結婚式の演出でゲストを楽しませたい! 卒花嫁の試行錯誤とプロによる別プランを紹介
卒花嫁インタビュー

結婚式の演出でゲストを楽しませたい! 卒花嫁の試行錯誤とプロによる別プランを紹介

結婚式に参列してくれるゲストは、ふたりのためにスケジュールを空けて、会場まで足を運んでくれます。せっかくならできる限りの努力や工夫で楽しませたいものですよね。卒花嫁の彩加さんもそんな気持ちから、これまでの経験や知識を総動員して結婚式の演出を工夫しました。この記事では、彩加さんの実体験を紹介すると同時に、プロならどんなアイデアを提案してくれるのか、CORDYウェディングプランナーに別のプランも考えてもらいました。

ゲストがワクワクするような世界観を表現

ゲストがワクワクするような世界観を表現

学生時代は学園祭の実行委員長を務めた経験もある下田彩加さん 。集まってくれた人が楽しんでいる様子を見ることが何よりのやりがいだったと言い、結婚式でもこの経験を活かしてゲストにワクワクしてもらえるような世界観を表現することに力を入れました。
彩加さんは、自分自身も大好きなディズニーリゾートのワクワク感やポケモンゲームの世界観に入り込む感覚などをゲストとも共有したいと思いましたが、一つひとつのテイストに統一感はありません。それらの要素を「ごちゃまぜ」と感じさせない方法はないかと考え、思いついたのがテーマパークのアトラクション。
テーマパークのアトラクションは、それぞれに備わっている独特な雰囲気を次々に楽しめるのが大きな魅力。披露宴中に行われる様々なイベントも同じような感覚で楽しんでもらえれば、「ごちゃまぜ」ではなくなると考えたのです。そこで、 披露宴をテーマパークのアトラクションを巡るクルーズ旅行に見立て、「The Greatest Journey」というテーマを導き出しました。

彩加さん

彩加さん

「結婚式の後、友人に『ちょうど良いタイミングで色々なイベントがあってずっと飽きなかった』『私(彩加さん)らしいアレンジが散りばめられていて良かった』といった感想をもらったのが、すごく嬉しかったですね。演出や世界観の表現方法は、一番悩んだしこだわったところなので、頑張った甲斐があったと思いました」

彩加さんが、ふたりらしい世界観を表現するために工夫したことやプロセスを紹介すると同時に、 ほかにどんな選択肢があったのか、CORDYウェディングプランナーに別のプランも考えてもらいました。

ディズニープリンセスを連想するキラキラドレス

ディズニープリンセスを連想するキラキラドレス

結婚式準備をスタートした頃に思い描いていたのは、「ディズニーリゾートのような雰囲気」。イメージのきっかけになったのは、着たいと思ったカラードレスでした。
インターネットやInstagramなどで、ディズニープリンセスをイメージしたドレスを多く目にするうちに惹かれていったのです。
選んだ式場の提携ドレスショップで目に留まったのは、キラキラのビジューやグリッターがあしらわれたブルーのカラードレス。

彩加さん

彩加さん

「オリエンタルな雰囲気もあって、ディズニー映画『アラジン』の世界観にぴったりだと思いました」

そのイメージから、ヘアスタイルも「アラジン」のヒロイン「ジャスミン」を思わせる玉ねぎヘア、お色直し再入場のBGMは映画のテーマ曲、披露宴全体のテーマカラーはドレスの色味に合わせてブルー&ゴールドなど、方向性が決まっていきました。
とくに、テーマカラーはアイテム選びの軸になり、さほど悩むこともなくどんどん決断することができました。

でも彩加さんは、結婚式全体の方向性が「アラジン」を軸に決まっていく流れに、違和感を持ちます。

彩加さん

彩加さん

「私が表現したかったのは、ディズニーの夢のある世界観やテーマパークのワクワク感であって、アラジンの世界観ではないと気付いたんです。アラジンの世界観で素敵にまとめることができても、それではふたりらしい結婚式にはならないと思い、自分たちが何を表現したいのか、見直すことにしました」

彩加さんは、ディズニーだけでなくポケモンの世界観も大好き。アニメではかわいいキャラに癒され、ゲームではその世界観に没頭しながらポケモンをこつこつ育成する時間が楽しい、その魅力もゲストと共有したいと思いました。

進行表を「アトラクションマップ」に見立てて手作り

進行表を「アトラクションマップ」に見立てて手作り

アラジンにポケモンと、テイストの違う要素に統一感を与えるために、彩加さんが思いついたのが、一つひとつのシーンをテーマパークのアトラクションのように楽しんでもらうアイデア。大きな窓から海を一望できるロケーションが魅力の式場に合わせて、クルーズ旅行をテーマにしました。
たとえば、ケーキ入刀シーンではポケモンのテーマ曲をピアノの生演奏でしっとり聴いてもらう、お色直し再入場のシーンではアラジンのヒロイン「ジャスミン」のような花嫁姿を見せてエキゾチックな世界観を感じてもらうといった具合。このほか、メインテーブルでゲストと撮影を楽しんだり、仲のいい友人のインタビューに耳を傾けたりと、すべてのイベントをアトラクションになぞらえ、テーマパークのマップをたどるようなタイムテーブルも用意しました。

