GOOD WEDDING  File No.2 
ゲストとの絆が深まる新郎スピーチ
結婚式準備
プロのアドバイス

GOOD WEDDING  File No.2
ゲストとの絆が深まる新郎スピーチ

2020.09.30 2020.09.30

結婚式に集まるゲストの期待とは何でしょうか?おいしい料理、楽しい余興、それも期待の1つかもしれません。でも、お2人と心の通じ合った親しい方々なら「私の娘・息子(親戚、親友、同僚・部下)は、この結婚で本当に幸せになれるのだろうか?」などと、ふたりの人生の大きな節目を見届けて安心したいという期待も大きいのではないでしょうか。

そこでおススメしたいのは、ふたりの新生活に対する覚悟やゲストに対する感謝を真剣に伝える時間を設けること。中には「照れくさい」「自分達の気持ちなんて、ゲストは聞きたいの?」など否定的な方もいるかもしれませんが、親しいゲストほど、ふたりの口から幸せになる覚悟や決意を聞きたいと思っているはずです。

今回は、勇気を出して本音を語った新郎のエピソード。ふたりの真心をどう伝えればいいか、どんな準備をすればいいか、伝えることで結婚式がどんな雰囲気になるのかをご紹介します。

目次

  1. 親しいゲストほどふたりの覚悟を聞きたい
  2. 伝えたい言葉が溢れ出してくる2つのポイント
  3. 新郎の辛い告白にゲストが贈ったエール
  4. ずっとしんみりしている必要はない
  5. mayuさん

親しいゲストほど ふたりの覚悟を聞きたい

「ゲストの方々に、おふたりがどんな風に感謝しているのか、これからどんな家庭を築きたいのか、「よろしくお願いします」という真心を込めてスピーチする時間を設けることをおススメします」

こう語るのはウェディングプランナーのmayuさん。結婚式は、これまでお世話になったゲストに感謝を伝えると同時に、「これからもよろしくお願いします」という気持ちを伝える場でもあります。そのため、おもてなしするだけでなく、ふたりのゲストに対する感謝の気持ちや新生活への覚悟や決意などを、真剣に伝える時間が不可欠だと言います。
 特に、家族や親戚、親友など、おふたりにとって身近なゲストほど、ふたりの大切な節目を見届けたいという気持ちで参列しているので、本人の口から「幸せになります」という決意を聞きたいと思っているものです。

ポイントは、ふざけず真剣に伝えること。ベストなタイミングは、お開き直前の謝辞、人前式の場合は挙式の締めくくりなど、「ワイワイムード」ではなく「しんみりムード」のシーン。ウェディングプランナーなどと相談して落ち着いたシーン作りを心がけましょう。

伝えたい言葉が溢れ出してくる 2つのポイント

両親に幼い頃のエピソードを聞いてみよう
両親に幼い頃のエピソードを聞いてみよう

ただ、「真剣に感謝や覚悟を伝えると言われても、どうやって・・・?」と戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。普段、お調子者キャラだったりすると余計、照れくさかったりもするでしょう。
 そんな方におススメのアクションは2つ。

1つは、両親に話を聞くこと。一人暮らしや同棲中のお2人も、プロフィールムービーに入れる写真を探すなど、実家に帰ったりするのではないでしょうか。そんなタイミングで「これってどういう写真だったっけ?」などと聞いてみると、思い出話に花が咲いて、自分がいかに両親や家族の愛情に恵まれて育ったか、親戚や友人に支えられてきたかを実感できると思います。その実感こそ、結婚式当日、ゲストの胸に届く言葉のヒントになります。
2つ目は、20年、30年後もつながり続けていたい人をゲストとしてリストアップすること。数十年後も支え合いたいと思える相手は、これまで共に過ごした時間も濃密なものに違いありません。そうしたゲストを厳選して招待することで、伝えたい言葉も自ずと溢れだしてくるのではないでしょうか。

以下のエピソードは、このアドバイスを象徴する内容です。

新郎の辛い告白に ゲストが贈ったエール

父の急逝で一時は結婚式を諦めようとしたことも
父の急逝で一時は結婚式を諦めようとしたことも

「実は、結婚式は中止にしようと思っていました・・・」
これは、お開き直前の新郎謝辞の第一声。一日中、笑顔で過ごしていた新郎が真剣な顔つきになり、なかなか次の言葉を継げずにいる様子に、会場内は水を打ったように静まり返りました。
結婚式の中止を検討していた理由は、新郎父の急逝。癌が発覚して約3ヵ月というあっという間のできごとに、大きなショックを受けたこと、また会社経営者だった父の跡を突然、継ぐことになったプレッシャーに押しつぶされそうになり、うつ病にもかかってしまった。さらに父の喪が明けるまで、笑顔あふれる結婚式なんて到底、考えられない、そんな理由で結婚式を諦めようとしていたのです。

この考えを変えたのは、父の遺品整理で出てきた手帳。結婚式の予定日には、赤い二重丸で印が付けられ「結婚式には絶対出席できるように頑張るが、もし、自分がいなくても結婚式は絶対に挙げてほしい、笑っていてほしい、それが願いだ」と書かれていたのです。

「母と一緒にこの手帳を見て、こんなに楽しみにしてくれていた父のためにも結婚式はちゃんと挙げようと決めました。これまで支えてくださった皆様に対しても、一人ひとりに自分の言葉でお礼を伝える、それが父に対する供養にもなると思いました。今日のコンセプトは「笑顔あふれる結婚式」だったのに、ぼろ泣きしてごめんなさい・・・」

普段は、明るく愛されキャラの新郎が男泣きしながら語る姿に、ゲストからは「新郎!大丈夫だよ!」などとエールが飛び交い、温かい雰囲気に包まれました。

ずっとしんみりしている必要はない

真剣なシーンは10分で構わない

とはいえ、当初は「涙のシーンはいらない」「1日中、笑顔で過ごしたい」と言っていた2人。この約10分間のスピーチ以外は、コンセプト通り、笑顔あふれるパーティとなりました。たとえば、お酒好きのゲストに向けて、ウェルカムスペースには「瓶ビールブース」を用意したり、テーブルラウンドで撮影や会話を楽しんだり、ガーデンでのデザートブッフェで新郎新婦自ら、ゲストにデザートをサーブしたり、あちこちで会話が飛び交う明るい雰囲気が広がりました。

「最近は、このお2人のように「涙はいらない」「堅苦しい挨拶もいらない」とおっしゃる新郎新婦も多いですが、単に楽しいだけではなく、真面目に気持ちを伝えるシーンも必要だと思います。もちろん、ずっとしんみりしている必要はなく、10分で構わないので真剣に気持ちを伝える時間をつくる、それこそが結婚式を挙げる理由なのではないかと思わされたのが、このエピソードですね。ただワイワイ過ごすだけでなく、日頃は照れくさくて言えない本音を伝えられるのも結婚式の意義だと思います」(mayuさん)

mayuさん

約8年間、ゲストハウスのウェディングプランナーとして1200組以上の結婚式を担当。おススメの結婚式は開放感のあるガーデンパーティ。