■ 結納と顔合わせ食事会の大きな違いは結納品の交換をするかしないか
そもそも結納とは、婚約を成立させて両家が親族となることをお祝いし、贈り物をする儀式です。結納と顔合わせ食事会の大きな違いは、結納品の交換があるかないかという点で、地域によっては交換ではなく、一方から渡すだけのところもあります。
結納といっても、現在、一般的に行われているのは「略式結納」といわれるもので、料亭やホテル、もしくはどちらかの家に両家が集まって、結納品を交わします。一方、伝統的な結納では、仲人が新郎新婦の家を行き来して結納品を交わし、両家が遠くにある場合は、何日かかかることもあります。
結納品は、地域によりますが、大体9品目あります。たとえば、「末広」と呼ばれる白無地の扇子などの縁起物や、「金包」と呼ばれる結納金などです。そのほか、結納品とは別に、男性から婚約指輪が贈られます。結納品を納めてもらった方は、結納品の受領書となる「受書」を渡します。
それから、「家族書」「親族書」と呼ばれる、結婚するふたりの家族や親族の名前と続柄を書いた書類も交換します。
■ 結納しないなら結納金もいらない? 代わりの「支度金」とは
一般的に、結納をしないなら、結納金は必要ありません。ただ、結納をするのが当たり前だと思っている親の場合、それを不満に思う人もいるかもしれません。
その場合は、顔合わせ食事会でも結納金だけは渡す、結納金の代わりに男性側が結婚にかかる費用を多く負担するなどの手段があります。結婚式や新生活の費用を男性側が渡すこともあります。このお金を「支度金」といいます。
お金のやり取りがないにしても、たとえば新居の費用は新郎側、家具や家電は新婦側、結婚式の費用はそれぞれの人数に合わせて折半するなど、費用の負担を決めておいてもよいでしょう。どの方法にするか、双方が納得できるように事前に話し合っておくのがおすすめです。
どれも、結納と同じようにお返しを希望する家もあります。できればそれも確認しておくといいでしょう。
・結納金の相場は100万円
地域によって様々ですが、結納金の相場は100万円ほどです。そして、結納返しは結納金の半分の金額にするのが一般的です。ただし、結納金を50万円にして、結納返しをなしにする場合もあります。
結納金のやり取りをなしにして、婚約記念品の交換をするという人もいます。男性側からは結婚指輪やネックレスなどのアクセサリー、女性側からは腕時計やスーツなどの身に着けられるものがよいでしょう。
■ 結納を行う人は約1割
2022年のゼクシィトレンド調査によると、結納のみを行なった人は2.5%、両家の顔合わせと結納の両方を行なった人は6.9%で、約90%の人が結納を行わないようです。
結納ほどお金と時間はかけずに、食事会で両家の親睦を深めたい人が多数派です。
結納が形式張った場であるのに対し、顔合わせ食事会は、お互いを紹介し合い、「これからよろしくお願いします」といった意味を込めて親睦を深める場。結納品の交換はありません。しかし、ただの食事会とも違って、始まりの挨拶や家族紹介、結びの挨拶などの流れにそって進行することが多いです。
当日の流れとやることは、こちらの記事で詳しく紹介しています。
■ 結納をする・しない、それぞれのメリット
・結納をしない場合のメリットは、お金と時間の負担が少ないこと
結納では、結納金と結納品、家族書を準備しなければなりません。結納のお返しである「結納返し」をする場合は、女性側もお金を準備する必要があります。食事会だけの場合は、結納品はなく、結納金もなしにすることがあるので、準備の時間や金銭的な負担は少なくなります。
また、結納は形式にのっとって厳粛に行うので、場所は料亭やホテル、結納プランのある結婚式場などになります。一方で顔合わせ食事会なら、堅苦しくならずに行うことができるので、両家の親睦を深めやすくなります。両家が了解しているなら、カジュアルなレストランを選ぶことも、マナー違反にはなりません。
・結納をしない場合のデメリットは、残念に思う親がいること
結納は、ひと昔前は当たり前のように行われていた儀式なので、結納をしないことを残念に思う親もいます。これが結納をしない場合のいちばん大きなデメリットといえるでしょう。また、結納は日本古来の伝統的な儀式が体験できる機会なので、あとになって「せっかくならやっておけばよかった」と思うこともあるかもしれません。
■結納をする・しないは、まずふたりで話し合い、両親の意見を聞いてみる
結納は、両家が親族となることのお祝いの場でもあります。だから、両親の意見も含めて決めたほうがよいでしょう。まずはふたりで、「結納をするか、しないか」「結納をしないなら、その理由」を話し合い、それを伝えたうえで両親の意見を聞いてみましょう。
注意したいのは、本人たちや、片方の家の意見だけで決めること。とくに結納は本来男性側から結納金を贈る儀式ですから、男性側から結納を断ると、なかには「軽く見られている。失礼だ」とみなす両親もいるかもしれません。女性側の両親が結納を希望している場合は、慎重に話し合いを進めたほうがいいでしょう。
また、地域によって伝統を重んじるところもあります。親が結納をするのは当たり前だと考えていて、ふたりは結納をしないことを希望しているなら、きちんと理由と合わせて説明するといいでしょう。お互いの家や地域のしきたりが異なる場合なら、どちらの顔も立つようにあえて結納をしないという手もあります。
親としては「しっかりとけじめをつけたい」という気持ちがあります。現代では結納をしないのが一般的になっていますが、親世代は必ずしもそうではないということを頭に入れて、話し合うようにしてくださいね。
■ 結納なしでも、「みんなが納得すること」が大事
結納か顔合わせ食事会で、互いの両親がはじめて顔を合わせるという場合も多いでしょう。自分たちは結婚の挨拶を済ませていても、両親は「結婚相手はどんな家の人なのだろう」と思うもの。
また、食事会だけにする場合でも、結納金はなしでいいのか、代わりに結婚式の費用を多く出すのかなど、事前に決めておくことがいくつかあります。結婚に向けて良いスタートが切れるよう、まずはふたりで話し合い、その上で家族に相談をして、みんなが納得したうえでどうすすめるかを決めることが大切です。
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