結婚式で「花嫁の両親への手紙」は照れくさい
読んだ方がいい理由とエピソードを紹介
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結婚式で「花嫁の両親への手紙」は照れくさい
読んだ方がいい理由とエピソードを紹介

2021.02.08 2024.02.21

結婚式の王道演出として定着している「花嫁の両親への手紙」。なかには「照れくさい」「家族以外のゲストに聞いてもらうのは申し訳ない」といった理由で敬遠する人もいらっしゃいます。でも実は、手紙にはちょっと意外で、とても重要な役割があるんです。結婚式だからこそ読んだ方がいい理由とウェディングプランナーayatoさんが経験したほっこりエピソードを紹介します。

目次

  1. ■「花嫁の両親への手紙」はなぜ読んだ方がいい?
  2. ■披露宴で読むのが恥ずかしい場合は挙式直前に
  3. ■エピソード:冗談を言って強がっていた父が大号泣
  4. ■手紙朗読は両親が感慨に浸れる貴重な時間

■ 「花嫁の両親への手紙」はなぜ読んだ方がいい?

結婚式 両親 花束贈呈
ゲストも自分の家族と重ね合わせて感情移入してくれる

そもそも、両親への手紙を用意する理由は何でしょうか。
「生み育ててくれたことへの感謝を伝えるため」と答える人が大半でしょう。

だとしたら、書いて渡すだけでも十分に思われますが、披露宴の中で読み上げることにはいくつかの意味があります。
CORDY編集部では、披露宴で両親への手紙を読み上げる意味を3つにまとめてみました。

1.声に出すことでより強く気持ちが伝わる
文字だけではなく声に出すことで、感情の動きなども伝わりやすくなります。
また、普段はなかなか言えない話や言葉を口にするため、両親も「そんな風に思ってくれていたのか」と感動してくれるでしょう。

2.ゲストも家族の温かさを実感できる
親子の絆や愛情は普遍的なものです。そのため、聞いているゲストも「帰ったら実家に電話してみよう」「自分の娘(息子)も同じような気持ちでいるのだろうか」「家族って素敵だな」など自分の家族と重ね合わせて感情移入してもらえる効果もあります。
こうした体験は、身近な人の結婚式ならではのものなので、オリジナリティのあるおもてなしのひとつという見方もできるでしょう。

3.人としての成長が伝わる
自分がいかに周囲に支えられてここまで成長できたかといった心情は、人としての成長の証でもあります。
とくに、親戚や親友など付き合いが長く未熟な時代のふたりをよく知るゲストにとっては「〇〇にもこんなことが言えるようになったんだな」などと成長を実感してもらえるのではないでしょうか。

■ 披露宴で読むのが恥ずかしい場合は挙式直前に

結婚式 両親への手紙
言葉にするのが難しければ記念品に添えて渡すだけでもOK

両親への手紙を読み上げるメリットや効果などを理解しても、「プライベートな話を家族以外の人に聞いてもらうのは申し訳ない」「大勢の前で手紙を読むなんて恥ずかしい」という人もいるでしょう。

その場合は、挙式直前に「ファミリーミート」など、家族や両親だけのプライベートな時間を設けて、手紙を読み上げることもおすすめです。
「もし、言葉にするのが難しければ、記念品などに手紙を添えて渡すだけでもいいと思いますよ」とayatoさん。

披露宴で手紙を読み上げるのは新婦のみの場合が大多数ですが、両親へ感謝を伝えるべきは新郎も同じ。
読み上げずに渡すだけでも構わないので、ぜひ、この機会にこれまでの気持ちを手紙にしてみましょう。