彩加さん

彩加さん

「テーマパークのアトラクションはそれぞれに全く異なる世界観があって、それを一度に楽しめるのが大きな魅力だと思います。BGMもそれぞれの雰囲気に合わせて選曲し、ゲストが飽きずに楽しめるように工夫しました」

知る人ぞ知る名曲を選ぶのがコツ

知る人ぞ知る名曲を選ぶのがコツ

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

お金をかけずに世界観を演出するなら音楽が最も効果的です。とくに、入場やケーキ入刀などの大事なシーンで“夢”や“魔法”を意識して選曲すれば、ゲストも自然とそのムードに引き込まれるはずです。
ここで、知られ過ぎている曲を避けるというのもポイントのひとつ。とくに、コンビニやカフェなどでよく流れている曲を選ぶと、ゲストを日常に引き戻してしまうためです。また、同じ調子が続くよりも、しっとりした曲とアップテンポな曲をバランスよく組み合わせることで、パーティにもメリハリがついて飽きがこないでしょう。

彩加さんのケースにおすすめのBGMを、以下にいくつかピックアップしてみます。

・オープニング:For All Mankind Main Title
>>AppleMusicで聴いてみる

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

はじまりはエレガントに。オープニングムービーのBGMにするなら、映像はシンプルにふたりの名前と「本日はお集まりいただきありがとうございます。ぜひ楽しんでください」といったメッセージのみでもかっこよくきまると思います。

・新郎新婦入場:A Little Party Never Killed Nobody
>>AppleMusicで聴いてみる

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

オープニングとはガラリと雰囲気の違うパーティミュージック。ワクワクするようなパーティを予感してもらえるのではないでしょうか。

・ケーキ入刀:Potter Waltz
>>AppleMusicで聴いてみる

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

映画「ハリー・ポッター」より。ファンタジックなムードが広がります。

・エンドロール:Promise - Leaving Epcot Song

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内のディズニーパーク「エプコット」のショーでかかる音楽のひとつ。ゆったりしたテンポで結婚式を振り返るのにぴったりだと思います。

・退場:WE GO ON
>>AppleMusicで聴いてみる

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

エンドロールに選んだ「Promise」とメロディは同じでリズムなどのアレンジが異なり、表情が変わります。エンドロールから流れるように進行するので、おしゃれにまとまると思います。

海が一望できる抜群のロケーション

海が一望できる抜群のロケーション

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr. CORDY

彩加さんが選んだ式場は、海を一望するロケーション自体に大きな価値があるので、そこを活かすことでより一層魅力が増し、ゲストも盛り上がると思います。
たとえば、新郎新婦が船で入場したり、ジェットスキーライダーに「結婚おめでとう!」などの横断幕を持ってなどで会場を横切ってもらったり、披露宴のお開きに合わせて花火を打ち上げるなど。
ただし、花火なら2~3分で30万円前後などの費用がかかることに加え、会場によっては難しい演出もあるので確認が必要です。

照明とBGMで会場の雰囲気つくりを

照明とBGMで会場の雰囲気つくりを

CORDYウェディングプランナー yokoさん

CORDYウェディングプランナー yokoさん

照明もBGMに合わせて効果的に演出することで、その場の空気をガラッと変えることができます。リラックスムードを演出したいなら青白い照明、スモークをたくと何かが始まりそうなワクワク感を表現できるなど、照明のプロにオペレーションしてもらうのもおすすめです。

ふたりの生い立ちを紹介できる「幼少期当てクイズ」を行った

ふたりの生い立ちを紹介できる「幼少期当てクイズ」を行った

彩加さんはプロフィールムービーに対して抵抗がありました。誕生から現在の様子を過去の写真で振り返るスタイルは画一的に思えたし、旅行先などで撮ったふたりの写真などは仲の良さをアピールしているようで気恥ずかしい気持ちもあったと言います。
別の方法でふたりの生い立ちや普段の様子を紹介したいと考え、取り入れたのが幼少期当てクイズとオープニングムービー。
幼少期当てクイズは、兄弟姉妹の写真も含めた選択肢のなかから2歳頃のふたりを当ててもらうというもの。ゲストには受付で回答用紙を提出してもらい、披露宴中盤で正解者のなかから抽選でプレゼントを贈呈するという流れです。
オープニングムービーは、ふたりのデートシーンやプロポーズの様子をまとめて、さりげなく普段のふたりを紹介する内容を意識しました。

