婚姻届に100均の印鑑は使える?捨印・訂正印って?婚姻届の印鑑の疑問を解決
婚姻届への記入は結婚の大事なイベント。でも、印鑑だけでも「捨印」「訂正印」「実印」と項目が多くて、戸惑ってしまう人もいるのではないでしょうか。
ここでは、婚姻届の印鑑にまつわるあらゆる疑問にお答えし、正しい押し方や注意点なども合わせて解説します。
■婚姻届に使える印鑑と押すところ
婚姻届で印鑑を押す位置は4箇所
婚姻届で印鑑を押す位置は、上の図の通り4箇所です。
①届出人 署名捺印欄(夫)
②届出人 署名捺印欄(妻)
③証人 署名捺印欄
④証人 署名捺印欄
まずは、①と②の届出人欄で使用する印鑑について解説します。この届出人欄では、夫婦は別々の印鑑を使用します。印字は「名字のみ」「名前(ファーストネーム)のみ」のどちらでも構いません。
名字の場合、結婚して名字が変わる予定の女性も、婿入りする予定の男性も、旧姓のものを使用しましょう。
また、最近では、特に女性で結婚によって苗字が変わる可能性があるという理由から、「名前(ファーストネーム)のみ」の印鑑を持っている人もいます。そういった人は、そのまま届出人欄の捺印に使用しても問題ありません。
婚姻届に使える印鑑は、次の3種類です。
・銀行印:銀行に届出をしている印鑑
・実印:市区町村の役所に届出をしている印鑑
・認印:銀行印・実印以外の届出をしていない印鑑
基本的にはどの印鑑を使用しても問題ないのですが、シャチハタ印、ゴム印はインクが劣化したりゴムが変形したりする可能性があるため、婚姻届には使えないので注意が必要です。
文房具店や100円ショップなどで売っている印鑑も婚姻届に使用できますが、結婚という人生の節目に提出する大切な届出なので、実印や銀行印などを使用するのがおすすめです。
続いて、③と④の証人欄について解説します。証人とは、20歳以上の成人で、ふたりに結婚する意思があることを証明する人を指します。両親や兄弟姉妹など、自分と同じ姓の親族に証人になってもらう場合、届出人と同じ印鑑を使うことはできません。
シャチハタ印やゴム印は使えないため、銀行印・実印・認印のいずれかを用意してもらいましょう。夫婦など同姓の2名に証人をお願いする場合も、別々の印鑑が必要です。
■婚姻届に押す「訂正印」と「捨印」とは
書き間違えた時の対処法
婚姻届けに記入する際に、書き間違えをしてしまった場合、どうすればよいのでしょう? そんなときに使えるのが「訂正印」と「捨印」です。
・訂正印
間違いを訂正する際、本人が訂正したことを証明するために押すものです。 訂正個所に二重線を引き、その隣に訂正後の文字を記入した上で、訂正個所に捺印します。訂正印は署名捺印した印鑑と同じものを使用します。訂正印を別に用意する必要はありません。
訂正印は署名捺印した印鑑と同じものを
・捨印
捨印とは、契約書の余白部分に押しておくものです。
本来、記載内容を修正した場合は修正した本人が訂正印を押しますが、記入後に本人の手を離れて訂正印を押すことが困難となることがあります。そういったことを見越して、
あらかじめ相手側が修正することを認めるために押しておくのが捨印です。
婚姻届に捨印を押す場所が指定されていたら、その場所に署名捺印したのと同じ印鑑を押しておきましょう。指定がない場合は、署名捺印欄の近くに「※捨印」と添え書きして押します。
押す場所の指定がない場合は「※捨印」と添え書きしましょう
また、婚姻届に誤記や記入ミスをしてしまった場合は、それぞれ次のように対応します。
・2人の新本籍地や、証人欄に間違いがある場合
多くの市区町村の役所では、捨印があれば訂正印は不要とされています。 しかし新本籍地や証人欄に書き間違いがある場合、一部の市区町村では訂正印がなければ受理されません。どのように修正するべきか迷ったら、提出する役所に確認しましょう。
・新本籍地や、証人欄以外の内容を修正したい場合
修正液や修正テープを使用することはできません。間違えた部分に二重線を引き、欄内の余白に正しい内容を書きます。二重線を引いた部分には訂正印を押すのが一般的です。
