GOOD WEDDING FileNo.5
結婚に反対の両親を式に招待する方法
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GOOD WEDDING FileNo.5
結婚に反対の両親を式に招待する方法

2021.01.07 2021.01.07

「2人の結婚には賛成できない」
もし両親からそんな言葉が飛び出したら、困ったり、怒りを感じたりするのではないでしょうか。結婚式を挙げるにしても、怒りにまかせて「両親には出席してもらわなくて構わない!」と、そのまま疎遠になってしまう可能性もあるかもしれません。ウェディングプランナーのkanakoさんは「反対されているなら、なおさら、なんとか説得して結婚式に出席してもらいましょう」と言います。結婚式は親子の衝突をどのようにほぐしてくれるのか、実話を紹介します。

目次

  1. ■出席さえすれば反対していても祝福してくれる
  2. ■年の差と授かり婚が高いハードルに
  3. ■ドレス選びも全て新郎1人で準備する
  4. ■LINEを使ってリモートでドレス選び
  5. ■父と娘の「ラストダンス」に会場中が涙
  6. kanakoさん

■ 出席さえすれば反対していても祝福してくれる

出席さえすれば反対していても祝福してくれる
特別なことはしなくても結婚式の魔法が心をとかす

「結婚式はご両親のために挙げる、そのために準備も頑張っていると説得しましょうよ!」
ウェディングプランナーのkanakoさんは、2人の結婚に両親が反対しているというカップルに、こうアドバイスしています。

新郎新婦は「反対している両親なんて、結婚式に出席してもムードを壊すだろう」と考えたり、「なぜ分かってくれないんだ」といった怒りから、両親の説得をためらうケースも多いそうですが、kanakoさんにはプランナー歴7年の経験から、結婚式当日になれば、必ず、両親も祝福してくれると確信していると言います。

特別な演出は必要はありません。結婚式の雰囲気が自然と親子の心の壁を取り去ってくれる、それこそが「結婚式の魔法」なのです。
「お2人が努力すべきは、ご両親に出席してもらうこと。出席のお返事をいただければ、あとは結婚式の魔法が自然とご家族の絆を結んでくれるはずです」(kanakoさん)

では、新婦両親に結婚を反対されていた新郎が結婚式の準備を通して、新婦両親の信頼を勝ち取り、関わった式場のスタッフも思わず涙するほど、幸せな結婚式を挙げることができた実話を紹介していきます。

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■ 年の差と授かり婚が高いハードルに

年の差と授かり婚が高いハードルに
挨拶に行くと「帰ってください」と冷たい一言

好きで好きで仕方ないほどの女性と結婚が決まり、さらに彼女のお腹には赤ちゃんも!
そんな幸せの絶頂にいる新郎の、唯一にして最大の悩みは、彼女の両親に結婚を反対されていること。このままだと、結婚式にも出席してもらえないかもしれない、そうなると彼女を心から喜ばせてあげることもできない・・・。なんとか、彼女の両親に結婚式に出席してもらおうと新郎が頑張ったのは、結婚式の準備でした。

2人は、新郎40代半ば、新婦20代の年の差婚、且つ、新婦は東南アジア系という国際結婚。結婚の挨拶で彼女の母国を訪れた時、両親が反対した理由は、2人の年の差と授かり婚だったことでした。
言葉が分からない新郎は新婦に通訳してもらいながら、彼女への強い愛や結婚させてほしい旨を必死で伝えましたが、両親は静かに「帰ってください」と冷たい反応。彼女も「だったら無理して出席してくれなくていい!」と、それ以上両親を説得しようともしません。

新婦は結婚・出産の準備のために実家に残り、新郎は1人で帰国、彼女と両親に喜んでもらえる結婚式を準備することで、彼女を幸せにする決意を示そうと考えました。

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■ ドレス選びも全て新郎1人で準備する

ドレス選びも全て新郎1人で準備する
2回目の訪問で結婚式出席の意思をもらう

式場見学から結婚式当日まで、結婚式準備は全て新郎1人で進めました。kanakoさんが新婦と対面したのは結婚式当日のみ。ドレス選びも含め、文字通り新郎1人で準備したのです。
もっとも、こだわりを詰め込み、だからこそ大変だったのは、料理と衣裳。