彩加さん

彩加さん

「とくに私は兄弟姉妹とすごく似ているので、クイズにしたらゲストにもふたりの生い立ちを楽しみながら知ってもらえるかなと思いました。ふたりの馴れ初めや普段の関係性などを紹介するのは恥ずかしかったけど、新郎新婦の片方しか知らないゲストもいるので全く触れないわけにもいかず、オープニングムービーでできるだけ自然に伝わるように工夫しました」

「ゲストへの感謝」をテーマに

「ゲストへの感謝」をテーマに

CORDYウェディングプランナー Dr.CORDY

CORDYウェディングプランナー Dr.CORDY

「仲良しアピールするのは恥ずかしい」という場合、無理に馴れ初めを紹介する必要はありません。その場合、プロフィールムービーは「ふたりの紹介」ではなく「ゲスト(両親含む)への感謝」というテーマにしてみてはいかがでしょうか。
写真は極力、ゲストと写っているものを選ぶようにして「皆さまのおかげで今日を迎えることができました」というメッセージを込めれば、大半のゲストは共感してくれるはずです。
私はよく「プロフィールムービーは親御様のために流すもの」とお客様にご説明してきました。この日を迎えるまでの道のりを振り返り涙するご両親の姿を見て、ゲストも心が温まる、それがプロフィールムービーの役割だと思います。

デザートボックスに手紙を添えるサプライズ

デザートボックスに手紙を添えるサプライズ

「定番も素敵だけど、ほんの少し変化をつけた方がゲストも楽しめるのではないかと思いました」という彩加さん。
たとえば、ゲストへのメッセージは、着席してすぐに目につくよう席札の内側などに忍ばせるケースが一般的ですが、彩加さんは披露宴終盤、デザートと共に届くようにしました。「メッセージはなしか・・・」と思っていたゲストに「ここで来たか!」という驚きを与えたいと思ったそうです。
結婚式を挙げた式場では、いくつかのデザートをボックスに入れて提供するスタイルだったので、このボックスの上に置いてもらえるよう、式場にリクエストしました。

彩加さん

彩加さん

「ディズニーリゾートではお掃除のキャストが水をつけたホウキでミッキーマウスを描いて見せてくれるなど、随所にちょっとした驚きが散りばめられていて、それもワクワクするポイントのひとつだと思うんです。結婚式でも細かいところで遊び心を感じてほしいと思って工夫しました」

マグロの解体ショー

マグロの解体ショー

CORDYウェディングプランナー yoko

CORDYウェディングプランナー yoko

サプライズのポイントは、誰もが楽しめるもの。たとえば、魚の解体ショーやその魚を使った寿司屋台など、食に関するサプライズはすべてのゲストに喜んでもらえるのではないでしょうか。

テーブルにゲストが好きなキャラクターグッズを飾る

テーブルにゲストが好きなキャラクターグッズを飾る

CORDYウェディングプランナー ikkei

CORDYウェディングプランナー ikkei

招待状の返信ハガキなどにゲストの好きな曲やキャラクターなどを書き込んでもらって、当日のBGMの1曲に取り入れたり、そのゲストが座るテーブルの装花に好きなキャラクターのグッズを忍ばせておくといったサプライズもおすすめです。全員の前でスポットライトを当てなくても、特定のゲストとふたりの間でひそかなコミュニケーションが取れますよ。

一度シミュレーションしてみるのがおすすめ

一度シミュレーションしてみるのがおすすめ

結婚式の演出を考えるうえで押さえるべきポイントは、ゲストの顔ぶれ・ロケーション・目指す雰囲気の3つです。
その3つを踏まえ、BGMやムービー、イベント、余興、サプライズなどのアイデアを実行した場合、どんな雰囲気になるのかをシミュレーションしてみると、より成功に近づくことができるでしょう。
もし、ふたりだけではイメージが湧かない、コレといったアイデアが思いつかないという場合は、プロのアドバイスを参考にしてみてはいかがでしょうか。

Dr. CORDY

CORDYウェディングプランナー

Dr. CORDY

ブライダル業界30年。式場見学のご案内、結婚式当日の接客業務はもちろん、結婚式場の設計にも携わる。年間10組以上の結婚式に参列するなど、顧客体験もプロレベル。結婚式のプランニングで最も大切にしているのはゲスト満足。

yoko

CORDYウェディングプランナー

yoko

都内老舗ホテルで、3年間、バンケット(宴会)部門のアシスタントを経験。その後、ウェディングプランナーとして4年以上のキャリアを重ねる。おススメはクラシカルでアンティークな結婚式。

ikkei

CORDYウェディングプランナー

ikkei

大手専門式場に12年間在籍。延べ1300組以上ものお客様を担当し、結婚式のトータルコーディネート経験が豊富です。おススメは、お開き後、ゲストが「2人らしかったね」と言ってくれるような結婚式。

この記事に関連するキーワード

記事一覧へ戻る