・捺印したものの、字が読めないほど滲んだりかすんだりした場合
ミスをした印影(印鑑を押した跡)の脇にもう一度印鑑を押しましょう。かすれ、欠け、薄い、二重、にじみ、逆押しなど、捺印時の失敗は意外に多いものです。どのような失敗でも、氏名が判読できない場合はミスになると考えた方がよいでしょう。
■印鑑のきれいな押し方
意外と多いミス…かすれ、欠け、薄い、二重、にじみ、逆押し
印鑑を押すとき、次のような手順で進めるとかすれや滲みがなく、きれいに印影を残すことができます。
1.印面をきれいに拭き取る
ティッシュや布切れなど、柔らかい素材のもので、印鑑に付着したインクやほこりを丁寧にふき取ります。
2.朱肉は軽くポンポンと付ける
ポンポンと2、3回ほど朱肉をつけます。力を入れすぎると印鑑の溝にインクがたまり、押したときに枠のラインがキレイに出ないことがあるので気をつけましょう。
3.婚姻届の下に捺印マットや紙を敷く
捺印マットを用意しましょう。ない場合は紙を四つ折りにして下に敷くことで代用できます。硬い机の上で捺印すると、均等に力が伝わらず印影がかすれてしまう場合があるので注意が必要です。
4.印鑑の上下を確認して、紙に印面を乗せてから力を入れる
印鑑の上下が間違っていないか確認し、紙に印面を乗せたら、印鑑の中心を軸にして小さな「の」の字を書くように押します。最後は紙をしっかりと手で押さえ、真上の方向にゆっくり離しましょう。ちなみに間違えて上下逆さまに押してしまった場合でも、効果がなくなることはありませんのでご安心を。
■婚姻届で使う印鑑の注意点
捺印する前に確認しておいてほしいこと
婚姻届は「きれいに記入して提出したい!」と考える人が多いものですが、うっかり間違えてしまうことは珍しくありません。捺印する前に、4つの注意点を確認しておきましょう。
・シャチハタやゴム印は使えない
シャチハタ印、ゴム印はインクが劣化したりゴムが変形したりする可能性があるため、婚姻届には使えません。銀行印・実印・認印のいずれかを用意しましょう。
・同姓の証人に依頼する場合、自分とは別の印鑑を使用してもらう
両親や兄弟姉妹など、 自分と同じ姓の親族に証人になってもらう場合、届出人と同じ印鑑を使うことはできません。 また夫婦など同姓の2名に証人をお願いする場合は、別々の印鑑が必要になりますので、注意してください。
・婚姻届は2、3枚ほど予備を用意しておく
婚姻届は、全国どこの役所でも無料でもらうことができます。
印鑑を押し間違えたり、印影がかすれたりする可能性を考慮し、多めにもらっておきましょう。
また、役所で配布されているもの以外でも、イラスト入りの婚姻届や、ふたりの写真を入れた婚姻届などをダウンロードできるサイトもあり、それらを提出することもできます。自宅のプリンタで印刷する際は、2、3枚ほど多めに印刷しましょう。
・結婚相手や証人が外国人の場合は、署名でOK
結婚相手が外国人の場合、捺印は必要ありません。
届出人欄には、アルファベットなどの母国語で名前を記入してもらいましょう。また外国人の親や友人に証人欄の記入を依頼する場合も、捺印は不要です。
ただし、婚姻届を提出する役所によって対応が変わる可能性があります。結婚相手や証人が外国人の場合は役所に連絡し、事前に確認をしておくと安心です。
■婚姻届を提出する日も、印鑑を忘れずに
ふたりで決めた日に提出できるよう最終チェックは忘れずに
すべての欄に記入を終えたら、いよいよ婚姻届の提出です。
万が一、不備や修正があった場合にすぐに対応できるよう、役所に行くときは印鑑を持参しましょう。
婚姻届の提出は、ふたりが出会った日や、付き合い始めた日などの記念日、クリスマスや七夕などの忘れにくい日、毎年必ず休みになる祝日などに提出する人が多いようです。ふたりで決めた大切な日に提出できるよう、ワクワク感を高めながら準備を進めましょう。
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