フリープランナーとは? 式場プランナーとの違いや相場を解説、人気プランナーも紹介
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フリープランナーとは? 式場プランナーとの違いや相場を解説、人気プランナーも紹介

目次

フリーウェディングプランナーとは、式場に所属していないプランナー。ここではフリープランナーに頼めることや頼むメリット、式場のプランナーの違い、料金相場などを解説。CORDYが厳選した人気プランナー10名も紹介します。

フリープランナーはポータルサイトやInstagramで探せる(写真はフリープランナー KOYUKIさん

フリープランナーはポータルサイトやInstagramで探せる(写真はフリープランナー KOYUKIさん

フリー(フリーランス)ウェディングプランナー(以下、フリープランナー)は、式場に所属せず、場所選びから結婚式当日までサポートしてくれる存在です。日本では、あまり馴染みがありませんが、海外では一般的なスタイルです。

「フリーウェディングプランナー」とネット検索すると、自分たちと相性の合うプランナーを探せるポータルサイトが出てくるので、その中でコンタクトを取ることができます。
最近では、Instagramで探したフリープランナー個人にダイレクトメッセージを送ってやり取りするカップルもいます。

>>ポータルサイト例:BRAPLA(ブラプラ) では、式場プランナーとは何が違うのか、詳しく見ていきましょう。

フォトジェニックなロケーションも選べる(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

フォトジェニックなロケーションも選べる(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

場所選びからサポートできるのは、所属する式場を持たないからこそ。
結婚式のイメージや理想の過ごし方などを、カップルごとに細かくヒアリングしたうえで、ぴったりなロケーションを提案してもらえる のは大きな特徴です。
たとえば、豊かな自然を堪能できる森やビーチ、ふたりが出会った学校の校舎、普段は貸し切り対応していない歴史あるお寺など、結婚式場以外の場所が選ばれるケースも多いです。

結婚式を想定していない場所には、カップルの支度場所や親族控室などの設備が整っていなかったり、とくに屋外などは厨房設備もないためケータリングを用意しなければならないケースもありますが、フリープランナーは、その場合の対処法についても経験や知見を持っています。

ただし、 専属のプランナーを抱えているホテルや結婚式場は、フリープランナーを受け入れないルールになっていることもある ため、憧れのホテル・式場がある人は事前に確認しておきましょう。

式場で契約するとやりたくてもできないことがある

式場で契約するとやりたくてもできないことがある

結婚式場で契約すると、設備面や自分たちが挙げる前後の結婚式の兼ね合いなどで、やりたくてもできないことが出てくることも・・・
フリープランナーに頼む場合は、最初にふたりがやりたいことや理想の過ごし方を紐解いたうえで、場所を探したりアイテムを選んだりするので、後になって「やりたいことができない」とガッカリすることはありません。

ただし、ふたりの希望であっても、プロの目で全体を見渡してみて、好ましくなかったり、よりよいアイデアがある場合は、提案してもらえます。

>>参考記事:結婚式にはやりたくてもできないことがある?

お色直しで行きつけの美容師にヘアカットしてもらった新婦の様子(ウェディングプロデュースは岡村奈奈さん)

お色直しで行きつけの美容師にヘアカットしてもらった新婦の様子(ウェディングプロデュースは岡村奈奈さん)

結婚式場では、ウェディングドレスやヘアメイク、カメラマンなど、結婚式に必要なアイテムやサービスを、決められた中から選ぶルールを設けているケースが多いですが、フリープランナーに頼むと、カップルが探してきたものを自由に使えるのが一般的です。
こだわりたい部分は惜しみなく費用をかけて、節約したい部分は徹底的に安く済ませるなど、自分たちの価値観に合わせてコントロールすることもできます。

フリープランナーにも、普段から取り引きのあるドレスショップやチームを組んでいるカメラマンなどのプロフェッショナルがいるので、その中から選ぶことも可能です。

フリープランナーは、単に自由に選ばせるというわけではなく、結婚式全体のトータルバランスやふたりの理想、ゲストの顔ぶれなどを総合的に判断したうえで、持ち込みたいアイテムが相応しいかどうか、アドバイスしてくれます。

フリープランナーに頼む場合は、結婚式にかかる実費の他に「プロデュース料」がかかります。これは、 プランナーが場所を探したり、設備や備品をそろえたり、結婚式のアイデアを考えたりする手間や時間に支払う対価 です。

プロデュース料の相場については、次の章で詳しく紹介します。

プロデュース料を払っても式場でかかる予算と変わらない!?

