新郎衣裳のタキシードとウェディングスーツ。選び方のポイントをプロが指南
花嫁が着るドレスと違って好みなどの決め手があまりなく、意外と苦労するのが新郎の衣裳選び。もちろん新郎の衣裳にも種類があり、それぞれに意味もあります。
タキシードをはじめとした新郎衣裳の選び方や、日本人がおしゃれに着こなす方法を、オーダーメイドスーツ専門店「TAGARU 表参道店」の榛葉菜摘さんに取材しました。
■新郎衣裳で圧倒的人気なのはタキシード
もともとは、男性が夜に着用する正礼装であったというタキシード。日本ではドレスコードが緩やかなため昼間問わず着用することもあり、新郎衣裳のなかでもっとも多くの男性に選ば れている衣裳となりました。「ゼクシィ 結婚トレンド調査 2020」によれば、タキシードを選ん だ新郎は 90.7%と圧倒的な人気です。カジュアルなゲストハウスから、格式の高いホテルまで、どんな式場でも着用できる、とても汎用性の高い衣裳といえます。 一方、より自由にファッション性を求めたい新郎に最近人気が高いのが、タキシードをよりカジュアルにしたウェディングスーツです。
今回はこの2種類の新郎衣裳について、選び方やファッショナブルなコーディネートを教えてもらいました。
・タキシードとウェディングスーツの違いは?
一見、デザインや素材にあまり差がないように見えるタキシードとウェディングスーツですが、どのような違いがあるのでしょうか。
タキシードは、ジャケットの襟部分が、拝絹(はいけん)と呼ばれるシルクなどの光沢のある 布地で装飾されているもの。色みもブラックやグレー、ネイビーなどベーシックなものが多く、フォーマルな重厚感を演出できます。
対してウェディングスーツは、タキシードよりもインフォーマルな衣裳のこと。ブライダル以外のパーティや、ゲスト参列時にも着用できます。色や仕立てに遊びがあるなど、通常のスーツよりもファッション性を高めたものです。
■ 新郎衣裳は、会場の雰囲気と新婦のドレスに合わせるのがポイント
新郎の衣裳選びは、会場や式・披露宴の雰囲気によっても変わります。具体的な選び方のポイントを TAGARU 表参道店の榛葉菜摘さんに教えてもらいました。
・【ポイント1】店舗には、挙式会場やコンセプトなどをできるだけ具体的に伝える
近年、マナーに則るよりも、式の雰囲気に合わせた装いをする人が増えています。そこで衣裳選びは、できるだけ結婚式当日のイメージが具体的になってから選ぶようにしましょう。すると、衣裳を用意する店舗に式のコンセプト(ナチュラル、クラシック、リゾート…etc.)や会場のイメージ、会場を飾る花の種類やカラーリングなどを、より具体的に伝えることができ、その雰囲気にマッチした衣裳の提案を受けやすくなります。「まずは式場の格式や雰囲気とチグハグにならないようにすること。さらに新郎としての“主役感”が出るような衣裳を選びましょう。ウェディングでは男性ゲストもさまざまなスーツを着てくるので、そのなかで埋もれない衣裳を考えることが大事です。 写真映えを意識する なら、ウェディング撮影をする場所を考慮することも大切です」(同)
・【ポイント2】新婦のウェディングドレスとのバランスを考える
もうひとつ重要なのは、新婦が着るウェディングドレスとのバランスです。ふたりが並んだときの雰囲気を合わせることが重要になってきます。「ふたりの衣裳のフォーマル・カジュアルさを合わせるようにしましょう。ウェディングドレス の格式は、新郎の衣裳とは違って一概にはいえませんが、目安としては、ロンググローブ やロングベールを身につけたり、首元がつまったデザインなど、肌の露出が少ないほどフォーマルになります。また、新郎の衣裳選びの際には、花嫁さんに同席してもらうことも重要。花嫁さんが把握している詳細な情報を知ることができれば、店舗からもより良い提案ができると思います」(同)
最近では「ファーストミート」と言って、結婚式当日に初めてお互いの衣裳を見せ 合う演出もあります。式場の格式や雰囲気に合わせてお互いの衣裳を選ぶことで、一層ムードが高まり感動も色濃く残るのではないでしょうか。
・【ポイント3】体型の悩みはプロのサイズ調整で解消できる
着てみたい衣裳はあっても、自分の体型に合うかどうか、男性だって不安になることもあります。そんなときは、オーダー衣裳がおすすめ。「襟を広めにする、ベストのカッティングを変える、ボタンの位置をずらすなど、身長や肩幅、顔の大きさなど、体型の悩みに合わせて調整できるポイントが多くあります。そういった細かな調整をプロが行うことで、多くの悩みは解消できます。
色の選び方や小物の選び方によっても、悩みをカバーできる場合があります。たとえば、顔の形によってボウタイの大きさを変えて小顔に見せるなどは可能です。体型の悩みがどうしても気になる方は、調整に限りがあるレンタル衣裳ではなく、オーダー衣裳だと安心です」(同)
■レンタルかオーダー購入か…・・・それぞれのメリット&デメリット
レンタルとオーダー購入、どちらにするか迷う方も多いと思います。そこで、それぞれにどんなメリットとデメリットがあるのか、改めてまとめてみました。
「当店のオーダースーツは、ミニマムで 3万 9,000 円~つくることができ、平均価格は1着10万円前後。持ち込み料を上乗せしてもレンタルより予算を抑えられたというケースもあります。もちろんインポートの生地を選ぶなどすれば値段も上がりますが、予算に合わせて調整できるのも、オーダーのメリットだと思います。発色や光沢が美しいほど、値段は上がっていきますが、それはレンタルでも同じ。新郎の体型にぴったり合わせて細かく調整するので、着心地が格段に違います。姿勢が良くなって、体型維持の意識も強くなり、ウェディングに対するモチベーションが上がっていく方も多いんですよ」(同)
レンタルもオーダーも、それぞれにメリットがあるけれど、衣裳の予算が見えてきたらまずはオーダーメイドを検討してみるのもいいでしょう。
■ゲストから褒められる&写真映え必至、新郎衣裳のコーディネート例
最後に、TAGARU 表参道店がおすすめする、王道から個性派まで……、花婿衣裳のさまざまなコーディネート術を教えてもらいました。
・いつの時代も色褪せないブラックタキシード
王道のブラックタキシードは襟の光沢や形で印象はガラリ。今は“ピークドラペル”という襟の先が尖った形が人気。上質なシルクの光沢は照明の下で真価を発揮するので、生地選びにこだわりたい。教会式などフォーマル度の高いウェディングにおすすめ。
・タキシードなら色はベーシックに、柄で個性をプラス
色はスタンダードな黒やネイビーのまま、柄を入れてみると個性をプラスできます。ジャガ ード織の生地などもおすすめ。
・今旬はアースカラーのウェディングスーツ
ナチュラルやラスティックなウェディングが人気な今、カーキやベージュといったアースカラーのウェディングスーツが人気急上昇中。ベストとジャケットの色を変える遊び心あるコーディネートもあり!
・より自分らしさを出せる、個性派生地のウェディングスーツ
■ふたりのバランスが取れたコーデで、印象に残るウェディングに
新婦のウェディングドレスに比べると、どうしても優先度が低くなりがちな新郎の衣裳。でも、式当日はもちろん新郎も主役です。式のコンセプトや新婦のドレスとのバランスが取れた 衣裳を選ぶことで、思い出に残る1日にしてくださいね!お話を伺ったのは……
TAGARU 表参道店 榛葉菜摘さん
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