょう。たとえば、以下のとおり。
フォーマル
新郎○○は、新婦△△さんを妻とし、生涯愛し続けることを誓います。
新婦△△は、新郎○○さんを夫とし、生涯支え続けることを誓います。
教会式と同じようなオーソドックスな言葉を選ぶと引き締まります。
カジュアル
新郎○○は、新婦△△さんのことを大切にし、もし怒らせてしまったときはごめんねの言葉とともに、お詫びのケーキを買って帰るようにします。
新婦△△は、新郎○○さんのお酒好きを理解し、飲み会に行っても1ヵ月に1回だけなら終電帰りを許します。
クスっと笑えるような、ふたりらしさを感じられる言葉を選ぶと、場が和みます。
・結び
誓いの言葉の「結び」は、「まとめ」パート。結婚の立会人であるゲスト全員に向けて、どのような家庭を築きたいのか決意表明しましょう。
フォーマル
新郎○○と新婦△△は、いかなるときも助け合い、笑顔のあふれる温かい家庭を築くことを誓います。
カジュアル
私たちは、喜びはふたりで2倍に、悲しみは半分に分け合えるような、笑顔でいっぱいの家庭を築くことを誓います。
「フォーマル」も「カジュアル」も、意味はほぼ同じですが、言葉のチョイスが違えば雰囲気がガラリと変わります。
カジュアルにしたい場合は、「口語」と呼ばれる話し言葉を意識してみましょう。自分たちの呼び方も「新郎○○、新婦△△」ではなく、「私たち」やふたりのファーストネームにしたりするのも◎。
文末には必ずふたりの名前と、結婚式の日付を入れるようにしましょう。
■ 誓いの言葉 文例集
誓いの言葉のパターンは大きく分けて以下の3つ。
1.新郎新婦がふたり一緒に読み上げるパターン
2.新郎新婦がそれぞれに誓うパターン
3.ゲストに「誓いますか?」と問いかけてもらうパターン
ここから、文例を紹介していきます。
・冒頭例文
私たちは、○○○○年○月○日に無事入籍を済ませ、夫婦としての新生活をはじめています。本日はみなさまの前で結婚式を挙げられることに感謝し、ここに夫婦の誓いをいたします。
すでに入籍済みや新生活をスタートしているカップルは、最初にこうしたひと言を添えることで、近況報告も兼ねられます。
・新郎新婦のふたりで読み上げるパターン
例文①「表現を崩しすぎずシンプルに」
本日、私たちはご列席くださった皆様の前で夫婦の誓いをいたします。
まだまだ未熟なふたりではありますが、これからもまわりの人に感謝し、
お互いをいたわり大切にしていくことを誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
ふたりの理想の夫婦像をシンプルにまとめた誓いの言葉。くだけた表現を避け、スッキリとまとめることでセレモニーの厳かさを保つことができます。ただし、言葉遣いなどに気を取られ過ぎると、形式的な印象を与えてしまうので、理想の夫婦や家庭をふたりで話し合い、しっくりくる言葉を探しましょう。
例文②「とことん真面目に!」
本日、私たちは皆様の前で人前結婚式を挙げ、夫婦となります。
これからは互いに心を一つにして助け合い、
深い愛情と誠実さをもって
生涯変わらず円満な家庭を築くことを皆様に誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
ゲストへの礼儀を大事にしたいと考えるふたりなら、真面目に向き合っていることが伝わるような言葉を選びましょう。愛情・誠実・助け合いなどの夫婦に欠かせないフレーズを入れることで、フォーマルにまとまります。挙式は厳かに、披露宴ではカジュアルにといった、メリハリを重視したいふたりにもおすすめです。
例文③「日常生活で大切にしたいことを宣言」
本日はみなさまの前で結婚式を挙げられることに感謝し、ここに夫婦の誓いをいたします。
1.相手のいちばんの理解者でいます。
2.ケンカは次の日に持ち越しません。
3.お互いの両親を大切にします。
4.記念日はふたりで食事をして過ごします。
5.笑顔の絶えない家庭を築きます。
この誓いを守り、お互いを一生愛し続けることをここに誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
結婚後の日常生活のなかで大切にしたいことを宣言するスタイル。ふたりのライフスタイルや価値観が垣間見えるので、ゲストにも親近感を持ってもらえるのではないでしょうか。「例文①」と比べると、フォーマルすぎず和やかな雰囲気になります。
例文④「ふたりらしい表現でほっこり」
本日私たちは、みなさまの前で結婚の誓いをいたします。
私たちはいかなる時も、美味しい食事に感謝し、
いかなる時も、笑顔を絶やしません。
楽しいことは人一倍楽しみ、あわてずのんびり、
たとえ面倒でもふたりで協力して、
いつまでも仲良く過ごすことを誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