プロデュース料を払っても式場でかかる予算と変わらない!?

フリープランナーに支払う「プロデュース料」は、20~50万円、CORDY編集部の調査によると30万円前後が平均的 です。中には、結婚式にかかった総額の10%、20%といった料金システムもあります。

「ウェディングドレスやゲストに振舞う料理などの実費だけでも高いのに、プロデュース料も上乗せされるとなると、とんでもない金額になりそう」と考えがちですが、意外に結婚式場で挙げる場合と大きな違いはありません。


フリープランナーの上野由賀里さんが手掛けている結婚式は、ゲスト数70名の場合、総額400~500万円程度に落ち着くことが多いと言います。
ゼクシィトレンド調査2023によると、一般的な結婚式の平均総額は327.1万円、平均列席人数は49.1人。
それぞれの総額をゲスト人数で割ると、6~7万円と同程度です。

フリープランナー 上野由賀里さん

フリープランナー 上野由賀里さん

「たとえば、海外の富裕層クラスになると1000万円程度の予算を考えている方もいらっしゃいますし、100~200万円以内でやり繰りしてほしいというお客さまもいらっしゃいます。それぞれの予算に合わせてご提案できるのもフリープランナーの特徴かもしれませんね」

結婚式場には、決まったパッケージプランがあって、その中に「いらない」と思うアイテムやサービスがあっても省くことができなかったり、取り扱っているラインナップの相場が高めだったりして、思うように節約できないこともあります。
フリープランナーに頼む場合、ふたりが必要性を感じるアイテムやサービスだけを組み合わせることができるため、予算コントロールしやすい と言えます。

フリープランナーに支払うプロデュース料は、ムダを省いてふたりの価値観に合ったお金の使い方をアドバイスしてもらうための費用という考え方もできる のではないでしょうか。

フリープランナーは、一旦、結婚式場で勤めた後に独立する人が大半です。どんなキャリアを積んできたのか、フリーランスになってからどんなサービスを提供しているのか。
独立したきっかけなども踏まえて、フリープランナーのスキルやマインドを紐解き、頼むメリットをまとめてみました。

フリープランナーは1組ごとにじっくり向き合いたい人が多い(写真はKOYUKIさんと担当した結婚式の1シーン)

フリープランナーは1組ごとにじっくり向き合いたい人が多い(写真はKOYUKIさんと担当した結婚式の1シーン)

フリープランナーは最初のヒアリングで、ふたりのなれそめや理想の結婚式についてはもちろん、 「実は母親に本心を打ち明けられない」「もう何年も兄弟と口を聞いていない」など、新郎新婦と家族の複雑な関係性まで踏み込む人も多い です。
そうした問題を、必ずしも結婚式で解決できるわけではありませんが、ほんの少しでも改善するきっかけになるよう、アイデアを考えてくれたりします。

コミュニケーションがここまで深くなるのは、 式場所属時代に「もっと1組ひと組にじっくり向き合いたい」といったジレンマを抱えていたことが、フリープランナーを志したきっかけという人も多い ため。

フリープランナー KOYUKIさん

フリープランナー KOYUKIさん

「式場に勤めていた頃は、結婚式がある土日は朝5時に出社して夜の22時、23時まで働き詰めでした。たとえば、1日のうちに、自分が担当する結婚式の本番が2組、その合間に打ち合わせのお客さまが5組ぐらいいらっしゃるようなスケジュールです。
お客さまは、一生に一度の結婚式に期待を膨らませているのに、思うように手間も時間もかけられず、申し訳ないような感覚がありました。1組ひと組、じっくり向き合いたいと思ったのも、独立を意識したきっかけのひとつです」