まず、料理。新婦の母国の名物グルメを取り入れることで、おもてなしの気持ちを表現しようと考えました。でも式場のシェフはその国の料理に詳しくありません。「対応できない」というのが最初の返事でしたが、プランナーのkanakoさんは新郎の強い願いをなんとかして叶えてあげたかったので、必死に粘ります。
「新婦様のご両親が出席してくれるかどうか、この料理にかかってるんです!」という言葉がシェフの心を動かしました。でも、オリジナルメニューが簡単に生まれるわけではありません。その国の郷土料理や作り方を調べてもらい、コース料理の一部にエッセンスを散りばめることができました。

結婚式の1ヵ月前、仕上がったメニュー表と両親の名前が入ったロゼットを携え、新郎は再度、新婦の実家へ飛びます。
両親や親族に喜んでもらえるように料理を工夫していること、ロゼットをつけて新郎家・新婦家の家族6名で記念写真を撮りたいと思っていることなどを、熱っぽく誠実に伝えました。その姿は両親だけでなく新婦の心も動かし、「私も、もっと説得してみる!」と言ってくれ、両親から出席の意思を聞くことができました。

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■ LINEを使ってリモートでドレス選び

LINEを使ってリモートでドレス選び
ドレス・アクセサリー・ブーケ、全て揃うと新婦は大号泣

次に衣裳。
新郎はドレスコーディネーターに新婦の写真を見せながら、身長や体型を伝え、似合うものを選んで新婦にはLINEで見てもらい、3着まで絞り込みました。
運命の1着は当日、試着してみて選ぶことに。ブライズルームにかかった3着のドレスを目の当たりにし、実際に袖を通してみて、アクセサリーまで着けていくと、新婦の表情はみるみるうちに輝いていきました。そうこうするうちにブーケが届き、新婦の感動はピークに。ブーケを手にした瞬間、大号泣してしまいました。

華やかで美しいドレスやブーケに囲まれる幸せだけでなく、自分を喜ばせようと一生懸命に揃えてくれた新郎の愛情が伝わった瞬間でした。

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■ 父と娘の「ラストダンス」に会場中が涙

新郎は、パーティがはじまっても新婦両親に話しかけることができず、ギクシャクしたムード。kanakoさんは「もうすぐ母国のお料理をヒントにしたメニューをお出ししますよ」と声掛けするようアドバイスし、緊張をほぐすきっかけを作りました。

奇跡が起こったのはパーティ中盤。新郎がBGMに選んでいた、新婦父の好きな曲が流れ出した瞬間、新婦父はおもむろに立ち上がり、新婦の元へ歩き出し、新婦の手を取りゆっくりダンスし始めました。耳元で何かをささやかれると、新婦は大号泣。居合わせたスタッフも「頑張って準備した新郎の努力が報われた」「家族のわだかまりが解けた」といった気持ちから、思わず涙がこぼれたと言います。

「日本人にはあまり馴染みがないかもしれませんが、とても自然で素敵な光景でした。お父様がささやいたのは「招待してくれてありがとう」「幸せになれ」といった言葉だったのではないかと想像しています。その様子に新郎様も嬉し涙を流されていました。自分の事はそっちのけ、新婦様と新婦ご両親のことだけを考え続けた新郎様にとって、一番嬉しい瞬間だったのではないかと思います」(kanakoさん)

子どもの幸せを願わない親はいません。結婚に反対していても「止めることはできないだろうから認めよう」という気持ちになっているのに、意地になって、一旦口にした言葉をなかなか引っ込めずにいたりするものです。新郎新婦の側から両親に歩み寄り、両親の心をほぐすのも、巣立っていく子どもとしての大切な役割ではないでしょうか。

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kanakoさん

kanakoさん

プランナー歴7年。大阪と横浜のゲストハウスに在籍し、毎月、平均7組を担当。会場見学のご案内から結婚式当日のディレクションまでお手伝いする。
おススメのGOOD WEDDINGは、お2人とゲストの距離が近く会話を楽しめたり、お料理をじっくり味わっていただけるようなパーティ。

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