ふたりの人柄がにじみ出るような誓いのスタイル。ふたりらしい表現に、ゲストにもほっこりしてもらえるかもしれません。「誓いの言葉なんて恥ずかしい」と思うふたりにおすすめです。
・新郎新婦がお互いパートを設けるパターン
例文⑤「それぞれの新生活における目標」
(ふたりで)
本日はみなさまの前で結婚式を挙げられることを挙げることができ、私たちはとても幸せです。
(新郎)
私、新郎○○は趣味のギターに没頭するあまり、何時間も弾き続けてしまうことがありますが、これからは、晩御飯を食べて寝るまでのあいだは新婦○○さんと過ごすようにして、夫婦のコミュニケーションを大切にします。
(新婦)
私、新婦○○は自分の気持ちを上手く言葉にできず、新郎○○さんが「わかってくれない」と落ち込んでしまうことがありますが、これからは、自分の気持ちを伝える努力をして、お互いを分かり合える夫婦になります。
(ふたりで)
私たち夫婦は、明るく穏やかな家庭にしていけるよう、いつもお互いの気持ちに寄り添うことを誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
新郎新婦それぞれに新生活で気をつけたいこと、努力目標などを宣言するスタイル。自然な流れでそれぞれのキャラクターや人柄が伝わるので、新郎新婦の片方しか知らないゲストに「相手の人はこういう人なのか」と知ってもらうこともできます。
例文⑥「相手の好きなところを告白」
(ふたりで)
本日、私たちは皆様の前で結婚の誓いをいたします。
(新郎)
私は、○○さんの太陽のように明るい性格と笑顔が大好きです。
これからは私がいつも○○さんのいちばんの味方となり、守っていくことを誓います。
(新婦)
私が落ち込んでいるときに、優しく寄り添ってくれる○○さんが大好きです。
これからは私が○○さんのいちばんの理解者となり支えていくことを誓います。
(ふたりで)
わたしたち夫婦は、これからどんなときも力を合わせ、笑顔あふれる家庭を築くことをここに誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
新郎新婦それぞれ、相手のどこに惹かれているかを告白。それぞれのゲストが「(彼 or 彼女を)深く理解しているな」「普段は見せない一面を見せられるほど心を許しているのだな」など、新郎新婦の絆の深さを感じ取れるので、心からふたりの結婚を承認したい気持ちになってもらえるのではないでしょうか。
例文⑦「ふたりの名前であいうえお作文」
(ふたりで)
本日私たちは、両親につけてもらった名前をもとに、みなさまの前で結婚の誓いをいたします。
(新郎)
「か」家族の時間を大切にします
「つ」常に感謝の気持ちを忘れません
「し」幸せと喜びをふたりで共有し楽しい家庭を築きます
(新婦)
「あ」愛情表現を欠かしません
「お」美味しいご飯を毎日作ります
「い」いつまでも仲良しのふたりでいます
(ふたりで)
私たちはこの誓いを心にきざみ、いつまでもお互いを大切にできる夫婦になることを、ここに誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
ふたりの名前の頭文字を用いて、あいうえお作文で仕上げたもの。両親につけてもらった名前を誓いの言葉に起用することで、家族愛も感じられます。自分たちの名前をもじってあるため記憶に残りやすく、何年経っても誓いの内容を思い出せるかもしれません。
例文⑧「それぞれの両親に感謝を伝える」
(ふたりで)
私たちは、本日みなさまの前で結婚式を挙げられることに感謝し、ここに結婚の誓いをいたします。
(新郎)
△△さんのお父さん・お母さん、僕は笑顔の素敵な△△さんと出会えて幸せです。おふたりが大切に育ててこられた△△さんを、一生幸せにすることを誓います。
(新婦)
○○さんのお父さん・お母さん、私は優しさであふれる○○さんに惹かれました。おふたりが愛情を注いでこられた○○さんを大切にし、支えていくことを誓います。
(ふたりで)
私たちは夫婦となり、お父さんとお母さんのような幸せな家庭を築くことを、ここに誓います。
○○○○年○月○日 新郎○○ 新婦○○
それぞれの両親に想いを伝える点で、どこか気恥ずかしさを感じる人もいるかもしれません。でも、ふたりから感謝のメッセージとともに誓いを伝えられる両親は、きっと嬉しいはず。両親に対する誓いの言葉は、両家の絆を深めるものになるはずです。
・ゲストに協力してもらうパターン
教会式では牧師さんに誓いの言葉を問いかけてもらいますが、人前式ではその役割を友人や両親などにお願いすることもできます。
例文⑨「キューピッド役の友人に誓いを促してもらう」
(ゲスト)
○○さん、あなたはこれから新婦○○さんに寄り添い、どんな時も笑顔にし続けることを誓いますか?
