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ウェディングドレスの試着は結婚式準備のなかでも楽しいイベントのひとつですが、普段着るものではないので、どんなデザインが好みなのか、なにを着ればいいかわからないという人も多いのではないでしょうか。小見川真由子さんもプレ花嫁になるまでは、ドレスブランドなんてひとつも知りませんでした。そんな真由子さんはどのようにして運命のマイドレスに出合えたのか。試着するときに押さえた3つのポイントを紹介します。
■ ディズニーリゾート近くのホテルでプリンセスのような花嫁に
「ディズニーの世界観が好きで、結婚式もディズニーリゾートからほど近い舞浜のホテルを選びました。思い描いていた花嫁姿は、実写映画のシンデレラ。おとぎ話に出てくるプリンセスのようなドレスに憧れていました」という卒花の真由子さん。
彼女がどんなドレスを選んだのか、まずは運命の「マイドレス」を紹介しましょう。
ウェディングドレスはレースが素肌に直に乗っているようなデザイン。スポットライトなどがあたるとチュールに織り込まれたラメがキラキラと輝く、ホテルウェディングにぴったりな1着です。ボレロを脱ぐとビスチェタイプにもなる2wayタイプで、挙式ではビスチェにベール、披露宴ではボレロを羽織ってベールを外し、ヘアスタイルもチェンジして、印象の変化を楽しむことができました。
実はこのドレスは、いちばん最初に試着した1着。レースの袖がついていて露出控えめ、上品な雰囲気のドレスは、キャサリン妃のようなロイヤルウェディングに憧れていた真由子さんのイメージにぴったりでした。
カラードレスはKIYOKO HATA(キヨコハタ)×marry(マリー)のコラボレーションによる「マーブルドレス」。水彩画を思わせる淡いピンクとブルーで天然石のマーブル模様を表現した1着。2色使いだけでなく、素材もサテンとチュールがミックスになっていて、見る角度によって異なる表情を楽しめます。
最初に思い描いていたカラードレスは、実写映画「シンデレラ」のDVDジャケットにも使われているブルーのドレス。試着もブルー系を中心に選んでいましたが、このドレスを着た瞬間、「顔がパッと明るくなったかも! コレだ!」とピンときたそうです。
真由子さんがドレス選びをスタートしたのは、結婚式の約8ヵ月前。ドレスのブランド名も、自分にどんなドレスが似合うのかも見当がつかないという状態でした。そのため、まずは花嫁アカウントをつくって、どんなドレスが着たいのか、似合いそうなのかをインスタグラムで情報収集しながら、試着を進めていったそうです。
運命の「マイドレス」にたどり着くまでに、訪ねたドレスショップは4、5店。試着したのはウェディングドレス17着、カラードレス24着にのぼります。たくさんのドレスを試着するなかで、どのようにしてぴったりのドレスに出合えたのか、プロセスを見ていきましょう。
■ ポイント1 顔映りがパッと明るくなる瞬間を見逃さない
ドレスを選ぶうえで重要な判断基準になったのは、試着に行きはじめる前に受けたカラー診断と骨格診断でした。
とくにカラー診断では、合わせる色によって自分の顔映りがパッと明るくなる瞬間があることに気が付くことができ、それが後々、「マイドレス」かどうかを判断するうえで大きな基準にもなっていきます。
真由子さんの診断結果は、カラータイプが「ブルーベースのサマータイプ」、骨格タイプは「ストレート寄りのウェーブ」。
「カラー診断では、日頃から気に入っているブルーは似合う色のひとつ、骨格診断ではVネックやビスチェなど上半身がスッキリしているデザインが似合うと言われました。憧れていた実写映画「シンデレラ」やキャサリン妃のようなVネックのドレスなど、自分の好みと似合うドレスがズレていないと確信できたこともよかったですね」(真由子さん)
この診断を受けたのは、インスタグラムがきっかけ。カラーコーディネーターとドレスデザイナーが共同でカラー診断と骨格診断のワークショップを開催しているという情報を見つけて、申し込みました。「花嫁応援企画」というイベントで1万円以下とおトクに診断してもらうことができたそうです。