結婚や出産など人生経験豊富な人が多い

結婚や出産など人生経験豊富な人が多い

フリープランナーは、結婚式場で数年~10年などのキャリアを積んでいて、結婚式に対して深い知識があることに加え、結婚や出産も経験しているなど人生経験も豊かです。

たとえば、 マタニティウェディングの花嫁に当日までの過ごし方をアドバイスできたり、ふたりの両親の気持ちまで汲み取ったプランニングができたり します。

出産や子どもの成長といったライフステージの変化も、フリープランナーを志すきっかけのひとつです。
式場に勤めていても、産休や育休を取得できたり、仕事復帰した場合も時短勤務が認められるケースはありますが、「同僚に負担がかかるのが辛い」「子どもの学校行事に参加しづらい」といった悩みを抱える人もいます。式場のウェディングプランナーは、そこで退職という道を選ぶ人が多く、式場所属プランナーの平均年齢を引き下げています。

フリーランスへ転身する人は、 ブライダルのキャリアと人生経験の両方を活かした仕事ができるという持ち味もある と言えます。

管理職ではなく第一線で活躍し続けたい人が多い(写真はフリープランナーの岩田美生さんの仕事風景)

管理職ではなく第一線で活躍し続けたい人が多い(写真はフリープランナーの岩田美生さんの仕事風景)

「よくお客さまに『本当に結婚式が好きなんですね』と言われます」と言うのは、フリープランナーの岩田美生さん。

結婚式のプランニングを ビジネスとして割り切るのではなく、当日の雰囲気や新郎新婦とゲストの心が通い合う瞬間が、心底好きという傾向が強いのも、フリープランナーの特徴のひとつ。
カップルへのヒアリングが丁寧だったり、ライフステージが変わってもプランナーの仕事を続けようとするのは、「好き」を仕事にしているからこそと言えます。

式場に長く勤めていると管理職を任されるケースが多く、「ウェディングプランナーとして第一線で活躍し続けたい」というのも、フリーランスへの転身を考えるきっかけのひとつです。

フリープランナー 上野由賀里さん

フリープランナー 上野由賀里さん

「ホテルのブライダル部門に勤めていた頃、次のキャリアとして見えていたのは管理職でした。それは私が夢見た未来ではなかったため、実は一旦引退したんです。でも、私の場合、元上司がホテルに所属しながらオーダーメイドウェディングを手掛けられるブランドを立ち上げてくれ、そこでフリーランスになる準備を整えることができました」

では、フリープランナーに頼んでいるのはどんなカップルなのか、フリープランナーは、どういう価値観のカップルにおすすめなのかを紹介していきます。

フリープランナーが手掛ける結婚式はフォトジェニックなものも多い(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

フリープランナーが手掛ける結婚式はフォトジェニックなものも多い(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

「自分のイメージしている結婚式は、一般的な結婚式場では叶わないような気がする」
「よく見る結婚式では自分たちらしさを表現できない」


このようなタイプも、フリープランナーを選びやすいカップル。
フリープランナーが手掛ける結婚式にフォトジェニックなシーンが多いのも、こうしたこだわりが細部にまで詰め込まれているためです。

ふたりの思い出の場所など、結婚式場以外に目星をつけている場所があったり、「こんな結婚式、見たことない!」とゲストを驚かせたい、会場装飾や料理をオリジナルで用意したいなど、ふたりのこだわりに対して、フリープランナーはこれまでの経験や知識を総動員して応えてくれます。