(新郎)
はい、誓います。
(ゲスト)
○○さん、あなたはこれから新郎○○さんを支え、どんな時も味方であり続けることを誓いますか?
(新婦)
はい、誓います。
(ゲスト)
それではおふたりに伺います。
本日、おふたりは皆様に見守られて夫婦となりました。今日という日を忘れず、おふたりで笑顔溢れる幸せな家庭を築くことを誓いますか?
(ふたりで)
はい、誓います。
たとえば、ふたりの仲を取り持ってくれたキューピッド役がいる、カップルぐるみで仲良くしていた友人がいるといったケースにぴったりのスタイル。ふたりが交際スタートして結婚に至るまでの道のりをよく知る友人に問いかけられたら、より引き締まった気持ちで「はい」と宣誓しましょう。
例文⑩「両親の問いかけで子を送り出す親心を実感」
(新婦親)
○○君、新婦○○は甘えん坊なところがありますが、それでも一生愛し守ってくれることを誓いますか?
(新郎)
はい、誓います。
(新郎親)
○○さん、新郎○○は仕事ばかりで家事が得意ではないところがありますが、それでも一生愛し支えてくれることを誓いますか?
(新婦)
はい、誓います。
(新婦親)
ふたりに伺います。これから先、どんなときもふたりで支え合い、笑顔溢れる幸せな家庭を築くことを誓いますか?
(ふたりで)
はい、誓います。
(新郎親)
本日、ふたりが夫婦となることを認めます。
両親はゲストのなかでも、ふたりの結婚をもっとも感慨深く思っています。誓いの言葉を問いかけてもらうにはぴったりの人選かもしれません。ふたりを「こういう子です」と紹介してもらうにしても説得力があり、ほかのゲストにも子どもを送り出す親心が伝わるでしょう。
■ 自分自身に向き合い、ゲストが祝福したくなるような言葉を考えよう
人前式というと、カジュアルな雰囲気に目がいきがちで、誓いの言葉も「おもしろい」「盛り上がる」ことをポイントに考える人もいます。でも、本来の目的は、ふたりのために集まってくれたゲストの前で結婚の誓いを立てること。
自虐ネタのつもりで「お酒やタバコがやめられない」「家事ができない」といったフレーズを入れたために、「結婚してから苦労しないか」などとゲストを不安な気持ちにさせてしまうかもしれません。もちろん過去の恋愛や病気、失敗などのネタはNG。友人に誓いの言葉を考えてもらう場合も事前に見せてもらい、ウェディングプランナーに添削をお願いしても良いでしょう。
ゲストが心からふたりの結婚を祝福したくなるような誓いの言葉を考えてみましょう。そうすることで、なぜパートナーと結婚したいのか、どのような家庭を築きたいのか、再確認することができるでしょう。
人前式の流れ、誓いの言葉や結婚証明書など人前式に必要な準備については、YouTube「はなよめになるちゃんねる。」でも紹介しています。
ぜひ、参考にしてみてください。