■ ポイント2 提携以外のドレスショップもまわってみる 3つのショップでの試着体験レポート
では、真由子さんがウェディングドレスの試着をどのように楽しみ、「着たい」と思うドレスがどんな風に変わっていったのでしょうか。最初に試着に訪れたのは、結婚式を挙げるホテルに併設されているドレスショップ「クチュールナオコウエディング」。
ウェディングドレスは、ロイヤルウェディングのイメージから「袖のあるボレロがついている」「トレーンが長い」といった希望を伝え、試着するドレスをピックアップしてもらいました。
骨格診断で受けたアドバイスを生かして、袖付きでも上半身のデザインはコンパクトなものを試着。2回目の試着で、動くたびにスカートのラメがキラキラ光るドレスに出合い、ほぼ決められる状態になりました。
カラードレスはシンデレラのイメージに近いブルー系やディズニープリンセスをイメージしたドレスなどを試着。「上半身はすっきり」という骨格診断のアドバイスには少々そぐわなかったものの、オフショルダーやパフスリーブなど、ロマンティックな雰囲気のデザインにも惹かれていきました。
さらに、インスタで見ていて前々から着てみたかったドレスの試着を希望したところ、東京の銀座や青山の系列店舗を紹介されたのですが、試着予約できるのは1ヵ月半後とのこと。
そこで、予約を待つあいだにホテルの提携外のショップにも足を運んでみることにしました。結果的には、ウェディングドレスもカラードレスも「クチュールナオコウェディング」で決めましたが、たくさんのドレスショップを見てまわったことで「いちばんしっくりくるのはコレだ」と確信を持つことができたそうです。
ウェディングドレスは普段着るものではないだけに、1着や2着で「運命」かどうかを判断できる人は少ないのではないでしょうか。真由子さんのように、いくつものショップでたくさん試着してみて、それでも「コレしかない!」と思えたからこそ、「運命」だという確信を持てるものでしょう。このように、さまざまな可能性を求めて、3軒、4軒とドレスショップを訪ねるのも、「運命」に出合うための重要なポイントだと言えます。
ーTHE HANY(ザハニー)ー シンデレラブルーよりピンクの方がテンション上がる!
実写映画「シンデレラ」のイメージからブルー系のドレスを探していましたが、試着を重ねるうちに「着てみてテンション上がるのはピンクや紫だ!」と気がついたそうです。
そこに気づかせててくれた象徴とも言えるのが、全身にスパンコールが散りばめられた「ピンクハナビ」というドレス。動くたびにキラキラと光る特徴的なデザインに心奪われたことに加え、少し青みがかったピンク色が顔映りをよく見せてくれると感じました。
「考えてみると、ブルーやネイビーは普段の服装にも取り入れがちな色みなので、意外性が感じられなかったのかもしれません。カラー診断でもクリアな明るい色を合わせると肌がパッと明るく見えたので、ピンクハナビの色みは自分に合っていたのではないかと思います」(真由子さん)
ー山田屋東京店ー 憧れブランドにテンション上がる。でも・・・
ここでは、主にインスタでも憧れブランドとして注目度の高い「アントニオリーヴァ」を試着しました。インスタでフォローしている花嫁の投稿でもよく見かけていた「イジィデ」「シビッラ」「マリアガブリエッラ」「マリアーナ」など、人気ドレスに袖を通すことができ、心が弾んだと言います。
でも試着してみて、鏡に映った姿を見て考え直したそうです。「試着したのはオーガンジーやサテンなどの柔らかい素材が多く、自分にはもう少しパリッとした生地の方が似合うような気がしました。有名ブランドは『インスタで見ていたあの花嫁さんも着ていたものだ!』とテンションが上がるのですが、似合うかどうかはまた別の話なんだなって。自分に似合うものの研究になったと思います」(真由子さん)
ここでは、ウェディングドレスで試着した「シビッラ」の色違いでくすみブルーも試着。シンデレラのイメージにも近く、むしろこのドレスを目当てに来店したほどでしたが、「あまり顔映りよくないかな」といった印象。ここでも「くすみカラーは似合わないのかも」と発見ができたと言います。
ー再び「クチュールナオコウェディング」ー このコーディネーターさんでなきゃイヤだ!