フリープランナーは予算内でやり繰りするためにアドバイスしてくれる

フリープランナーは予算内でやり繰りするためにアドバイスしてくれる

実はフリープランナーには、「200万円以内に収めてほしい」といった要望も多く寄せられています。
式場見学で受け取った見積りが高額すぎたり、結婚情報誌などで調べた相場が予算に合わず、別の方法を探すうちに、フリープランナーに辿り着くカップルもいる ようです。

式場で挙げる結婚式は、あらかじめパッケージプランが用意されていたり、当日の進行スケジュールも基本的には決まっているため、ふたりが「いらない」と思っても省けないものもありますが、フリープランナーの場合、予算内に収まるよう、場所探しからサポートできるため、あとから100万円以上予算オーバーするような事態も避けられます。

フリープランナーには決まった枠がないため、「必要性を感じないものにお金をかけたくない」といった合理主義的なカップルにもおすすめ です。

フリープランナー 岡村奈奈さん

フリープランナー 岡村奈奈さん

「最近は、ウェルカムスペースに何も置きたくない、ケーキ入刀や花嫁の手紙を省略したい、お色直しをやる意味を感じられないなど、それぞれの価値観を主張されるお客さまが増えたように感じます。

逆に『みんながやっているから』『親がやれと言うから』など、周りの意見や常識などを判断基準にする人は減ってきた印象があります。

おふたりの価値観やゲストの顔ぶれに合わせて、やらなくてもいいこと・やった方がいいことを適切にアドバイスするのもフリープランナーの役割だと思います」

非日常的な日だからこそ人生が変わるほどの出来事も

非日常的な日だからこそ人生が変わるほどの出来事も

「人生観が変わるような結婚式を挙げたい」
「家族の間にあるわだかまりを結婚式で解決したい」


など、結婚式という非日常的なイベントでふたりやゲストの人生が変わるような出来事を期待して、フリープランナーを訪ねるカップルもいるようです。

式場のウェディングプランナーは、担当カップルが多すぎて、1組ひと組の家族関係にまで踏み込む余裕がなかったり、ヒアリングしても当日の過ごし方にまで落とし込むアイデアを考える時間がなかったりしますが、フリープランナーは1組ひと組、じっくり向き合ってベストな過ごし方を試行錯誤してくれるでしょう。

ただし、無理は禁物。
たとえば、両親と疎遠になっている兄弟が仲直りできるようなサプライズイベントを仕掛けたために、「そんなことしたくない!」「こんなこと聞いていない!」など、より一層こじれてしまうリスクも あります。
無理なリクエストは避け、自然な流れのなかで起こる結婚式のドラマを楽しめるよう、心に余裕を持って当日を迎えましょう。

普段から上手にイベントごとを取り入れている人も(写真のウェディングプロデュースは岡村奈奈さん)

普段から上手にイベントごとを取り入れている人も(写真のウェディングプロデュースは岡村奈奈さん)

一般的な結婚式は、荘厳なチャペルや花いっぱいに飾られたパーティ会場、そこへ正装して集まるゲストなど、非日常的なイメージがあります。

普段から仲間内で集まる機会が多かったり、家族のライフイベントなどをこまめに祝うなど、普段から自分なりの「非日常」を企画し慣れている人は、結婚式だからと言って張り切らなくてもいいと考え、式場でのパーティを避ける傾向もある ようです。

フリープランナー 岡村奈奈さん

フリープランナー 岡村奈奈さん

「私が担当するお客さまのなかには『結婚式を挙げるつもりがなかった』という方もいらっしゃいます。

接していて感じるのは、自分の気持ちを伝えることに慣れているということ。

直接理由を聞いたわけではありませんが、普段の生活にも上手にイベントを取り入れているからこそ、結婚式だけが特別じゃないといった価値観で、結婚式に対する憧れも薄いように見受けます」

