目次
- ■第一印象を決定づける『シルエットライン』
- ■顔映りを左右するのは『デコルテライン』
- ■肩&腕カバーは『スリーブデザイン』が重要
-
■要素の組み合わせで印象もテイストも変化。自分にもっとも似合うのは?
- ・【マーメイドライン】+【ビスチェ】でグラマラススタイル
- ・プレーン美を追及した【スレンダーライン】+【ボートネック】+【半袖】
- ・王道の花嫁姿を作り出す【Aライン】+【オフショルダー】
- ・【Aライン】+【エンパイアライン】+【ボートネック】+【バルーンスリーブ】で中世の姫君に
- ・ロイヤル感あふれる【プリンセスライン】+【Vネック】+【ロングスリーブ】
- ・量感【プリンセスライン】+ミニマル【ビスチェ】の対比が描く理想の姫ライン
- ・フェアリーライクな可愛さを演出する【エンパイアライン】+【ビスチェ】
- ・ベーシックな【Aライン】+【ビスチェ】ですっきり見え
- ・【スレンダーライン】+【ボートネック】+【フレンチスリーブ】で可憐な抜け感をつくる
- ・リラックスムードの【エンパイアライン】+【Vネック】+【ノースリーブ】
- ・【ミモレ丈】+【ラウンドネック】+【ノースリーブ】で上品カジュアルに装う
- ・らくちんラインに特別感をプラスした【Aライン】+【ボートネック】+【パフスリーブ】
- ■たくさんのパターンを試着してみよう
■第一印象を決定づける『シルエットライン』
ドレスのボトム、スカート部分の形を指します。大きなスカートと身体にフィットする細身のラインでは第一印象が大きく変わるため、まず最初のイメージ固めはシルエットラインを絞り込むことが大切です。ではどんな形があるのかイラストで見ていきましょう。
・Aライン
裾に向かってゆるやかにスカートが広がる、文字通り「A」を象ったラインです。もっともベーシックな形とされ、年代や体形を問わないため、長きにわたり不動の人気1位を誇ります※。デザインやディティール次第でどんなスタイルも体現できるオールマイティなシルエットです。
※ゼクシィ結婚トレンド調査2021参照
・プリンセスライン
大きく広く膨らむスカートが印象的で、その名の通り童話のお姫様のようなシルエットを描きます。そのためスイートでロマンティックな雰囲気を好む、比較的若い年齢層に選ばれる傾向があります。ボリューミーで存在感があるため、ホテルでのバンケットや大聖堂で特に映えるラインです。
・ベルライン
絞ったウエストから釣り鐘のようにふんわりとスカートが広がります。プリンセスラインに比べて腰周りにボリュームを持たせた、より姫感の強いラインになります。プリンセスラインと同じく大きな会場で際立ち、特にヒップ周りの下半身カバーを目指す花嫁にもおすすめしたいシルエットです。
・スレンダーライン
身体に沿い上から下に流れ落ちるような細身のタイプ。大げさなウエストマークがないのが特徴で、シンプルさやナチュラルさを求める花嫁に支持されます。縦のラインが強調されるので、背が高く見える効果も。コンパクトなシルエットなので、レストランなど小さめの会場でも映えます。
・マーメイドライン
上半身から膝までぴったりと身体に沿わせ、裾に向かってラインを広げた人魚を思わせるシルエットです。女性らしいボディラインがちょっぴりセクシーで、大人っぽい花嫁姿に仕上げてくれます。クラシカルな会場や教会、レストランでエレガントに着こなしたいドレスです。
・エンパイアライン
ウエストではなくバスト下に施された切り替えが特徴的なラインです。ナチュラルかつフェミニンなテイストを持ち合わせ、ガーデンやリゾートにぴったり。また視線が高くなるため足が長く見える効果も期待できます。お腹を圧迫しないので、授かり婚の花嫁にもおすすめしたいデザインです。
・ミモレ
こちらはボトムのシルエットではなく、膝下~ふくらはぎまでの丈を指します。短め丈とはいえ膝が隠れているため、ミニとは異なりカジュアルな雰囲気のなかにも上品さが漂うシルエットです。動きやすく、レストランやガーデンのウェディングにぴったり。しっかり靴が見えるので、コーディネートの楽しみも増えますね。
・ミニ
ミモレよりも短い、膝上丈のドレスラインです。もっともカジュアルなタイプなので、小さめの会場や屋外でのウェディングはもちろん、二次会やフォトウェディングによくマッチします。フロントがミニ、バックはロングのアシンメトリーなデザインなどもあり、遊び心のある花嫁姿を希望する人に。