様々なドレスショップを回ったあと、もう一度ホテル内のドレスショップ「クチュールナオコウェディング」へ。
インスタで気になっていたドレスや、たくさんの試着を通して再発見した自分の好みなどを伝え、何着かピックアップしてもらいました。
最終的に選んだドレスは、着た瞬間に顔がパッと明るくなった気がしました。バックリボンは縦に結ぶこともできるとのこと。ドレス選びをスタートする前に受けた骨格診断で、「縦リボンが似合う」と言われていたことも思い出し、「運命のドレス、コレなんじゃない!?」と確信できました。
THE HANYの「ピンクハナビ」のようにキラキラなドレスも用意してもらっていましたが、このドレスを着たあとでは「このカラーならキラキラよりも顔が明るく見える!」と思えました。
気になっていたオフショルダーも試着してみましたが、決定したビスチェタイプのドレスと比べると顔回りがすっきりしない印象。「骨格診断でアドバイスされた通りだった」と納得できました。
「色々なドレスショップを見てまわりましたが、最終的には提携のショップで決めたいという気持ちはありました。試着や小物合わせに行くと、『ディズニーのアトラクションはどれが好き』『コロナで外出できないけどストレス抱えていない?』『私(コーディネーター)が結婚式を挙げたときはこんなことが大変だったけど、真由子さんはどう?』など姉のような感覚でカジュアルに会話できるのが楽しくて、『このコーディネーターさんでなければイヤだ』と思うほどになっていたんです。BGMまでディズニー音楽だったこともあって(笑)、ドレスショップに通うのがすごく楽しかったです!」(真由子さん)
■ ポイント3 似合う・似合わないはズバリ指摘してもらう
真由子さんが提携ショップのコーディネーターを信頼していたのは、似合う・似合わないをはっきり意見してくれたことも大きかったと言います。「これは上半身のデザインがちょっと盛り過ぎかな」「このドレスの雰囲気は合っているけど、同じ雰囲気ならさっき着た方がよかった」など、的確にアドバイスしてくれたそうです。
山田屋東京店のコーディネーターも同じようにアドバイスしてくれました。
シンデレラを思わせるくすみブルーのドレスを着てみて「ちょっと違うかな」と思っていたところへ、「クリスマス(挙式予定の12月)に合わせて赤いドレスはいかがですか?」という提案。さらに「赤の方が断然、お似合いです」とも。「さっきより顔映りいいかも」という自分の感覚に確信を持つことができました。
「ドレスは着慣れないものだからこそ、似合う・似合わないをはっきり言ってもらえるとありがたいですね。試着では自分が着たいものを中心に着せてもらっていますが、『なんか違うけど、なにが違うんだろう?』と思うこともあります。そこをはっきり指摘してもらえると、この人なら信頼できると思えます」(真由子さん)
■ インスタやショップの世界観など ドレス選びを満喫しよう
ウェディングドレス選びは、結婚式準備のなかでも花嫁がもっとも楽しめるイベントのひとつ。もちろん、ショップに足を運んで試着できるのは大きな楽しみですが、真由子さんはインスタグラムやピンタレストといったアプリを利用して、自分に似合うドレスが絞り込まれていくプロセスも楽しかったと言います。
「色々な投稿を見ていると、自分の好みと近いと思える人も出てきます。そのなかでも『この人にはすっきりしたシルエットの方が似合っているな』『でも私は少し違うかも』など、自分の好みや似合うデザインが、どんどん整理されていく感覚が楽しかったです。通勤電車の中でも、色々なドレスやそれが似合う人を見ているだけでもワクワクできました」(真由子さん)
試着でショップを訪れると、実際にドレスを着られることだけでなく、世界観を感じ取れるのも楽しみのひとつ。
真由子さんが感動したドレスショップのひとつが「ヴェラウォン」。なによりも目を引いたのは、ディスプレイされているドレスの美しさでした。ラックにかかった状態でもデザインのディテールがわかるほど、1着ずつ余裕を持って並んでいて、それぞれのドレスがもつ雰囲気を存分に感じ取ることができました。そのほか、内装やハンガーまで黒で統一されている様子から高級感も伝わったといいます。
「品揃えがインポートブランド中心の山田屋さんは、アクセサリーも『エリザベスバウアー』などの海外ブランドで揃えてあったり、色とりどりのかわいいドレスが多いTHE HANYさんはコーディネーターさんの制服までかわいいデザインでした。ドレスショップがつくり出している非日常空間に浸れるのも楽しみのひとつですね」(真由子さん)
■ ドレスに見合うように自分を磨くプロセスもドレス選びの醍醐味
非日常感のあるドレスショップや美しいドレスに触れるたびに、自分自身の美容に対する感度が磨かれていく実感もあったと言います。
「試着すると、普段見えない背中などにもおのずと目がいくなど、自分の体型がいつも以上に気になるのでダイエットしたいと思うようになりました。1年弱でさほど無理することなく5㎏ほど落とすことができました。体重・体型だけでなく、メイク落としなど普段使っているスキンケアにも気を遣うようになったり、サプリメントを飲むようにするなど、美容全体に対する意識が高まっていきました」(真由子さん)
このように美しいドレスは花嫁を一層磨いてくれる存在でもあります。運命の1着に出合えたら、自分自身もそれに見合うように美しくなりたいと努力することで、毎日、鏡に向かうのが楽しみになる、そんなプロセスもドレス選びの醍醐味ではないでしょうか。