自分でもパーティを企画したことがあったり、出席する機会も多い人ほど、式場のパッケージプランなど「型」にはめられることに違和感を覚えてしまうでしょう。

フリープランナーなら、自分たちのやりたいこと・やりたくないことに合わせた提案を期待できるため、ストレスなく結婚式準備が進められる のではないでしょうか。

フリープランナーにはどんな人がいるのでしょうか?
ここからは、CORDY編集部で厳選した実力のあるフリープランナー10名をご紹介します。
それぞれのプランニングの特徴や持ち味を簡単にまとめてみました。

(対応地域:東京・京都・その他)

思い出が絶好のロケーションと共に記憶される(写真は上野由賀里さんのプロデュース事例)

思い出が絶好のロケーションと共に記憶される(写真は上野由賀里さんのプロデュース事例)

「デスティネーションウェディング」は、上野さんの代名詞とも言えるスタイル。
豊かな緑や澄んだ海を臨む風光明媚なロケーション、美術館やオーベルジュ(宿泊できるレストラン)など、少し足を延ばして非日常を感じられる場所で挙げる結婚式です。

フリープランナー 上野由賀里さん

フリープランナー 上野由賀里さん

「人は、身も心もリラックスできるような場所、いつもと空気が違う場所へ行くと、自然と開放的になって会話も弾むものです。ふたりの人柄やゲストの顔ぶれに合わせて、テンションが上がる場所を探すことは、プランニングにおいて重要なポイントのひとつです」

大切な人たちが一堂に会し、笑顔で語らう貴重な時間が、フォトジェニックな風景に彩られることで、思い出もより美しく、鮮やかに記憶に焼き付くのだと言います。

フリープランナー 上野由賀里さん

フリープランナー 上野由賀里さん

「結婚式に集まる人たちは、人生で出会う人の中でも強い縁で結ばれていると思うんです。その人たちと絶好のロケーションの中で、同じ時空間を共有した思い出があるかどうか。それは、その後の人生の豊かさを大きく変えることだと思います」

(対応地域:全国)

結婚式準備は夫婦になるための大切なプロセス(写真は岡村奈奈さんのプロデュース事例)

結婚式準備は夫婦になるための大切なプロセス(写真は岡村奈奈さんのプロデュース事例)

岡村さんは、結婚式の準備期間を、どんなことも話し合える夫婦になるための大切なプロセスだと言います。

たとえば
「ふたりの結婚式にケーキ入刀は必要?」
「お色直しはしたい?」
「両親への手紙はゲストに聞いていただく?」

など、結婚式の企画には細部にいたるまでふたりの価値観が反映されます。
意見が分かれた時も、話し合いを重ねてふたりが納得できる決断を重ねていく必要があります。

それはこれからはじまる夫婦生活そのものだと、岡村さんは言います。

フリープランナー 岡村奈奈さん

フリープランナー 岡村奈奈さん

「結婚式準備は、どんな時もふたりで話し合って乗り越えていける夫婦になるための練習でもあると、私は思います」

岡村さんは、ふたりが「自分たちで準備した」という実感を持てるように、「A案とB案ならどちらがふたりらしい?」など、 話し合うテーマや質問を投げかけるようにしています。

フリープランナー 岡村奈奈さん

フリープランナー 岡村奈奈さん

「ウェルカムスピーチでお客さまが自信に満ちた表情を浮かべている姿は、私が結婚式で最も嬉しいシーンのひとつです。おふたりが自分たちでつくりあげたと実感してくださることは、お礼を言われるよりも嬉しいことです」

 (対応地域:京都・その他関西)

人生が変わるような感動シーンが生まれることも(写真は卒花嫁M.Tさんのファーストミート)

人生が変わるような感動シーンが生まれることも(写真は卒花嫁M.Tさんのファーストミート)

二谷さんは、ふたりの希望を叶えるだけでなく、カップルの漠然とした期待に応えるのがプロのプランナーの役割だと言います。

たとえば、
「ふたりの趣味を表現したい」
「好きな映画をテーマに空間装飾したい」
などは、ディスカッションしているうちに、ふたりから自発的に出てくるもの。
こうしたアイデアをより素敵にまとめる力はもちろん、ふたりと家族の関係性を結び直すなど、「何かが変わる」提案を期待されていることもあります。