ここまで紹介したシルエットが、どんな体型にフィットしやすいかを下の図にまとめてみました。下半身にコンプレックスがある場合は、大きめスカートのプリンセス、ベル、Aラインを選ぶと安心。中でもプリンセスラインは横の広がりが大きいので、マーメイドと同様に背が高めだとバランス良く着こなせます。縦ラインに目が行きやすいスレンダー、エンパイアは、背を高くスラリと見せたい人におすすめです。足の露出がOKならミモレやミニも検討してみましょう。
■顔映りを左右するのは『デコルテライン』
鎖骨周りを意味するデコルテの名の通り、ドレスの首&胸のデザインラインです。ここをどのぐらい、どの形で露出するかが大きく顔映りに影響するので、なるべく違う種類のラインを試着してみることをおすすめします。
・ビスチェ
ストラップが付いていない、デコルテと肩を潔く露出するタイプで、ベアトップとも呼ばれます。ヌーディなデコルテがフェイスラインもすっきり見せてくれるため、人気の高いデザインです。
・ラウンドネック
デコルテを丸くU型に縁取り、優しい顔映りにしてくれるラインです。見せ過ぎず隠し過ぎないスタンダードなデザインなので、どんな人にも似合うオールマイティさが魅力です。
・スクエアネック
胸元をスクエア型に切り取ったデコルテライン。ラウンドに比べるとシャープな印象で、甘く可愛らしいイメージよりも、凛としたクールな花嫁姿を目指す人に適しています。
・オフショルダー
両肩を出したデザインの袖が上腕にかかり、二の腕をカバーしてくれます。一方で、肩幅のある人はより強調されてしまうため注意が必要。大きく開いたネックラインで小顔効果も期待できます。
・Vネック
胸元がV字に切り込んでいるため、デコルテをすっきりと見せ、首長効果が嬉しいライン。V字の深さ次第でセクシーにもキュートにもなるので、幅広いテイストのドレスに取り入れられています。
・ボートネック
両肩を直線に近い、ボートの底のような曲線でつないだ、横に大きく開いたライン。どこかレトロな空気感をまといつつ、モード感をも併せ持つ、洗練されたルックスが特徴的です。
・ハイネック
デコルテを見せず、首まですっぽりと覆ったデザイン。露出を抑えることでクラシックな印象を与えます。首が詰まって見えがちなので、首が長い人におすすめしたいネックラインです。
・ワンショルダー
片方の肩にのみストラップや袖があるタイプで、アシンメトリーなデザイン性が魅力です。反対側から見るとビスチェラインになることが多いので、一着でふたつの横顔が楽しめます。
・ホルターネック
フロントから続くストラップなどを首にぐるりと回し、肩や背中を大胆に露出するタイプです。フロントとバックスタイルのメリハリをつけたい人に注目してほしいデザインです。
■肩&腕カバーは『スリーブデザイン』が重要
女性にとっては腕を出すか隠すかは大きな決断ですね。しかしいずれを選択しても、ウェディングドレスには袖のバリエーションがたくさんあるので、体形カバーと理想とする雰囲気、両方の視点からよく吟味して決めましょう。
・キャミソール
ビスチェにストラップが付いたタイプで、細いひもが肩を華奢に見せてくれます。なで肩の人はストラップが滑り落ちやすいので、試着のとき注意して確認してみましょう。
・アメリカンスリーブ
首元から袖ぐりにかけて大きくカットされ、ハイネックやホルターネックと組み合わせてデザインされるスリーブラインです。深いアームラインが映える、肩幅がしっかりある人におすすめです。
・ロングスリーブ
いわゆる腕に沿って袖があるタイプで、長袖のほか5分丈や7分丈も含みます。特に本格的な教会での挙式の場合、なるべく肌の露出を控えた方がよいとされるので長めの袖が推奨されます。
・パゴダスリーブ
上腕はぴったりと腕に沿い、肘から袖に向かってフレア状に広がるタイプ。袖口にボリュームを持たせ視線を引くため、二の腕が気になる人や腕が細すぎる人に選んでほしいデザインです。
・パフスリーブ/バルーンスリーブ
丸いフォルムの、大きくふくらませた袖で、半袖から肘が隠れる長めのものまであります。緩やかに空気をはらむ大きな袖がロマンティック。クラシカルかつ甘めのテイストを好む人に。
・フレンチスリーブ
肩から少しはみ出す程度の、ノースリーブと半袖の間ぐらいのささやかな袖。身頃とつながり、切り替えがないのが特徴です。ノースリーブがいいけれど、肩が出過ぎるのは嫌な人にぴったり。
・キャップスリーブ
ちょこんと肩先にのる、ごく短めの袖のこと。プクッと丸みのあるフォルムが、帽子のつばを思わせます。身頃から切り替えてボリュームを出しているぶん、フレンチスリーブよりスイートな印象です。
■要素の組み合わせで印象もテイストも変化。自分にもっとも似合うのは?