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■ エピソード: 冗談を言って強がっていた父が大号泣

結婚式 新婦と新婦父
挙式など結婚式の前半ではなかなか感情を解放しきれない

では、ayatoさんの印象に残っているというエピソードをご紹介します。
スタッフにも気兼ねなく話しかけてくれる、気さくで明るい性格の新婦父。照れ隠しなのか、挙式の時間が近づくにつれ「バージンロードなんてめんどくさいな、誰かオレの代わりに娘と歩いてやってくれ」「普通はこういうところで泣いたりするんだろ?俺はこんなんじゃ泣けねーな」と冗談まじりで言っていました。

そうして迎えた挙式本番。
通常、結婚式の前半では父娘とも気持ちが張り詰めていて、たかぶっている感情を解放してしまうケースは少ないそうです。たしかに、この時点で涙が止まらなくなったら、せっかくの晴れ姿がもったいない、写真にも泣きはらした表情が残るのは残念ですよね。
この父娘も「ねぇ!お父さん!ちゃんと歩いてよ!」「めんどくさいけど、仕方ないな」と、よくある光景です。

新婦父は持ち前の明るさを発揮して、ゲストにお酌をしながらパーティを明るく盛り上げていました。花嫁手紙朗読の直前、両家両親が新郎新婦の前に並ぶ時にも余裕の表情です。

雰囲気が一変したのは花嫁が「両親への手紙」を読み始めたとき。
「学生時代、顔も合わせず無視してばかりでごめんなさい。お仕事に一生懸命だったのは、私たち家族のためだったこと、社会人になった今ならとてもよくわかります」
冗談ばかり言って強がっていた新婦父の目からは、せきを切ったように涙があふれ、人目をはばらからずに大泣きしたそうです。

■ 手紙朗読は両親が感慨に浸れる貴重な時間

結婚式 両親への手紙朗読
親子共にありのままの感情を素直に伝え合う場

日本の結婚式において、新郎新婦の両親はゲストをもてなす「ホスト」の役割を担うことが多く、「親として子どもをしっかり送り出したい」という心理が強く働きます。そのため、息子や娘が新たな家庭を築くことをしみじみと噛みしめるよりも、まずは集まってくれた親戚や会社関係者、友人などに感謝の気持ちを伝えたり、失礼のないようにおもてなしすることに意識が向きがちです。
手紙の朗読は、ふたりの両親が子どもの成長や巣立ちに向き合い、感慨に浸る時間でもあります。

ayatoさんは、結婚式当日に立ち会う際、特に、挙式直前と花嫁の手紙という2つのシーンで、新郎新婦両親の表情や様子を確認するようにしているそうです。

挙式直前は緊張感マックスの状態、そこから約2時間半で、ゲストとのやり取りなどを通して、両親の感情がどう動いたか、2人の結婚を心から祝福する時間を過ごせたかどうか。その答えは、披露宴のクライマックスとも言える花嫁の手紙のシーンに凝縮されていると考えているためです。

もし、サービススタッフの配慮が行き届かなかったりして「せっかく集まっていただいたゲストに満足のいくおもてなしができなかった」といった気持ちにさせていたら、手紙に浸る余裕もなく、このシーンの価値も半減してしまいます。つまり、式場側のサービスクオリティに対する評価の瞬間でもあるというわけです。
式場見学に行く時は、両親も安心してゲストへのおもてなしを任せられるようなサービスクオリティかどうかもチェックしておきたいところです。

「日常生活の中では、かしこまって親に感謝を伝えたり、学生時代の反抗的な態度を謝ったりする機会は、なかなかないと思います。結婚式は親子共にありのままの感情を素直に伝え合える場。それは結婚式の大きな価値だと思います」(ayatoさん)

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ayatoさん

ayatoさん

ウェディングプランナーや式場支配人として、約12年、通算1200~1300組の結婚式に立ち会う。北海道、栃木、金沢、大阪、神戸など様々な地域の風習も踏まえ、結婚式の本質を押さえた提案が持ち味。最も重視しているのはゲスト満足。結婚式はお世話になった人へ感謝を伝える場なので、集まったゲストの満足こそ、新郎新婦の満足だと考えている。

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