式場のプランナーの場合、そこで過ごす2~3時間のプランニングになりがち・・・。
フリープランナーには決まった枠がないため、結婚式当日に留まらず前泊や後泊なども含めて、様々な企画を考えることができます。 そのアドバンテージを活かして、ふたりにとっての結婚式の意味や価値をより高めたいと言います。

フリープランナー 二谷真知子さん

フリープランナー 二谷真知子さん

「人生で結婚式ほど心が動く時間はめったにありません。そんな1日だからこそ、いつもとは違うコミュニケーションが生まれる可能性も高まると思います。

プロデュース料は『何か』を起こすための、経験値や知識量などに対していただくものだと思っています」

(対応地域:一都三県・沖縄県・静岡県・群馬県)

空間装飾で「ふたりらしさ」やふたりが描く未来を表現

空間装飾で「ふたりらしさ」やふたりが描く未来を表現

natsu.さんが、大切にしているのは「ふたりらしさ」を引き出して空間コーディネートで表現すること。
新郎新婦それぞれの「らしさ」は自覚していても、 夫婦としての「らしさ」は、ふたり自身も気付いていないことが大半 だそう。
ふたりがどんな夫婦になり、未来を描いていくのか、ゲストが感じて応援したくなることも、結婚式の重要な意味合いのひとつだと言います。

「ふたりらしさ」を引き出すカウンセリングは約1時間半。ふたりの半生やなれそめに留まらず、雑談の中にもたくさんのヒントが詰まっています。
どんな話題に興味を示し、いつ笑顔になるのか、言葉以外の情報も総合して「ふたりらしさ」を導き出し、空間コーディネートのイメージも合わせて、コンセプトシートにまとめます。

フリープランナー  natsu.さん

フリープランナー  natsu.さん

「とくに新郎さまは、コンセプトをお伝えすると、一気にイメージが膨らみ『こんなことがしたい!』など、積極的になってくださる方も多いです。
そんな新郎さまの様子は、新婦さまにとっても嬉しいもの。本音で話し合うことで『ふたりらしさ』がよりくっきり見え、その経験が長い夫婦生活の支えにもなると思います」

(対応地域:全国)

カジュアルパーティでも「結婚式の本質」は押さえよう

カジュアルパーティでも「結婚式の本質」は押さえよう

和田さんが得意とするプランニングは、結婚式の本質を押さえつつ、肩ひじ張らないカジュアルなウェディングパーティ。
最近、「堅苦しい結婚式はしたくない」「涙のシーンはいらない」といったリクエストを受ける機会が増えたそう。
和田さんはそんなカップルに対して「ふたりらしさ=カジュアルなら大賛成!でも単なる『飲み会』になってしまうのはもったいない」と伝えています。

和田さんの考える結婚式の本質とは、ふたりが人生のターニングポイントとしての実感を持てること。
そんな実感がどんなシーンで湧くのか、当日を迎えなければ分かりません。でも、ケーキ入刀や両親への手紙朗読など、よくある結婚式の定番セレモニーで胸に響くものがあるかもしれません。

大事なことは「カジュアルかフォーマルか」ではなく、ふたりにとって意味があるかどうか。

フリープランナー 和田翔太郎さん

フリープランナー 和田翔太郎さん

「パーティ中のセレモニーにせよ、アイテムにせよ、一つひとつがふたりにとって本当に意味があるかどうか、確信を持てるまで考えるプロセスが大事です。そのプロセスも結婚式当日、『いよいよ結婚するんだ』という実感に結びつくと思います」

(対応地域:全国)

準備期間も楽しめるようなコミュニケーションを心掛けている(写真は岩田さんと担当カップルの1シーン)

準備期間も楽しめるようなコミュニケーションを心掛けている(写真は岩田さんと担当カップルの1シーン)