『シルエットライン』『デコルテライン』『スリーブデザイン』をどう組み合わせるかが、ドレス選びの基本となります。そこに素材の特性や装飾ディティールの要素を加え、好みのテイストのものを絞り込んでいくことになります。サンプルとして、代表的なテイストのドレスをいくつか見ていきましょう。
・【マーメイドライン】+【ビスチェ】でグラマラススタイル
これ以上ないほどコンパクトなシルエットに、全身に這わせた優雅な総レースで大人っぽく。シンプルなラインなだけに、グローブやベールの素材や長さで大きく雰囲気を変えられます。
・プレーン美を追及した【スレンダーライン】+【ボートネック】+【半袖】
前から見るとプレーンなスレンダードレスの美しさが引き立ち、後ろ姿は意表をつくVバック+大きめサテンリボンが印象的。シンプルななかにも、甘辛要素の差し込みで印象は自由自在です。
・王道の花嫁姿を作り出す【Aライン】+【オフショルダー】
張りのあるミカドシルクに贅沢なカットレースを施した、王道クラシックスタイル。デコルテと二の腕を美しく見せてくれる絶妙幅のオフショルダーが、初々しくも荘厳な花嫁姿に仕立ててくれます。
・【Aライン】+【エンパイアライン】+【ボートネック】+【バルーンスリーブ】で中世の姫君に
中世のプリンセスを彷彿とさせるバルーンスリーブが特徴的。バックスタイルはAライン、前から見るとエンパイアラインの技あり切り替えと、肌を透かせたボートネックが古典美のなかに現代的なエッジを加えています。
・ロイヤル感あふれる【プリンセスライン】+【Vネック】+【ロングスリーブ】
贅沢なビーズレースの長袖と艶やかなサテン地は、それだけでクラシック度高め。辛口のV字を切り取ったネックラインがケイト妃を思わせる、ロイヤル感たっぷりの楚々とした佇まいのドレスです。
・量感【プリンセスライン】+ミニマル【ビスチェ】の対比が描く理想の姫ライン
チュールの量感あるボトムに、さらにオーガンジーの縦ラッフルをオンしてさざ波のように甘く揺れるドレス。キラキラした胸元を太めのサッシュベルトで締めて、スタイルアップ効果もばっちりです。
・フェアリーライクな可愛さを演出する【エンパイアライン】+【ビスチェ】
小さな花がちりばめられた胸元からふわりと優しく広がるスカートは、オーガンジーならではの質感です。同素材で作られた大きなリボンと長く引いたトレーンが彩る後ろ姿は、妖精のような可愛らしさ。
・ベーシックな【Aライン】+【ビスチェ】ですっきり見え
うっとりするほどドラマティックな、淡いピンクのチュールトレーンに視線が集中しそう。フロント姿のシンプルAラインとヌーディな背中が甘さのなかにピリリとスパイスを利かせ、大人スイートの世界観に。
・【スレンダーライン】+【ボートネック】+【フレンチスリーブ】で可憐な抜け感をつくる
透明感あふれるレース地の浅めボートネックとフレンチスリーブが、自然体でいたい花嫁にぴったり。自然に溶け込むように上から下に流れるフラワーモチーフが、リゾートやガーデンによく映えます。
・リラックスムードの【エンパイアライン】+【Vネック】+【ノースリーブ】
オーガニックコットンで作られたドレスは、着心地バツグン。ドレスの中で体が泳ぐように、ゆったりと肩ひじ張らずに着こなせます。V字を包むスパンコール刺繍の葡萄の花輪で華やかさも。
・【ミモレ丈】+【ラウンドネック】+【ノースリーブ】で上品カジュアルに装う
軽やかに動けるミモレ丈を、繊細な総レースで優雅に装えます。素材の細やかさでカジュアルに寄り過ぎない、とびきりフェミニンな花嫁姿に。レストランやガーデン、二次会でも活躍しそう。
・らくちんラインに特別感をプラスした【Aライン】+【ボートネック】+【パフスリーブ】
切り替えなしのすとんとした個性派Aライン。背中に立ち並ぶくるみボタンと幾何学レースのパフ袖が、カジュアルならくちんシルエットにハレの日のスペシャル感を添えています。
■たくさんのパターンを試着してみよう
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