写真映え&記憶に残る空間コーディネート術(フローリスト バルフロール)
結婚式準備
ブーケ・会場装花
デコレーション

写真映え&記憶に残る空間コーディネート術(フローリスト バルフロール)

2019.10.01 2019.10.01

目次

  1. 写真にも記憶にも残すなら一点豪華主義
  2. 「ここぞ」というスペースを目立たせる
  3. 【Case1】文字通り花に囲まれたメインテーブル
  4. 【Case2】紅白の和傘40本で織り成すフォトブース
  5. 【Case3】ピアニストと共演!花のライブショー
  6. 誰の目にも素敵に映る空間の作り方
  7. デザインはスケッチで提案
  8. バルフロール代表取締役中野記美夫さん

写真にも記憶にも残すなら一点豪華主義

写真にも記憶にも残すなら一点豪華主義

ナチュラル、クラシカル、カジュアル・・・。こうした雰囲気やムードを生み出すのが空間コーディネートです。最近は、インスタグラムなどでも素敵な写真がたくさん紹介されています。せっかくなら、ゲストの方々には会場に足を踏み入れた瞬間、「ステキ!」と感じてほしいですよね!では、一瞬で世界観に引き込むにはどうすれば良いか、京都のフラワーショップ「バルフロール」の中野記美夫さんに、空間コーディネートのコツをお伺いしました。中野さんがこれまでに手掛けた事例を元に詳しく紹介します。

「ここぞ」というスペースを目立たせる

ー中野さんは全体をまんべんなく飾るよりも、「ここぞ」という場所を華やかにするスタイルをおススメされているそうです。
中野 結婚式場では、新郎新婦が座るメインテーブル周り、ゲストテーブルに飾る卓上花などがセットになっていて、一通り全体を飾れるようにしているケースが多いと思いますが、私は、ご予算が限られている場合は、一点豪華主義で、その他はシンプルにまとめるスタイルをおススメしています。
 私自身、結婚式に出席して、テーブルの花が印象に残っているかと言えば、残念ながらそうでもない。最初は、ちらっと見ていますが、結婚式が終わってみれば飾ってあった花のことは覚えていないんですよね。であれば、どこか一ヵ所、インパクトのあるものを飾った方が、写真にもゲストの記憶にも残ると思うんです。
 そのため、打ち合わせでは、まず、ゲストに真っ先に見てほしい場所、どこを一番目立たせたいかを伺うようにしています。
 一点豪華主義にするなら、他はシンプルな方がきれいにまとまると思います。メインテーブルもゲストテーブルも豪華、さらに天井も装飾されているというのでは、ごちゃごちゃし過ぎて、本当に目立たせたいスペースも埋もれやすくなるからです。
 たとえば、装飾にかけられる予算が30万円だったら、フォトブースやメインテーブル周りなど「ここぞ」というスペースに20万円程度かけて、ゲストテーブルや他のスペースは残りの予算でまとめるといったスタイルをおススメしています。極端な話、フォトブースを豪華に作り込む代わりに、ゲストテーブルは花を使わずキャンドルだけというのも素敵だと思います。
 だから、バルフロールは「メインテーブルがいくら」「ゲストテーブルがいくら」といった値段は設定していません。もちろん、お客様は値段が分からないと不安だと思いますので、過去に担当したお客様の写真をご紹介しながら「このぐらいのボリュームでいくらぐらいです」と値段の目安をお伝えしています。

CORDY(コーディ)VALFLORはこちらから

【Case1】文字通り花に囲まれたメインテーブル

【Case1】文字通り花に囲まれたメインテーブル

ー実際に手掛けられた装飾の例を教えてください。
中野 メインテーブルの背景に天井からたくさんの花を吊り下げてフォトジェニックなスペースに仕上げたこともあります。
 新婦様が「これまで列席した結婚式とは違うことがやりたい」とのことで、会場装飾は天井からお花を吊り下げたいと、具体的なイメージもお持ちでした。
 だったら、新郎新婦席の背景をめいっぱいの花で飾り付ければ全体的に華やかな印象になり、ゲストと写真を撮っても絵になるとご提案しました。
 使った花材はデルフィニウム。ボリュームを出したかったので、柔らかさがあって重すぎない、動きを出しやすい花材を選びました。たとえば、バラは花が大きくてボリュームを出そうとすると重たくごちゃごちゃした印象になってしまったり、茎がまっすぐなので吊るすと硬さが出てしまうんです。
 また、新婦のお母様がブルー系のお花が好き、お2人が和装をお召しになるなど、事前に伺っていた様々な情報を総合してデルフィニウムがぴったりだと思いました。
 どのぐらいの長さで吊るすかは、スマートフォンを使ってカメラ越しにどう見えるか、スタッフにも立ってもらい、シミュレーションしながらバランスを取りました。
 こういう大がかりな装飾の場合、もちろん目で見るのも大事なのですが、カメラ越しに見るとバランスを取りやすいです。最近は、結婚式の写真をSNSに投稿されたりするお客様も多いので、写真写りは必ず押さえているポイントですね。
 ゲストテーブルの装飾は小瓶を使った小さめのアレンジメントで、ゲストの目がメインテーブルの方に向くようにしています。