ホスピタリティの象徴とも言える「オリエンタルランド」で10年以上サービスと人材育成に携わってきた経験に裏打ちされた、コミュニケーション力は岩田さんの持ち味のひとつ。

結婚式当日だけでなく、準備期間も幸せに過ごしてもらえるような接し方を心掛けています。

過去には、相談に訪れるなり泣き出した新婦もいたそうです。理由を尋ねると「契約先のプランナーに軽く見られている気がして辛く、契約解消を考えている」と言います。
以来、毎日のようにLINEなどで連絡を取り合い、新郎からの問い合わせでも必ず新婦にも確認を取るなど、普段以上に細やかな気配りを心掛け、笑顔を引き出すことができました。

フリープランナー 岩田美生さん

フリープランナー 岩田美生さん

「接客には『ワンセンテンス・ワンパーソン』などセオリーがあります。目の前に新郎新婦がいれば、センテンスごとに交互に目線を送ることで、自分に語り掛けてくれていると感じていただけます。

ただし、どんなにテクニックがあってもビジネスと割り切っていればお客さまにも必ず伝わってしまいます。

お客さまごとにヒアリング内容を変えるなど、規格に当てはめず、準備期間も楽しんでいただけるようなコミュニケーションを心掛けています」

(対応地域:東京・神奈川・千葉・その他)

ゲストと心が通い合う実感が結婚式の醍醐味(写真はKOYUKIさんのプロデュース事例)

ゲストと心が通い合う実感が結婚式の醍醐味(写真はKOYUKIさんのプロデュース事例)

KOYUKIさんが結婚式のプランニングで大切にしているのは、できる限り新郎新婦とゲストが交流する時間を増やすこと。

結婚式は、ふたりの大切なゲストが結婚を祝うために集まる場。そこには、なごやかで温かい、結婚式ならではの空気が流れています。
KOYUKIさんは、その空気こそが結婚式の本質的な価値であり、ふたりとゲストの心が通い合う時間を増やすことで、その価値はより一層高まると言います。

たとえば、KOYUKIさんがプロデュースするパーティでは、 お色直しやケーキ入刀、プロフィールムービーなど定番と言われる演出も、あえて取り入れないことがあります。
ゲストテーブルに新郎新婦の席を設けて会話を楽しんで過ごしたり、メインテーブルはフォトブースのように賑わっているそうです。

フリープランナー KOYUKIさん

フリープランナー KOYUKIさん

「よく、歓談中心だと間延びするのでは?と、気にされる方がいらっしゃいますが、まったく心配ありません。

お開き後に『経験したことのない感情が湧いた』とおっしゃるお客さまがいらっしゃいますが、それは大切な人たちと心が通い合った感動ではないでしょうか」

(対応地域:新潟県・富山県・福島県・山形県・関東地方)

コンセプトをデッサンで視覚化しイメージを膨らませてもらう

コンセプトをデッサンで視覚化しイメージを膨らませてもらう

小林さんがプランニングの依頼を受けて、最初にやることはコンセプトの立案と空間コーディネートのデッサン。
約2時間ほどかけてヒアリングし、ふたりの歴史を象徴するようなコンセプトを導き出します。そのコンセプトをデッサンで視覚化することで、結婚式当日、目の前にどんな光景が広がり、どんな時間を過ごせるのか、イメージを膨らましてもらえると言います。

結婚式は、飾る花やゲストに提供する料理、ゲストが楽しんでいる様子など、当日にならなければ出来栄えを確認することができません。
せっかく費用をかけるなら、イメージが湧かないまま手探りで準備を進めるよりも、「素敵な1日になりそう」という確信やワクワク感を持てた方が、結婚式の価値も高まると、小林さんは言います。

フリープランナー 小林亮太さん

フリープランナー 小林亮太さん

「結婚式は特別なイベントだからこそ、当日だけでなく準備期間もストレスなく楽しく過ごしていただきたいと思います。当日のイメージを膨らませてワクワクしていただくだけでなく、手間のかかる作業はお手伝いするなど、負担も軽くなるようサポートしています」

