結婚式で「花嫁の両親への手紙」は照れくさい
読んだ方がいい理由とエピソードを紹介

結婚式で「花嫁の両親への手紙」は照れくさい
読んだ方がいい理由とエピソードを紹介

結婚式の王道演出として定着している「花嫁の両親への手紙」。なかには「照れくさい」「家族以外のゲストに聞いてもらうのは申し訳ない」といった理由で敬遠する人もいらっしゃいます。でも実は、手紙にはちょっと意外で、とても重要な役割があるんです。結婚式だからこそ読んだ方がいい理由とウェディングプランナーayatoさんが経験したほっこりエピソードを紹介します。

■ 「花嫁の両親への手紙」はなぜ読んだ方がいい?

「花嫁の両親への手紙」はなぜ読んだ方がいい?

手紙には両親の緊張感を解きほぐす効果がある

「花嫁の手紙は、ご両親の緊張感や張り詰めている気持ちを解放する役割もあるんです」
と、ウェディングプランナーや式場支配人として12年の経験を重ねてきたayatoさん。

日本の結婚式において、新郎新婦の両親はゲストをもてなす「ホスト」の役割を担うことが多く、「親として子どもをしっかり送り出したい」という心理が強く働きます。そのため、息子や娘が新たな家庭を築くことをしみじみと噛みしめるよりも、まずは集まってくれた親戚や会社関係者、友人などに感謝の気持ちを伝えたり、失礼のないようにおもてなしすることに意識が向きがちです。

披露宴で読み上げる花嫁が書いた手紙には、こうして張り詰めている両親の緊張をほぐし、式を心から楽しんでもらうといった役割があるのです。

■ 披露宴で読むのが恥ずかしい場合は挙式直前に

披露宴で読むのが恥ずかしい場合は挙式直前に

言葉にするのが難しければ記念品に添えて渡すだけでもOK

両親には2人が結婚する喜びや一抹の寂しさなどに浸る時間が不可欠。そのきっかけのひとつが花嫁の手紙朗読なのです。

「プライベートな話を家族以外の人に聞いてもらうのは申し訳ない」「大勢の前で手紙を読むなんて恥ずかしい」という人は、挙式直前などに家族や両親のみ、水入らずの時間を設けて、感謝の気持ちを伝えたり、手紙を読み上げたりすることをおススメします。もし、言葉にするのは難しければ、記念品などに手紙を添えて渡すだけでもいいと思いますよとayatoさん。

手紙の内容は、具体的なエピソードを入れると、親子で同じシーンを浮かべながら感情を共有しやすくなります。たとえば、反抗期に親子ゲンカして、つい心にもない言葉が飛び出してしまい、謝るきっかけを掴めないままになっていたことなど。長く心に引っかかっているようなわだかまりを解くには、絶好の機会と言えます。

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■ エピソード: 冗談を言って強がっていた父が大号泣

エピソード: 冗談を言って強がっていた父が大号泣

挙式など結婚式の前半ではなかなか感情を解放しきれない

では、ayatoさんの印象に残っているというエピソードをご紹介します。
スタッフにも気兼ねなく話しかけてくれる、気さくで明るい性格の新婦父。照れ隠しなのか、挙式の時間が近づくにつれ「バージンロードなんてめんどくさいな、誰かオレの代わりに娘と歩いてやってくれ」「普通はこういうところで泣いたりするんだろ?俺はこんなんじゃ泣けねーな」と冗談まじりで言っていました。

そうして迎えた挙式本番。
通常、結婚式の前半では父娘とも気持ちが張り詰めていて、たかぶっている感情を解放してしまうケースは少ないそうです。たしかに、この時点で涙が止まらなくなったら、せっかくの晴れ姿がもったいない、写真にも泣きはらした表情が残るのは残念ですよね。
この父娘も「ねぇ!お父さん!ちゃんと歩いてよ!」「めんどくさいけど、仕方ないな」と、よくある光景です。

新婦父は持ち前の明るさを発揮して、ゲストにお酌をしながらパーティを明るく盛り上げていました。花嫁手紙朗読の直前、両家両親が新郎新婦の前に並ぶ時にも余裕の表情です。

雰囲気が一変したのは花嫁が「両親への手紙」を読み始めたとき。
「学生時代、顔も合わせず無視してばかりでごめんなさい。お仕事に一生懸命だったのは、私たち家族のためだったこと、社会人になった今ならとてもよくわかります」
冗談ばかり言って強がっていた新婦父の目からは、せきを切ったように涙があふれ、人目をはばらからずに大泣きしたそうです。

■ 花嫁の手紙で見せる親の表情は式場に対する評価の表れ

花嫁の手紙で見せる親の表情は式場に対する評価の表れ

親子共にありのままの感情を素直に伝え合う場

ayatoさんは、結婚式当日に立ち会う際、特に、挙式直前と花嫁の手紙という2つのシーンで、新郎新婦両親の表情や様子を確認するようにしているそうです。

挙式直前は緊張感マックスの状態、そこから約2時間半で、ゲストとのやり取りなどを通して、両親の感情がどう動いたか、2人の結婚を心から祝福する時間を過ごせたかどうか。その答えは、披露宴のクライマックスとも言える花嫁の手紙のシーンに凝縮されていると考えているためです。

もし、サービススタッフの配慮が行き届かなかったりして「せっかく集まっていただいたゲストに満足のいくおもてなしができなかった」といった気持ちにさせていたら、花嫁の手紙に浸る余裕もなく、このシーンの価値も半減してしまいます。つまり、式場側のサービスクオリティに対する評価の瞬間でもあるというわけです。
式場見学に行く時は、両親も安心してゲストへのおもてなしを任せられるようなサービスクオリティかどうかもチェックしておきたいところです。

「日常生活の中では、かしこまって親に感謝を伝えたり、学生時代の反抗的な態度を謝ったりする機会は、なかなかないと思います。結婚式は親子共にありのままの感情を素直に伝え合える場。それは結婚式の大きな価値だと思います」(ayatoさん)

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ayatoさん

ayatoさん
ウェディングプランナーや式場支配人として、約12年、通算1200~1300組の結婚式に立ち会う。北海道、栃木、金沢、大阪、神戸など様々な地域の風習も踏まえ、結婚式の本質を押さえた提案が持ち味。最も重視しているのはゲスト満足。結婚式はお世話になった人へ感謝を伝える場なので、集まったゲストの満足こそ、新郎新婦の満足だと考えている。

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