【Case2】紅白の和傘40本で織り成すフォトブース

【Case2】紅白の和傘40本で織り成すフォトブース

ー最近は花以外のアイテムを駆使した装飾も人気がありますよね。
中野 和傘を使ったフォトブースを手掛けたこともあります。
 国際結婚のカップルで、ゲストもほとんど海外の方という結婚式。日本を感じさせるような装飾というテーマで、新婦様からは「和傘を使ったフォトブース」という、ある程度具体的なオーダーもありました。
 最初は、あちこちに傘を点在させるというアイデアもあったのですが、写真を撮った時に印象に残るようにするには、一定の大きさが必要だと考えて全てを一ヵ所に集めることにしました。
 傘は赤と白の2種類だけでシンプルに。約40本を使用しています。柄の入った傘を使うよりも、日の丸や日本の祝い事を象徴する色でもある紅白でシンプルにまとめた方が存在感が強まると思いました。
 また、夕方からの挙式だったので、傘の裏から全体的に照明を当てて幻想的な雰囲気を演出しました。表から照明を当てると単純に明るくなるだけなのですが、裏から当てると傘同士が重なった部分に現れる陰影が透き通るような印象を与え、幻想的な雰囲気になるんです。
 当日は、海外のゲストの方も、このフォトブースでたくさん写真を撮ってくださっていたので、嬉しかったですね。

【Case3】ピアニストと共演!花のライブショー

ー他にもユニークな事例があれば教えてください。
中野 演出の一環として、プロのピアニストの演奏に合わせてその場で花を活け込んだことがあります。タイミングは、披露宴の終盤、お肉料理の後ぐらいです。
 これは、お2人からのご要望でした。好きな映画の中に似たようなワンシーンがあって、それをやってみたいとのことで、私も見せていただき参考にしました。
 曲目はお2人のリクエストを中心に選ばれていて、ゲストが飽きないように、事前にピアニストの方と打ち合わせして緩急のある順番にしました。ダイナミックな曲調の時には、大きな枝物や流木を活けるなど、音楽に合わせたパフォーマンスを意識しました。最後の1本を新郎様に活けていただいて完成、全部で15分ぐらいのライブです。
 会場全体の装飾はシンプルです。ロの字型のレイアウトだったので、中央のテーブルに存在感のある大きなアレンジメントを飾り、食卓のアレンジメントは控え目なサイズにしました。
 

誰の目にも素敵に映る空間の作り方

誰の目にも素敵に映る空間の作り方

ー装飾のデザインに対する考え方や、デザインスタイルはどのようにして培われたのですか?
中野 私は植物・造園系の専門学校を卒業後、フラワーショップに入社したのですが、そこで、定期的にコンテストに出場していました。コンテストに出ているうちに、あれこれ盛り込み過ぎるよりも、見せたい部分を絞り込む方が、誰の目にも第一印象で「キレイ」と映るんだと思うようになったんです。
 今思えば、最初のうちは自己満足でしたね。以前は、花以外のアイテムを取り入れてみるなど、奇抜なことをしたがる傾向も強かったです。でも、全く評価されず、過去の入賞作品などと自分の作品を見比べていたら、明らかに違っていたのが第一印象だったんです。
 入賞作品を見ると、強調したい部分がシンプルで分かりやすく、色々な要素を盛り込み過ぎていないからこそ、見る側にも美しさが伝わりやすいのだと分かってきたんです。
 たとえば、先ほど例にあげた、和傘を使ったフォトブースにしても、以前なら「紅白でシンプルに」とはならなかったと思いますね。もっと色々な柄の傘を集めていたと思いますが、そうすると、ごちゃごちゃしてしてインパクトが薄まってしまい、写真映えもしなかったと思います。
 会場の装飾も同じで「ここぞ」というポイントを決めたら、インパクトもボリュームもそこに集中させる、周りは“引き立て役”で、さらっとシンプルにまとめる方が、ゲストの記憶にも残るのではないでしょうか。

デザインはスケッチで提案

デザインはスケッチで提案

ー注文からデザイン決定までの流れは?
中野 平均すると、結婚式の2、3ヵ月前にヒアリングして、その内容をプロポーザルシートにまとめて、結婚式の1ヵ月前ぐらいに見ていただき、修正が入ったら2週間~1週間前までに決定します。お客様のニーズを正しく汲み取るのも重要なポイントなので、1回目のヒアリングが終わった後も、メールで何度もやり取りすることもあります。もちろん、打ち合わせは1回で簡潔にといったリクエストがあれば、対応可能です。
 花は、結婚式当日まで実物を見ていただけないので、お客様も「どうなるんだろう?」と不安になるものです。そのため、プロポーザルシートには、大まかなイメージのスケッチ、使用する花材や花器などの写真も入れて、当日を具体的にイメージしていただきやすいようにしています。

バルフロール 代表取締役 中野記美夫さん

バルフロール 代表取締役 中野記美夫さん

学生の頃に花屋でアルバイトをしたことがきっかけで花の魅力に惹かれ花業界へ進む。
フローラルコンペティションにおいて受賞歴多数。
2011年バルフロール設立。全国各地のホテル、結婚式場などの会場装飾を手掛ける。

CORDY(コーディ)VALFLORはこちらから


関連アイテム

  • 花材のみで彩るナチュラル会場装飾(京都・軽井沢エリア以外) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    VALFLOR

    花材のみで彩るナチュラル会場装飾(京都・軽井沢エリア以外) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    ¥ 330,000

  • 花材のみで彩るナチュラル会場装飾(京都・軽井沢エリア) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    VALFLOR

    花材のみで彩るナチュラル会場装飾(京都・軽井沢エリア) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    ¥ 110,000

  • オーダー会場装花 エリア外(京都・軽井沢以外) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    VALFLOR

    オーダー会場装花 エリア外(京都・軽井沢以外) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    ¥ 330,000

  • オーダー会場装花 エリア内(京都・軽井沢) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    VALFLOR

    オーダー会場装花 エリア内(京都・軽井沢) 【結婚式 フラワー 会場装花】

    ¥ 110,000