(対応地域:全国)

結婚式を家族の絆が強まる機会に(写真は山口さんのプロデュース事例)

結婚式を家族の絆が強まる機会に(写真は山口さんのプロデュース事例)

山口さんがこれから力を入れていきたいのは「ファミリーウェディング」。

結婚と妊娠が重なって結婚式を悩んでいたり、子どもが生まれて挙げる機会を逃がしてしまったカップルも、家族の未来のために結婚式を挙げてほしい と言います。

たとえば、 妊娠中で体調が不安定だったり、幼い子どもを抱える新婦には、結婚式の打ち合わせやドレスフィッティングのためにカップルの自宅を訪問するなど、 できるだけ負担がかからないような結婚式準備をサポートしています。

また、授乳室や子どもが昼寝できる場所を確保できたり、幼い子どもが大声を出しても周りを気にせず過ごせるなど、二児の母という自身の目線も活かして、幼い子どもと一緒でも過ごしやすいベストな場所を提案しています。

フリープランナー 山口真理子さん

フリープランナー 山口真理子さん

「コロナ禍の数年間、授かり婚で結婚式を諦めたり、挙げる機会を逃がしたカップルが増えた印象があります。
育児で忙しくても、幸せをかみしめる時間を過ごしていただきたい。家族の絆もより一層強まるのではないでしょうか」

(対応地域:東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県・群馬県)

思い出が数十年後まで輝き続けるのも結婚式の価値

思い出が数十年後まで輝き続けるのも結婚式の価値

「結婚式の価値は当日だけではない。思い出が、数年後、数十年後まで輝き続けるのも、結婚式が特別な理由だと確信しています」 と語る加藤渚さん。

加藤さんが手掛けたカップルからは、記念日のたびに「家族との間でも、あの日の話題がよく上り、幸せな気持ちを思い出します」といったメッセージが届いたり、新郎新婦の親がInstagramにダイレクトメッセージを送ってくれることもあるそう。

結婚式の思い出が長く輝き続けるよう、加藤さんはふたりにとって意味のあるものだけを厳選するように心掛けています。
会場、提供する料理、パーティ中のイベント、衣裳や引き出物などのアイテム、BGMなど、本当にふたりにとって意味があるかどうか、一つひとつ選ぶ理由を確認しています。
時には「しきたりは気にしない」と言うふたりに、ゲストの心理や当日の様子を想像して、必要性を説くこともあります。

フリープランナー 加藤渚さん

フリープランナー 加藤渚さん

「おふたりの希望を頭の中でシミュレーションして、ゲストの中に少しがっかりされる方もいらっしゃる様子が目に浮かぶことがあります。思い出が輝き続けるには、マナーも重要なポイントだと思います」

カップルの価値観に合わせてオーダーメイドで結婚式を組み立てられる(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

カップルの価値観に合わせてオーダーメイドで結婚式を組み立てられる(写真のウェディングプロデュースは上野由賀里さん)

フリーウェディングプランナーと式場プランナーとの最大の違いは、決まった枠を持たないこと。

結婚式場の場合、言うまでもなくそこで挙げることが大前提であり、「1日に2組受注する」などその式場のスケジュールが決まっているため時間的な制約もあります。このほか、持ち込みの制限などその式場ならではのルールもあって、カップルはその枠に収まるように、やりたいことを諦めなければならない場面も出てきます。もちろん、決まった枠のなかで十分に理想の結婚式を挙げられる人もいます。

フリープランナーの場合は、こうした「枠」がないため、カップルの理想や価値観に合わせてオーダーメイドで結婚式を組み立てることができます。
ただし、「あの式場で挙げたい!」など、憧れの式場を選べるとは限りません。

フリープランナーは、ホテルや式場といった挙げる場所ではなく、どんな過ごし方をしたいか、結婚式の中身にこだわりたいカップルにフィットする方法と言えます。

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